感染症速報詳細

記事日付 20091210
タイトル インフルエンザパンデミック(H1N1)2009-米国:the mild pandemic
国名 米国    
感染症名 インフルエンザパンデミック
概要 予想されたより軽いインフルエンザパンデミック Flu pandemic much milder than expected
和文 http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=121184706&ft=1&f=1003
政府保健当局が米国民に対してインフルエンザ接種をよびかける大規模キャンペーンが行われる中、the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) と外部の専門家により解析された新たなデータによると、これまでのところ、インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルス感染は、当局の予測していたよりも程度が軽い(milder)であることが明らかになった。the journal Public Library of Science誌掲載の新たな研究の著者である、the Harvard School of Public Healthの疫学教授 Dr Marc Lipsitch は、20世紀に発生した3つのパンデミックと比較して、最も軽症のパンデミックとなるだろうと述べた。インフルエンザパンデミックの程度を測る方法はいくつもあるが、人口の中で感染したヒトの割合を見るのも1つの方法である。まだシーズンが終了していないが、これまでのところは8%未満となっている。ウイルスが変化しないと仮定すると、感染者の割合は10-20%の間と見るのが妥当である。これから通常のインフルエンザシーズンの幕開けupper end を迎えることになるが、予想されたほど深刻とはなっていない。もう1つの目安は、入院が必要になるほどの重症患者数で、米国民の15%がインフルエンザに感染したとすると、およそ7万人から最大では60万人以上が入院すると見込まれる。この数字はおそらくどこか途中で終わり、それは通常のインフルエンザシーズンのころである。最も重要な指標は、死者の数である。2009年春、豚インフルエンザ[インフルエンザパンデミック(H1N1)2009ウイルス感染]により、ウイルスに感染した100人のうち1人が死ぬだろうと誰もが考えていた(entirely possible)。現在では、20倍以上も高い率だったことが判っている。実際、豚インフルエンザによる死亡率は、通常のインフルエンザシーズンよりも低く、およそ感染者2000人に1人の割合か、それよりもさらに低いと考えられる。2009年の最も大きな違いは、死者のほとんどが小児、10代と50歳以下の成人である点である。インフルエンザでは通常、65才以上の死者が最も多い。しかし、これは小児や若年者の感染が重症化しやすいのではなく、単純に、通常のインフルエンザよりも、この年齢の感染者が多いことが原因である。成人の感染患者よりも、小児患者の死亡率の方が小さいと、CDCの当局者は述べている。CDCは、豚インフルエンザが予想よりずっと軽症であることを懸念している(reluctant)。すでに多くの人々が、パンデミックが軽いと見てワクチン接種を受けないことに決めており、もし政府がmildであると発表すれば、ワクチンの接種者がさらに減り、その中から死者が出ることになると述べた。mild か severe かについては意見が分かれているものの、CDCは250人以上の小児の死亡を報告しており、通常のインフルエンザの3倍以上の小児が死亡するインフルエンザは、何であれ、mildとするのは非常に誤解を招く表現だとした。多くの人がパンデミックの脅威が過ぎ去ったと考え、ワクチンを接種する人が減ることで、2010年の早期に第3波の豚インフルエンザが訪れる危険性が増すと、専門家らは懸念する。

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