記事日付 | 20091018 |
タイトル | インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-世界各国:肺炎 |
国名 | 世界各国   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | [1] 季節性インフルエンザに比べ、ウイルス性肺炎が多い Viral pneumonia commoner with swine flu than common flu |
和文 | http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/10/16/AR2009101601384.html?sub=AR WHOは16日、医師らに対して、豚インフルエンザが疑われる患者にはなるべく早く抗ウイルス薬による治療を開始するよう要請した。通常のインフルエンザと比較して、比較的若年者においても、死に至る可能性のあるウイルス性肺炎をより発症しやすいと警告している。WHOのNikki Shindo医務官は、健康であった若年者でも非常に重症化する可能性があると述べた。この発言は、WHOにより、パンデミック H1N1 2009 ウイルスに関する最新の研究のレビューと治療ガイドラインの見直しを行うため招集された、専門家約100人による3日間にわたる会議の内容を受けて行われたものである。季節性インフルエンザと比較して、より肺の奥に達し、ウイルス性肺炎を起こす可能性があると述べた。このことで、肺に障害がおき、acute respiratory distress syndromeと呼ばれる、死亡する可能性のある状態につながる...同氏によると、最近冬が終わりを告げた豪とNZの複数の病院には、重症の豚インフルエンザ患者により大きな負荷がかかっていた。次のインフルエンザシーズンに向け、より多くの重症患者の発生を予想しておかなければならないと注意した。少数の患者で薬剤耐性ウイルスが見つかっているが、ほとんどの患者にとって、早期に開始されれば薬物治療は有効であると説明した。米国では、肺炎による死者やインフルエンザ様症状をもつ患者数が、CDCが想定する流行レベルを超えている。全受診者のおよそ6%がインフルエンザ様疾患を訴えている。この時期としては予想外とされている。またCDCは、ワクチン生産量が当局の見込みより遅れているため、月末に使用できるワクチンの量が当初の計画より少ないことを明らかにしている...インフルエンザにより死亡する小児及び青少年の数が増え続けている。米国では少なくとも86人の18才未満の患者が死亡した。このうち11人は先週報告されている。半数がこの1ヶ月に発生した..年齢別の患者数など [2] Clinical features of severe cases of influenza pandemic (H1N1) 2009 virus infection Briefing note 13 情報源: World Health Organization (WHO), CSR 、2009年10月16日。 http://www.who.int/csr/disease/swineflu/notes/h1n1_clinical_features_20091016/en/index.html 感染研・感染症情報センターの和訳 http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/2009who/WHO_brief13.html を転載させて頂きました パンデミックインフルエンザの臨床像および患者管理に関する情報を収集するため、WHOは10月14-16日の3日間、ワシントンDCにあるPAHO(WHOアメリカ事務局)のヘッドクォータにて会議を開催した。世界的に新型H1N1ウイルスに感染したほとんどの症例では、薬剤を使用しなくても、合併症もなく一週間以内に完全に回復していることが確認された。 ・集中治療の必要性;、急速に進行する重症の肺炎を呈する一部の患者では、しばしば重症肺炎が他臓器の障害や基礎疾患としてあった喘息や慢性閉塞性気道疾患の著明な悪化と関連している。重症化した患者の治療は困難を極め、多大な労力と時間を要する。そしてそのことは救急室や集中治療室がパンデミック期に患者の治療において最も重い負担を抱えることを示している。重症例でもっとも多かった死亡の原因は、原発性ウイルス性肺炎で、死亡例の約30%で二次性細菌性肺炎が認められている... ・季節性インフルエンザとの臨床像に関する相違点:...妊娠を含む基礎疾患を有する人々が重症化のリスクであると知られている一方で、もともと健康であった若年層で多くの重症者が発生している。それらの患者では、重症化する危険因子はまだ不明であり、現在調査中である。重症患者では、一般的に発症して3-5日に悪化し、悪化は急速で多くの患者では24時間以内に呼吸器不全に進行、ICU入室が必要となる。大部分の患者は人呼吸器管理が必要となる。一部の患者では人工呼吸器管理にあまり反応せず、さらに治療が困難となる...、迅速なオセルタミビルやザナミビルといった抗ウイルス薬の投与が重症度を軽減させ、生存率を改善するエビデンスが示された... ・リスクの最も高いグループ:重症化、死亡する最もリスクの高いグループとして、妊婦、特に第3期、二歳以下の小児、喘息を含む慢性肺疾患を有する患者の3つのグループであると参加者らは同意した。神経系疾患は、小児において重症化リスクを増加させる可能性がある。少数民族や先住民族といった不利な環境下にいる層で不釣り合いに重症化しているエビデンスが示された。理由はよくわかっていないが、糖尿病や喘息といった基礎疾患がこの層で高頻度に認められることや、医療アクセスが悪い点が調査されている理由として挙げられていた。 正確な機序はよくわかっていないが、肥満、特に病的肥満が重症例・死亡例で高率に認められた。季節性や、これまでのパンデミックで肥満はリスク因子としては認められてこなかった... |
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