感染症速報詳細

記事日付 20091010
タイトル 慢性疲労症候群-世界各国:gammaretrovirus link
国名 世界各国    
感染症名 慢性疲労症候群
概要 慢性疲労症候群にウイルスが関連するとの研究結果が示された
Study links virus to chronic fatigue syndrome
和文 http://www.usnews.com/science/articles/2009/10/08/study-links-virus-to-chronic-fatigue-syndrome.html
前立腺がんに関係することが最近明らかになったウイルスに、新たにchronic fatigue syndrome(CFS 慢性疲労症候群)とも関連する可能性が出てきた。米国の研究者らが、101人の患者の血液を調べたところ、2/3の患者がこのウイルスを有していた。ウイルスが慢性疲労の原因であることを意味するわけではないと、8日付の雑誌Scienceに掲載されたこの研究報告で強調されている。the National Cancer Institute and Nevada's Whittemore Peterson Instituteの研究チームによると、XMRV [xenotropic(異種指向性、宿主以外で増殖する) murine leukemia(ネズミ白血病) virus-related virus] と呼ばれるこのウイルスは、単に "a passenger virus" であって、慢性疲労により免疫システムが弱体化した患者内にride(居場所)を求めたに過ぎない。さらに健常者の4%でも、このウイルスが見つかることも明らかにした。マウスのがんの原因となるこのウイルスの、健康に対する影響についての疑問が生じてくる。数百万人のアメリカ人が、病原性についてよくわかっていない、何らかのレトロウイルスに感染している可能性があることが示唆されたと、研究者らは結論付けている。これまでに多数のウイルスと慢性疲労との関連性が示唆されながら、数百万人の患者がいるとされるこの原因不明の病気の原因特定には至っていない。6ヶ月以上の重度の疲労と、記憶障害などの症状が特徴とされるが、診断のための検査はなく、医師は他の原因を除外することで診断を下すが、特異的な治療法はない。XMRVはマウスの白血病ウイルスと関係がある。どの様に発生し、どのようにヒトが感染するかは分かっていない。しかし、最近になって別の研究チームにより、200人の前立腺腫瘍患者の約1/4がこのウイルスを保有していることが分かった。がんのない前立腺組織では6%にすぎなかった...
出典 Detection of an Infectious Retrovirus, XMRV, in Blood Cells of Patients with Chronic Fatigue Syndrome. Science Express, 8 Oct 2009 Retrovirus XMRV is found in prostate cancer cells :the Science Express http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/sci;1179052v1http://www.pnas.org/content/104/5/1449.full
参考文献 Retrovirus XMRV is found in prostate cancer cells  http://www.pnas.org/content/104/5/1449.full

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