感染症速報詳細

記事日付 20091204
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-日本:異常行動
国名 日本    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 17才までの151人のインフルエンザ患者に異常行動が認められた
和文 http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20091202a6.html?
厚労省は、9月下旬から11月中旬までの期間に、17才までの151人のインフルエンザ患者で、暴力をふるったり、意味の分からない言葉を発するなどの異常行動が認められたことを報告した。患者のほとんどが豚インフルエンザ[インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルス]に感染していたと見られ、異常行動はタミフルの服用の有無に関係なく起きていたことが、厚労省の権威級グループからの報告で明らかになった。2ヶ月足らずの期間中に、2008年1年間に見られた全患者数179例に迫る勢いで発生した。当局は、新型H1N1インフルエンザの増加に伴って異常行動例が増加し、若年の患者は、発熱後少なくとも2日間は、注意深く観察する必要があると述べられている。151人の患者の中で、タミフルを使用していたのは26例、リレンザは36例、いずれも服用していなかった患者は16例であった。タミフルは異常行動の原因となる恐れがあるとして、10歳代への使用が禁止されていたが、状況によっては使用が許可されている。
[Mod.CP注-これは特異な現象unusual observationで、世界のほかの国から報告されたことはない。パンデミック H1N1 2009 ウイルス患者の異常行動についてはしばしば報告されているものの、パンデミックウイルスの出現以前から報告されている現象であり、このウイルスが原因であると特定することはできない。パンデミック ウイルス出現の前後に、他のコミュニティでも同じような行動パターンが報告されたことがあるのだろうか?]
[Mod.MPP注-パンデミック H1N1 2009 ウイルス感染後におこる、脳炎、脳症、そして"abnormal behavior(異常行動)" の症例報告を読むに当たって、1918インフルエンザウイルス感染と、嗜眠性脳炎encephalitis lethargicaおよびパーキンソン病との関連性についての、過去の医学的独断dogma を思い返さずにはいられない。現在の文献のレビューによれば、主に、そのような関連性に対するエビデンスが欠如していたことに注目が集まった議論の対象となっているに過ぎないという、違った様相となっている。おそらくは、良質の前方視的コホート研究がこの問題を解決するだろう 文献紹介]

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