記事日付 | 20100112 |
タイトル | 腸チフス 最新状況2010(01):旅行者、-ネパール |
国名 | ネパール   |
感染症名 | 腸チフス |
概要 | イスラエル人のネパール旅行者 Israeli travelers - Russian Far East ex Nepal |
和文 | http://cursorinfo.co.il/news/novosti/2010/01/06/pokhara/ the [Russian] Far East を旅行中の40人のイスラエル人旅行者らが、 enteric fever腸チフスに感染した。6日報じられた。感染源は、ネパールのポカラ Pokhara市にあるthe Jewish Center Beit-Khabat の飲食店と見られている。いずれの旅行者も、(発病した)the [Russian] Far Eastに向かう前に、同地に滞在していた。イスラエルの熱帯病の専門家は、イスラエル国内で腸チフスに感染した症例は含まれていないと語った。患者は全員入院となり、適切な治療を受け、イスラエルに帰国した。イスラエル国内での感染拡大の恐れはないと説明されている。 [Mod.LL注-どこで治療を受けたのだろうか。Enteric fever (caused by _Salmonella enterica_ serotypes Typhi or Paratyphi serogroups A-C) では、他の一般的なサルモネラ症とは全く異なる病状となる。典型例では、嘔吐および下痢は見られない ;逆に便秘が報告されることが多い。全身疾患であるため、特に感染初期においては、便培養と同程度以上に血液培養がenteric fever陽性となり、恐らく最も鋭敏な検査は骨髄培養である。最も多く見られる初期症状には、発熱、食欲低下、気力低下、倦怠感、長引く鈍い頭痛、痰を伴わない咳、はっきりしない腹痛、便秘などである。高熱が見られることが多いが、わずかな頻拍に留まることが多い。発症後2週間にわたり、発熱が長引き、mental dullness [従来 coma vigil と呼ばれた]が認められる。下痢が見られることもあるが、通常は認められない。患者の多くに、肝脾腫が認められる。発病後1週間前後で、上腹部に斑点状丘疹が発生し、その病変("rose spots")は直径約2cmで、圧迫により退色する。2-4日間持続し、発生と消失を繰り返す。軽症例や異型感染も多い。治療されなかった患者の約10%が死亡する可能性があり、再発もまれではない。Paratyphoid serotypes による疾患は、軽症例であることが多い。今回の報告に関連する病原体については、記載がない。ネパールを旅行したイスラエル人旅行者が、enteric fever を発症することはよく知られており( Enteric fever among Israeli travelers in Nepal: the need for typhoid vaccination. Isr J Med Sci. 1990;26: 325-327.)、他国の旅行者に比べて報告されることが多い。恐らく、イスラエル人旅行者の、腸チフスワクチンの接種率が低いことに関係しているかも知れない。さらに最近では、ワクチンでは予防することができないParatyphoidの症例の割合が、著明に増加しつつある。注目すべき点として、the Paratyphoid serotype cases が、the typhoid serotype と比較して決して軽症ではないことがある。 地図 Pokhara is located in the Kaski District in the Western Region of Nepal http://ncthakur.itgo.com/map04.htm |
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