感染症速報詳細

記事日付 20100107
タイトル ライム病-米国(02):鳥類の宿主
国名 米国    
感染症名 ライム病
概要 米国のライム病について Re: ProMED-mail Lyme disease - USA: avian hosts 20100102.0024
和文 Lyme disease, または Lyme borreliosisの、米国内の病原体は_Borrelia burgdorferi_ sensu stricto.である。 従来より、"sensu lato"は、 Lyme borreliosisの病原体である種全体と、関連する genospeciesを指す。あまり歓迎されない北東部よりも感染発生の少ない南東部と同じように、機会があれば、_Ixodes scapularis_はトカゲ lizardsからも吸血すると思われる。間接的に気候や風土、シカの管理など通じて影響することを除けば、ヒトやペットが病原体の感染拡大に寄与すると考える理由はほとんどない。_B. burgdorferi_の集団構成から、北東沿岸州のWisconsin and Minnesota, and parts of northern Californiaという、3つのrelic populations(過去に発生した集団) から徐々に広まっていったことが判る。中西部の株は、北東部では発生しないし、逆もまた真である。アメリカ大陸においても、鳥類がある程度の関与しているが、欧州ほどではない。北米では、気候や風土の変化が大きな要因である。ダニの成虫は、幼虫の約2倍の感染蔓延率で、_B. burgdorferi_の保有動物であるシカよりもより適合した他のほ乳類の宿主から吸血する。
○ ライム病は、"widespread in the United States". ということはない。ほとんどが、北東部の限られた地域の患者である。他の州の報告は、診断の間違いか、ほかの地域で感染した患者である。
○ 数百年前からライム病の症状は知られていたとの証拠はない。初めて医学的に報告されたのは、20世紀初頭の、スウェーデンとオーストリアである。
○ "nearly every country in the world"で報告されていることもない。世界中で、B. burgdorferi_ or a similar speciesについて、全くあるいはほとんど報告されていない地域がほとんどである。南米、サハラ以南のアフリカ、南アジアおよび東南アジア、オセアニアである。
私見では、モデレータのコメントとして付された、ヒトへの感染やヒトの間の感染伝播において、精液、授乳、昆虫が関係するとした、根拠に乏しい意見もまた、行き過ぎた印象を与えると思われる。米国において、最も一般的といえる_B. burgdorferi_ の感染経路の重要性の指摘を妨げている;それは、感染した_I. scapularis_ もしくは _I. pacificus_ tickの幼虫による刺咬である。
参考文献 数編

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