感染症速報詳細

記事日付 20100211
タイトル ロタウイルス胃腸炎-メキシコ:チアパスCP
国名 メキシコ    
感染症名 ロタウイルス胃腸炎
概要 ロタウイルス感染流行の発生 注意喚起
Rotavirus outbreak in Chiapas: alert
和文 http://www.eluniversal.com.mx/notas/657172.html
州当局によると、チアパスChiapasの保健当局は、ロタウイルス感染流行の発生を受け注意喚起を発令し、患者発生の確認された地域に学際的チームを派遣した。Sanitary Jurisdiction VII当局の責任者は、2010年の急性下痢性疾患患者が、前年同期比で30%増加していることを明らかにした。 Costa, Sierra, and Frontera Sur地方の16か所の都市から患者が報告されている。特異的な治療法のないロタウイルス感染が原因と見られる、深刻な急性下痢性疾患の流行に直面していると述べたこの当局者によると、検査機関において15例のロタウイルス感染が確定診断されたことを明らかにした。患者の多くは、タパンチュラTapachulaとHuixtlaで発生しているが、死者は発生していない。ロタウイルスによる激しい下痢により、死亡する場合があると説明した...現在ロタウイルスワクチンがあり、1歳未満の小児だけに接種されているが、感染は全ての年齢層に及ぶため、新生児をもつ親に接種を勧めると共に、他の年齢層も十分注意するよう呼びかけた。
[Mod.CP注-Rotaviruses は、70 nm icosahedral(20面体), non-enveloped(エンベロープを持たない), double-stranded(2本鎖) RNA viruses で、 _Reoviridae_(レオウイルス科)に属する。the 11-segment double-stranded RNA genome.を取り囲む、3-layer capsid(an outer and an inner capsid and an internal shellからなる、3層のカプシド)を特徴とする。現在、世界中で最もありふれた幼小児の重症下痢の原因であり、途上国では、温帯では冬期限定された季節性があり、熱帯地方では通年発生の、下痢症による死亡原因となっている。実際、全ての小児は、2才もしくは3才に達するまでに感染する。最も症状が顕著なのは、生後3ヶ月から2才までの間で、7ヶ月から15ヶ月の期間にピークがある。症状としては、水様下痢、嘔気、嘔吐、腹痛、脱水などが見られる。保育施設や病院での、ロタウイルスによる胃腸炎の感染流行は、免疫のない小児の間で急速に感染が拡大し、感染経路として、ヒト-ヒト接触、空気飛沫、あるいは汚染された玩具などが想定されている。低社会経済的背景を持つ小児や低出生体重の乳児らでは、入院のリスクが高くなる。成人においても、特に施設や病院内の高齢者では、ロタウイルス感染が発生する事がある。症状の有無に関わらず、患者は7-10日間に渡りウイルスを便中に排泄するが、この排泄は数週間におよぶこともある。ウイルスは環境中で非常に抵抗性があり、室温では、便中で数ヶ月間生存可能である。現在、3種類の経口ロタウイルスRVワクチンが認可されていて、a human monovalent live attenuated rotavirus(1価弱毒生ワクチン) strain, RotarixTM、 a pentavalent live bovine-human reassortant(5価生ウシヒト再集合) vaccine, RotaTeqTM、および 中国だけで使用されている a lamb-derived monovalent live attenuated strain(ヒツジ由来1価弱毒生ワクチン) LLRである。小児の腸管内常在菌の干渉、混合感染、母体からの高レベルの移行抗体、微量栄養素の不足などの面から、いずれの経口生ワクチンにも、効果に対する疑問(不安)が残されている。ロタウイルスに関するより詳しい情報 the WHO Diarrhea Disease website  http://www.who.int/vaccine_research/diseases/diarrhoeal/en/index5.html ]
地図 Chiapas, the southernmost state of the country http://www.travelchiapas.com/map/map-2.php

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