記事日付 | 20100206 |
タイトル | インフルエンザ パンデミック(H1N1) (14)-フィンランド、交差反応性抗体 |
国名 | フィンランド   |
感染症名 | インフルエンザパンデミック |
概要 | フィンランドの高齢者、高頻度に2009パンデミックインフルエンザA(H1N1)に対する交差反応性抗体を保有 High frequency of cross-reacting antibodies against 2009 pandemic influenza A (H1N1) virus among the elderly in Finland |
和文 | http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=19478 著者:フィンランド・National Institute for Health and Welfare (THL)など、N Ikonenら 要約:2009年5月以降、パンデミック インフルエンザA(H1N1) ウイルスが、世界中に広がった。疫学的データによると、高齢者の発病者に占める割合は低い。2004年と2005年に、1909年から2005年生まれまでの人々から採取された血清検体約1000件について、2009パンデミック インフルエンザA(H1N1) 、および現在感染循環する季節性インフルエンザAウイルスのそれぞれに対する抗体について、haemagglutination-inhibition testを用いて解析した。1909-1919年生まれの人の96%は、2009パンデミック インフルエンザウイルスに対する抗体を保有していたが、1920-1944年生まれのグループでは、抗体保有率が77%から14%と幅があった。1944年以降に生まれた人々は、パンデミックウイルスに対する抗体を持っていなかった。the 2009 pandemic influenza A (H1N1) virus のthe haemagglutinin (HA) geneの塩基配列と比較すると、the Spanish influenza および 1976 swine influenza virusesは、非常に近い関係にあった。the HA moleculeの3次元構造に基づき、ウイルスHAの抗原エピトープは、近年の季節性インフルエンザA(H1N1)よりも、the Spanish influenza HA のそれに、より近い関係にあることが判明した。高齢者においては、おそらくはスペインかぜ(the Spanish influenza virus感染)もしくは直近の子孫ウイルス感染によって獲得されたと考えられる、2009パンデミック インフルエンザウイルスに対する交差性抗体によって、現パンデミックウイルスに対して、防御性免疫を付与されているものと考えられる...以下、導入、結果(抗体レベル、塩基配列の比較、分子構造解析)、議論と続く。 [Mod.CP注-..重要な結論として、1909-1919年の間に生まれた高齢者らの96%が2009パンデミック(H1N1)インフルエンザウイルスに対する抗体を保有しているのに対し、1920-1944年生まれでは保有率が77-14%であり、それ以降に生まれた人では抗体が認められなかったことがある。このことは、特異的抗インフルエンザ免疫は、非常に長期に渡って持続され、時に一生続くこともあることが示されている] [Mod.JW注-著者のコメントにある"These observations also suggest that the driving force of human influenza A virus evolution is the host's immune response that stimulates antigenic drift(ヒトインフルエンザAウイルスの進化を推し進める原動力は、抗原ドリフトを刺激する、宿主の免疫反応である)",の部分は、active process(能動的な過程)を前提とするものであるが、私は刺激は存在しないと考えている;むしろ、抗体により、majority variant(大きな変異)が抑制されることによって、minority variants with small mutations(小さな変化と変異)が生じ、偏った増殖が生まれ存続するという、passive process.(受動的過程)が起きていると考える] |
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