感染症速報詳細

記事日付 20091206
タイトル  Aedes albopictus -オーストラリア:(クイーンズランドQL) 20091205.4148
国名 オーストラリア    
感染症名 Aedesalbopictus
概要 クイーンズランドでthe Asian tiger mosquito, _Aedes albopictus_ のボウフラが確認された
和文 クイーンズランドQueenslandにおいて、デングウイルスを伝播する "aggressive(攻撃性の)" species である蚊族が確認されている。州南部にもデング熱拡大の不安が広がっている。the Asian tiger mosquito, _Aedes albopictus_ のボウフラが、 New Mapoonの小さな町 Cape York で発見された。当局は、この蚊族がデングウイルスや、さらには黄熱ウイルスも伝播する能力を持っていると説明している。同州の当局者は、寒冷気候でも生存する能力があり、州南東部のブリスベンBrisabaneなどの地域に定着する可能性を懸念する。これまでデング熱が確認されているのは、北部の熱帯地域に限られていた。The Asian tiger mosquitoにはデングウイルスを伝播する能力があるが、ネッタイシマカthe _Aedes aegypti_ mosquitoほど効率的なキャリアではないものの、ネッタイシマカよりも涼しい気候で生息できるため、感染が拡大し、今よりも南の地域にも定着する可能性があることが懸念されると、同氏は述べた。2009年のこれまでに、クイーンズランドは50年ぶりとなるデング熱感染流行を経験し、1000人以上が感染し、このうち女性1名が死亡している。ケアンズCairns やタウンズビル Townsville など、地域内のあらゆる都市に激しく感染拡大したため、デング熱サミットが開催され、世界中から専門家が集まった。クイーンズラン州保健局によると、New Mapoon で確認されたボウフラは、いずれもデング熱の検査で陰性であった[Dengue virus would be expected to be found in adult mosquitoes, rather than larvae. デングウイルスは通常、ボウフラではなく、成虫の蚊族で確認されるもの- Mod. TY]。 Cape York はまだ乾期であり、すでに南部にもthe Asian tiger mosquito が広がっている可能性は低いと見られると専門家は述べた。the Torres Strait において、はじめてヒトスジシマカ_Aedes albopictus_ が確認されたのは2005年のことであるが、オーストラリア本土での発見はこれが初めてであった[そうではない]...
写真 _Ae. albopictus_ mosquito http://www.animalpicturesarchive.com/Arch04/1140055440.jpg
[Mod.JW注-The 1st reports of _Ae. albopictus_ mosquitoes on the mainland は、1999年のダーウィン Darwin(最北のノーザンテリトリー Northern Territory)に、Indonesian West Timor(西チモール)からの採掘船によって持ち込まれた例と、それより南のシドニーSydney(ニューサウスウェールズ New South Wales)に日本からのタイヤを積んだ船により持ち込まれた例である]
[Mod.TY注-11月に再び、クイーンズランド北部で2件のデング熱の国内感染伝播が発生した(20091201.4109)。_Ae. albopictus_が、新たなもう1つのデングウイルスベクターとなる不安も、現実的である。この報告の中で、chikungunya virus (CHIKV チクングニヤウイルス)が持ち込まれ _Aedes albopictus_ が伝播することへのリスクが語られていないのは不思議である。2007年には、イタリアにCHIKVが導入され、_Ae. albopictus_ による感染流行が起きている。インドから帰国した感染のある旅行者によってCHIKVが持ち込まれ、当時国内での感染流行が起きた(20071031.3534)。2009年にも、スリランカとシンガポールからイタリアとフランスに帰国した旅行者のCHIKV感染が発生しているが、その以上の感染伝播は起きていないようである。しかし、オーストラリア国内(の環境)に、CHIKVと_Ae. albopictus_ が適応し、効率的な感染伝播を行いうるかについての疑問には、答えが出ていない。adaptation of CHIKV to _Ae. albopictus_は、この蚊族の定着した世界中の広い地域に感染が拡大するリスクを伴っているとして、その重要性を指摘するコメントがある(20080910.2829)。オーストラリアから、南アジアおよび東南アジアのCHIKウイルス常在地域への旅行の増加を考慮すると、北部クイーンズランドへのCHIKV導入と拡大のリスクは、南米やアフリカの弧発性の森林型黄熱yellow fever (YF) からのウイルス導入よりも、ずっと高いものだと考えられる]
地図 New Mapoon (where _Ae. albopictus_ was detected)  http://www.maplandia.com/australia/queensland/brisbane/brisbane/

原文リンク