記事日付 | 20100206 |
タイトル | 炭疽-英国(13):スコットランドとドイツの菌株が一致、ロンドン |
国名 | 英国   |
感染症名 | 炭疽 |
概要 | 薬物使用による炭疽患者 |
和文 | [1] ドイツの炭疽による死亡患者と、スコットランドの症例の菌株は同じものだった Fatal anthrax case in Germany same strain as Scottish cases 情報源:Health Protection Scotland news release、2010年2月5日。 Http://www.documents.hps.scot.nhs.uk/news/anthrax-press-release-2010-02-05.pdf 2009年12月中旬にドイツで死亡したヘロイン常用者から分離された炭疽菌について行われていた、the Health Protection Agency (HPA) およびドイツのRobert Koch Institute (RKI) ならびにFriedrich-Loeffler Institute (FLI)での検査の結果、これらの菌は、スコットランドの炭疽患者から分離された菌と同一indistinguishable であることが明らかになった。このことから、両国の炭疽菌による汚染は、ヘロインの供給源に由来すると考えられ、同じ感染源を共有していると考えられる。また、スコットランドやドイツでヘロインが出回る前に、ヘロインの炭疽菌による汚染が生じていた可能性があることも意味する。しかし、厳密な証拠はない。スコットランドの患者から分離され、HPが確定診断した18件の炭疽菌のうち、14件の菌は同じ株strainであることが確かめられている。タイピングによって、ドイツの患者からの分離菌も同じであることが確認された。このことから、単一の感染源による炭疽菌汚染を原因とする感染流行との見方ができる... [2] ロンドンの薬物使用者らに対する、炭疽感染への注意喚起 Anthrax alert for heroin users in London 情報源:UK Health Protection Agency (HPA) news release 、2010年2月5日。 Http://www.hpa.org.uk/webw/HPAweb&HPAwebStandard/HPAweb_C/1265296975679?p=1259152466069 The Health Protection Agency (HPA) and NHS (National Health Service) Londonが、注射によるヘロイン使用者1名が、炭疽菌検査で陽性となり、ロンドンの病院で治療中であることを認める模様である。これは、2009年12月にスコットランドで最初の患者が発見されて以来、イングランドEnglandにおいては初めての、薬物注射常用者での炭疽菌感染例となる。スコットランドの患者らと似ていることから、ヘロインもしくはヘロインと混ざったcutting agent(注射器?)の汚染が、感染の原因であると見られている... [3] ロシアにおける、アフガニスタンからのヘロインについて 20100203.0368 投稿者:米・Louisiana State University、Martin Hugh-Jones[Mod.MHJ]、2010年2月5日。 20100203.0368において報告されたように、英国のヘロインは、アフガニスタンから入ったもので、海峡を越えるまでに、バルカン半島で精製と包装が行われている。ドイツのアーヘンAachenの症例が、遺伝学的検査でスコットランドの症例と一致したことで、アントワープAntwerp港を利用した事例であることが示唆される。ロシアの薬物政策は逆効果となっている。薬物中毒のための医療を求める中毒患者はすべて、直ちに"narcological register"のレッテルを貼られてしまう。この情報は警察当局も利用可能で、彼らは逮捕や投獄もできるため、薬物使用をやめて社会復帰を望む人々の障壁となっている。しかし、ロシア国内ではこれまでに、ヘロインとヒトの炭疽感染との報告はない。この点からも、炭疽菌による汚染は、バルカン半島諸国the Balkansで起きたとの仮説を強く示唆する。 |
原文リンク |