感染症速報詳細

記事日付 20100116
タイトル 川崎病-ベトナム(ホーチミン市)
国名 ベトナム    
感染症名 川崎病
概要 川崎病の患者が急増し、2009年に100例を超えた
和文 http://www.saigon-gpdaily.com.vn/Health/2010/1/78245/
ホーチミン市Ho Chi Minh City 内にある2か所の小児病院は14日、心臓の合併症の可能性のあるKawasaki disease の患者を報告した。多くの研究にもかかわらず、この疾患の確かな病因は判っていない。口唇・舌・口腔粘膜の発赤と腫脹の症状が見られ、目の周りのdark rings(黒い輪)や高熱が認められる。5才未満の小児に発病することが多い。Children Hospital I の心臓病棟にはこれまでに3人が入院した。地区のクリニックではデング熱の診断を受けていた。5年前までは年間約20例の患者を受け入れていたと、病院の医師は述べた。しかし、2009年に増加傾向が見られ、100例を超える患者が発生した。専門家によると、Kawasaki(川崎病)は重症の心合併症をきたす可能性のある危険な病気で、致死率はおよそ1%であり、死亡患者の半数が病初期の2ヶ月間に死亡する。病名は、1967年に初めてこの疾患を発見した日本人医師に由来する。
[Mod.YMA注-持続する発熱、発疹、手足の腫脹、結膜の不快と充血、頸部リンパ節腫脹、口腔・口唇・咽頭の不快感と炎症などの症状が見られる。重症合併症として、冠動脈の拡張と動脈瘤があり、男児と幼児に多く、日本で最も多く発生している。冬から春にかけての季節性があると考えられている。the US Centers for Disease Control and Prevention (US CDC)の疫学調査に当たっての診断基準は、5日間以上続く発熱に、以下の5つの臨床症状のうち4つ以上を認めるとされている;発疹、頸部リンパ節腫脹(直径1.5cm以上)、両側性の結膜発赤、口腔粘膜変化、四肢末梢性変化(とくに手や顔面の腫脹)。回復期に、おむつの当たっている部分、手掌、足底を中心とした皮膚落屑が認められる。最も恐ろしい心臓の合併症は巨大冠状動脈瘤で、塞栓や破裂する可能性がある。より詳細な情報 http://www.cdc.gov/kawasaki/  ]
[Mod.LL注-Kawasaki disease の原因は今も不明のままであるが、いくつもの感染性の原因が疑われている。地域的な拡がりのある周期性流行の発生:基本的に自己完結;冬と夏に発生;発熱、リンパ節腫脹、眼症状などがこのような病因であることを示唆する。現在一部で、複数の要因(ウイルス、ブドウ球菌性超抗原"super antigens)が、免疫活性の最終過程をトリガーすると信じられている。有効とされる治療法は全て、この免疫活動を狙ったものばかりである。その治療法としては、免疫グロブリンの静脈注射(IVIVG)や、反応が見られない場合の副腎ステロイドの連用などがある。ステロイドは当初有害と考えられていたが、後になって、IVIGの無効例に好結果をもたらせることが判ってきた。アジア民族の間で初めてKawasaki diseasesが発見され、より多く発生していることから、genetic polymorphisms遺伝多型性に対する、遺伝学的特徴を有すると指摘する専門家もある。 参考文献の紹介、原文参照願います]
[ModTG注-原文参照願います]

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