感染症速報詳細

記事日付 20090916
タイトル Aedes albopictus ヒトスジシマカ-フランス:初報告
国名 フランス    
感染症名 Aedesalbopictusヒトスジシマカ
概要 7月にフランス南部に置かれたトラップで、ヒトスジシマカが確認された
和文 http://www.leprogres.fr/fr/region/le-rhone/rhone/article/1973395,184/Le-moustique-vecteur-de-la-chikungunya-decouvert-a-Manissieux.html
The tiger mosquitoとも呼ばれる[_Aedes_] _albopictus_ ヒトスジシマカは、デング熱やチクングニアウイルスのベクターとなる昆虫insect で、温暖な国に広く分布する。2005年、 La Reunion でチクングニアが流行し、5000例以上の患者が発生したことを思い出す人もいるだろう。この病気は、発熱と関節痛を特徴とする。仮にこの種の蚊族がフランス南部に定着していたとしても、今までにフランス国内でチクングニアやデング熱患者が発生したと報告されたことはない。しかしそのことを理由に、the DGS (Directorate of Health 保健局) が全ての道路に沿って行っている、この蚊族の拡大の監視をやめることはない。初めてこの種の蚊族が確認されたのは2009年7月後半で、通常の産卵トラップ oviposition traps のうちの1か所で見つかったものであると、the Interdepartmental Alliance for Mosquito Control. Based in Chindrieux (Savoy サボイ)の生物学者の1人が述べた。この部署は、蚊族の繁殖状況の把握などを担当する。同部署のチームは、蚊族の発生があった5か所(アン Ain, サボア Savoie, オートサボア Haute-Savoie, イゼール Isere, and ローヌ Rhone)に数百のトラップを仕掛けている...これまでのところ、"tiger" [mosquito]が見つかったのは、Aiton, サボア Savoy, Manissieux(リヨン Lyon東部、the Lyon-Chambery motorway)だけである。トラップが置かれているのは、蚊族の分布が広がる道路沿いである。ほとんど場合、すでに数年のうちに急速に分布が広がっているイタリアからの流入であり、ボウフラや卵がトラックやタイヤに溜まった水の中で運ばれてくる。暖かくなって孵化するため、専門家による調査が必要である。自宅付近の水たまりを放置しないよう注意を呼びかけている当局者は、花瓶や植木鉢のような入れ物は、蚊族をおびき寄せると警告している。
[Mod.TY注-_Aedes albopictus_ が、欧州内を北方に向かって分布域を拡大させ、それに伴って、デングやチクングニア、その他のウイルスの感染伝播リスクが生じていることを示唆する報告である。2007年にはイタリア中部でチクングニアウイルス感染が発生したことが報告されている。チクングニアウイルスは、2009年にシンガポールへの旅行者によってフランスに持ち込まれたが、それ以上の感染伝播は生じなかった(20090423.1524)。Professor EA Gould は、チクングニアウイルスの_Aedes albopictus_への適応の重要性を強調する興味深いコメントを行っており、この蚊族が定着している地域に、広範囲な地理的拡大が起きるリスクを指摘している(20080910.2829)。このコメントの中で、_Ae. albopictus_ がデング熱などの他のウイルスのベクターでもあることの重要性が指摘されている。フランスは、 _Ae. albopictus_ establishment(定着)に関して、比較的高いリスクを有している国に分類されている。
参考 European Centre for Disease Prevention and Control, 2009, Technical Report: Development of _Aedes albopictus_ risk maps. 45 pp. http://ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/0905_TER_Development_of_Aedes_Albopictus_Risk_Maps.pdf
地図 French administrative divisions http://www.lib.utexas.edu/maps/europe/france_admin91.jpg

原文リンク