記事日付 | 20090916 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-世界各国:(48) 感染期間 contagious period |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | 豚インフルエンザの感染期間は予想を上回る長期 Swine flu contagious longer than thought |
和文 | http://www.healthzone.ca/health/newsfeatures/article/695679 解熱後も数日間はウイルス感染の可能性があるとの新たな研究が発表されたことで、専門家らは、咳が止まれば豚インフルエンザ患者に感染力はないと考えた方がよいと述べている。CDCは国民に対して、解熱して1日経つまでは、職場や学校に行かないで自宅に待機し、他者との接触を避けるよう説明している。しかし、今回の新たな研究によると、ウイルスの感染リスクがもっとも高い自宅では、さらに長い注意期間が必要であることが示唆されている。豚インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザに比べ、より感染期間が長いことが分かっている。今回の研究結果から、他者に感染させる可能性のある期間は1日や2日ではなく、おそらく1週間程度であると考えられると、ケベックQuebecの公衆衛生研究所の研究者は説明した。米国の微生物会議で発表された。今回の会議は、この春に豚インフルエンザが発生して以来、はじめての感染症専門家らが集まる大きな会議であり、CDCによれば、豚インフルエンザに感染した米国民は100万人を超え、600人近くが死亡している。今回の新たな研究結果を受けて、CDCが、豚インフルエンザ感染者の自宅待機期間を変更するかどうかについては不透明である。学校や職場を長期間休むことが、ほとんどの場合が軽症であるウイルスに対する対処法として適当とは考えにくいと、CDCのインフルエンザ責任者 Cox は述べている。豚インフルエンザがこれほど蔓延した今、感染患者を隔離することの価値は低くなっている。ガイダンスは、すべての要素に配慮してバランスよくまとめなければならないと述べ、学校や大学などのような環境にウイルスを進入させない様にすることは、実際のところ不可能であるとしている。粘液に排出されるウイルスの研究から、季節性インフルエンザについては、発症の数日前から発症後も、感染の可能性があることを医師らは知っている。豚インフルエンザについてのこのような研究は、今回が始めてであるが、この新型ウイルスはより長期間、感染性があることが示唆されている。季節性インフルエンザよりも長期間ウイルス排出されることは、現実に即していると、St. Jude Children's Research Hospitalの医師は述べている。3件の報告がこのような事実を示唆している。カナダの De Serresらは、検査で確定診断された43人の患者と、数十名の患者家族からの鼻咽頭スワブ検体を採取したところ、発症から8日目においても、検査法により違いが見られたものの、19-75%の患者に鼻腔内にウイルスが残っていた。この数字はかなり大きいものであるが、どの程度のウイルスが残っていれば、実際にインフルエンザの感染拡大が起き、どの程度まで減少していれば安心であるかは、よく分からいないと説明されている。シンガポールのDr. David C. Lyeらは、治療を行った70人の患者について、鼻または咽頭に関して非常に鋭敏なウイルス検査を行ったところ、発症の5日後に80%の患者がウイルスを保有しており、7日後でも40%にウイルスが確認できたと報告した。一部は16日間経過した後もウイルスを持っていた。タミフルを開始した時期によって、確認されるウイルスの量は変化したが、ウイルスの有無には全く影響しなかった。3件目は、メキシコのthe National Institutes of Medical Science and Nutrition のDr. Guillermo Ruiz-Palaciosの報告で、発症後1週間経っても豚インフルエンザウイルスが排出されることが多かったと、会議で発表した。特に肥満患者と薬剤服用が発症の2日目以降となった患者に多かった。この新しい研究報告は、豚インフルエンザの感染期間がより長期間であることを示唆したが、どれぐらいの期間であるかは明らかになっていない。たとえ鼻腔内にウイルスがいたとしても、他者に感染させるほど多くのウイルスを排出するわけではないと、CDCの専門家は述べている。この点で、咳のような症状のほうが問題となると説明した。De Serres は、感染力は様々な要因に影響され、ウイルスの存在だけで決まるものではなく、感染伝播に関係する他の症状にも依存するとしている。豚インフルエンザの症状として、発熱、咳、咽頭痛、鼻水、身体痛、頭痛、悪寒、倦怠感、と時に下痢や嘔吐などが見られる。小児では、普段より不機嫌、遊ばない、あまり食べないなどであることもある。CDCの、解熱してから1日は自宅で様子を見るというアドバイスは、医療現場には当てはめられない。医療現場においては、発症から7日間、もしくは治癒するかの、どちらか長いほうの期間の隔離が、今も勧められている。豚インフルエンザに感染した患者は、職場や学校に戻ったら、咳やくしゃみの際には口を被い、よく手を洗うことが求められると、CDCはアドバイスしている。 [Mod.CP注-このような結果があったとしても、CDCはインフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルス感染患者の隔離期間に関する勧告を変更する可能性は低いと思われる。長期間の隔離は、特に軽症であるウイルス性疾患に対しては、もはや適当ではないとする、(CDCの)Nancy Coxの考え方が一般的だろう....] |
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