記事日付 | 20091001 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-米国:細菌の重感染 |
国名 | 米国   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | 2009パンデミックインフルエンザA(H1N1)による死亡患者の肺組織の細菌性重感染 Bacterial coinfections in lung tissue specimens from fatal cases of 2009 pandemic influenza A (H1N1) - US, May-Aug 2009 |
和文 | http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm58e0929a1.htm?s_cid=rr58e0929a1_e これまでのパンデミックインフルエンザにおける剖検結果に関する研究で、インフルエンザAウイルス感染による死亡のほとんどで、細菌性肺炎を合併していたことが明らかになっているが、インフルエンザパンデミックA(H1N1)2009ウイルスでは、そのような事象が起きているとの証拠はない。CDCは、パンデミック インフルエンザA H1N1 2009 ウイルス感染の死亡例の患者からの肺組織の剖検検体について、細菌性肺炎に関する調査を行った。5月1日から8月20日までの期間中、医療関係者や衛生当局からCDCに提出された、パンデミック H1N1 2009 ウイルス感染が確定された米国の死亡例からの検体は、77件であった...77人の患者のうち、22人(29%)に細菌感染の合併があり、うち10人は_Streptococcus pneumoniae_ (pneumococcus 肺炎球菌)であった。22人の患者のうち罹病期間の判明した17人について、中間値は6日間(1-25日間)であった。情報の明らかな18人の患者のうち、14人は発病後受診し、8人(44%)は入院していた。以上より、2009パンデミック インフルエンザA(H1N1)による死亡例では、細菌性肺炎が合併していたことが判明し、肺炎球菌性肺炎のリスクの高い患者に対するワクチン接種の重要性や、インフルエンザ患者の細菌感染の早期発見の必要性が明らかになった...CDCは感染症患者からの検体を常に受け付け、組織病理学・免疫組織化学・分子学的を行っていること、検査の概要、結果(10 cases with _S. pneumoniae_, 6 with _S. pyogenes_, 7 with _S. aureus_, 2 with _Streptococcus mitis_, and 1 with _H. influenzae_; 患者の平均年齢31才)だったことなど MMWR編集部注 ...早期に出された、California カリフォルニアの入院患者30人やMichigan ミシガンのICU(集中治療室)の患者10人に関する調査では、細菌性肺炎は認められないとの結果であった。これらの報告では、細菌性肺炎は無関係もしくはほとんど影響しないとの結論であった...細菌性肺炎の存在を確認する報告ではあったが、さらにSystematic researchが必要である...この報告には少なくとも3つの条件が付く;まず全ての細菌性病原体(_Legionella_ speciesなど)が検査されているわけではないこと、2つめに情報が患者からの情報にのみ基づいており、カルテ記載や死亡診断書が入手できないことから、死因がインフルエンザ・細菌・あるいは双方であるか確認できないこと、3つめに細菌感染の診断が死後剖検であることである。最も多かったのは_S. pneumoniae_.によるもので、5歳未満の患者1名はワクチン接種対象者であり、ほか15人の基礎疾患のあった患者もPPSV23 vaccineの適応があった。現行のAdvisory Committee on Immunization Practices (ACIP) は5才未満の全ての小児にpneumococcal conjugate ワクチンを勧めており、さらに基礎疾患のある2-64才と65歳以上の全人口にPPSV23 が推奨されている。米国でPPSV23ワクチン接種の対象である18-49才のうち、PPSV23ワクチンを受けたのはわずか16%であるとの研究結果がある...参考文献紹介 |
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