感染症速報詳細

記事日付 20091107
タイトル 百日咳-オーストラリア:サウスオーストラリアSA
国名 オーストラリア    
感染症名 百日咳
概要 2009年におよそ3500例の感染報告を受けている
和文 http://www.news.com.au/adelaidenow/story/0,22606,26306408-5006301,00.html
South Australia サウスオーストラリア州では、過去最悪のwhooping cough[pertussis 百日咳] 感染流行が発生し、乳児がこの死亡する可能性があり感染力の強い疾患の1番の犠牲者になっている。乳児は、予防接種を完了していないため、最も感染しやすく、周囲の人々の予防接種率を高める"herd immunity(集団免疫)"でしか守ることができない(依存している)。保健当局は、2009年におよそ3500例の感染報告を受けている。2008年の同期には859例、2007年には318例だった。全国的統計によると、South Australia の感染率は、全国平均の2倍となっている。2009年3月に、NSW(ニューサウスウェールズ)州の生後4週の新生児が死亡した。10年ぶりの死亡患者となった。これ以降、ほか2人の小児が死亡したと見られている。全国的に百日咳の"big wave"を経験したと、SA感染症対策責任者が述べた。同氏によると、SAが最も感染率が高かったが、その原因は判っていない。1991年に記録が開始されて以来、最多の診断報告数となっていて、ワクチンによって感染しやすい子供を保護することに、関心を持つ必要があると呼びかけている。小児では、脳障害により重篤な合併症がおき、咳が続いている最中に呼吸が止まることもある。小児ではヘルニア(そけい?)が発症し、手術が必要となることもある。SAでは95%の子供たちが予防接種を受けているが、一部の人々はこどもにワクチンを受けさせることを拒否したり、無関心だったりするという。homeopathic "vaccines"は無効だと説明した。費用の無駄であり、自分自身と自分の子供と、他人の子供を危険にさらすことになると警告した。
[Mod.SH注-小児の百日咳ワクチン接種の持続期間について、研究者らの中には、年長児や若年者での患者やアウトブレイクの報告は、自然感染に比べて、ワクチンによる防御効果が短期間しか持続しないことを意味している可能性があると、指摘しているものがある(Report of the task force on pertussis and pertussis immunization - 1988. Pediatrics 1988; 81(June Suppl): 955). 。防御効果の持続期間は、研究によって異なり、疫学環境が影響している:すなわち、自然感染の発生頻度とワクチンの使用状況である。ミシガンMichigan州の研究によれば、最終接種から3年間は80%に有効性が認められ、4-7年後には50%、12年後以降になると実質的に0%であることが示されている。この研究で報告された、breakthrough disease(効果減弱後に発生した疾患)は、通常軽症であると報告されている。これに似た研究結果も考慮すると、10代に再接種を、19-64才の成人には、世界中で行われている10年ごとのTdではなく、TdaP [tetanus, low dose diphtheria, acellular pertussis] boosterを接種することが勧められる。]

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