感染症速報詳細

記事日付 20091121
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-英国:(ウェールズ)、タミフル耐性
国名 英国    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 患者間でタミフル耐性豚インフルエンザの感染拡大
Tamiflu-resistant swine flu spreads between patients
和文 http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/8370859.stm
タミフルに薬剤耐性を有する豚インフルエンザのウイルス株による感染が、入院中の患者間で広がっていると、保健当局が明らかにした。カーディフCardiff にあるウェールズWales大学病院の、重症基礎疾患のある患者の入院治療が行われている病棟内で、合計5人の患者が耐性ウイルスに感染していた。このうち3人は、院内で感染したと見られている。これらの患者は、ヒトからヒトへタミフル耐性ウイルスが感染したことが確認された、世界で初めてのケースと考えられている。これまでに世界中で数十例が、薬剤服用中にタミフル耐性を発生させたとの報告があったが、他者への感染伝播は起きていなかった。唯一、ヒトからヒトへの感染の可能性があるとされた症例は、米国のサマーキャンプに参加した2人で、確定はされていない。ウェールズ大学病院の患者のうち、2人の患者は回復し退院となった:1人は重症であり、2人は病棟で現在治療中である。当局は、他の患者らにリスクはない点を強調している。現在も、状況を把握するための検査が続けられている。英国政府当局は、豚インフルエンザの感染期間の短縮と合併症のリスクを軽減する可能性のある薬剤であるタミフルについて、国民の半数をカバーするために十分な量を購入している。このため、タミフル耐性のインフルエンザウイルスの感染拡大は、公衆衛生上、深刻な問題となる。パンデミック H1N1 2009 ウイルスは、2009年4月の新興以来、極めて安定しているが、ウイルス学者らは、新たな耐性株の発生もあり得ると考えている。Wale's Communicable Disease Surveillance Centreの1人は、タミフル耐性のインフルエンザAウイルスの新興は、治療にも関わらず検査が陽性のままの、重症の基礎疾患や免疫不全状態の患者では、予想されていたことで、今回のケースでは、4月以来感染循環する豚インフルエンザウイルスと、耐性ウイルスの重症度は変わっていないようだと述べた。Chief Medical Officer for Walesは、免疫に問題のある患者は、より豚インフルエンザウイルスに感染しやすく、このため優先的にワクチンを接種してきたとし、英国内では抗ウイルス薬耐性について十分な監視を行っており、早期の発見・対処を行うことが可能だと説明した。このような患者が発見されたことは、監視が機能していることを証明したもので、患者は安心してよいと述べた。タミフルによる治療は現在でも豚インフルエンザに適切なものであり、それと同時に衛生順守もウイルスの感染拡大防止には重要だと説明した。19日には、英国全体で300万人以上の5歳未満の健康児への豚インフルエンザワクチンが供給されると発表された。19日に発表された数字によると、先週イングランドEnglandで新たに感染した患者は53000人と見られ、前週の64000人から減少した。スコットランドScotlandでは、21200人で、その前の7日間の約21500人から減少した。ウェールズWalesにおいて、GPsによりインフルエンザ様疾患と診断される率は、人口10万人対36.5人で、前週の65.8人から低下している。
[Mod.CP注-はじめてはっきりとしたヒトからヒトへのTamiflu-resistant influenza pandemic (H1N1) 2009 virus感染伝播の事例だと思われる。しかし、感染伝播の状況については記事に記載がなく、一般市民の状況への影響もほとんどないようである]

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