感染症速報詳細

記事日付 20100216
タイトル ハンタウイルス-チリ 南北アメリカ(07):最新状況2010
国名 チリ南北アメリカ    
感染症名 ハンタウイルス肺症候群
概要 最近のチリ国内のハンタウイルス感染発生状況について
和文 1995年以降、南米の南部地方でハンタウイルスが確認されている。これまでチリ国内で確認されているのは、the Andes virus のみである。Hantaviruses は、 RNA, single stranded with circular 3-[prime] strands で、the Bunyaviridae family(ブンヤウイルス科)に属している。齧歯類の排泄物との接触で感染し、ヒトの感染には2つの病型がある:欧州とアジアに見られる、hemorrhagic fever with renal syndrome (腎症候性出血熱)と、カナダからチリとアルゼンチンまでのアメリカ大陸に見られる、hantavirus cardiopulmonary syndrome [HPS ハンタウイルス肺症候群]である。南北アメリカでは、様々な種類のハンタウイルスが報告されている。チリおよびアルゼンチン南部では、the Andes species の感染循環があり、1995年中期にアルゼンチン南部の the El Bolson border region ではじめて報告されている。主な保有宿主principal reservoir は、齧歯類の_Oligoryzomys longicaudatus_ (most commonly known as the "raton colilargo" [long-tailed pigmy rice rat in English])で、チリ国内では、農村部を中心としたregion III-XIに広く分布する。ヒトでの感染例では、心肺症候群と呼ばれる呼吸器疾患をきたし、国内ではおよそ30%の致死率と見られている。1初めてチリで報告されたのは1995年のことであるが、後ろ向きに見れば、Valdivia (1993) and Puerto Montt (1975)の発生が確認できる。これまでにチリ保健省は、合計628例の患者を報告している。致死率は約35%である。2009年、34例のハンタウイルス心肺症候群の患者がチリ国内で確認され、致死率は26%(死亡9例)に及んでいる: one in the Metropolitan Region (capital city of the country), 3 in Region VI, 5 in Region VII, 10 in Region VIII, 7 in Region IX, one in Region XIV, 4 in Region X and 3 in Region XI。2010年にも、新たに10例の患者がthe Institute of Public Health of Chile (National Reference Laboratory)で確定診断され、報告されている。1月に8例、2月のこれまでに2例の発生があった。このうち、4例が死亡し、致死率は40%となっている。地理的分布は以下の通り: 3 in the Bio Bio Region (VIII), 3 in the Araucania Region (IX), 4 in the Los Lagos Region (X), and one in the Coihaique Region (XI),全て国内最南端地域での発生と言うことが出来る。いずれの感染も、特異的抗ハンタウイルスIgM抗体価による血清学的診断によって確認された。IgG抗体も同時に確認された症例は2例のみであった。チリ保健省は、週報の中で感染が疑われる患者の確認を継続して行っている...
写真 the long-tailed pigmy rice rat (_Oligoryzomys longicaudatus_), the sigmodontine rodent host of Andes hantavirus http://www.bios.niu.edu/frayjorge/rod6.jpg

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