感染症速報詳細

記事日付 20100213
タイトル ザイール・エボラウイルス-ガボン:血清学的蔓延状況
国名 ガボン    
感染症名 ザイール・エボラウイルス
概要 ガボンにおけるザイール・エボラウイルスの血清学的蔓延状況
和文 http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0009126
出典: High prevalence of both humoral and cellular immunity to Zaireebolavirus among rural populations in Gabon. PLoS ONE 5(2): e9126.doi:10.1371/journal.pone.0009126
要約 ヒトの間での、ザイールエボラウイルスZaire ebolavirus circulation andtransmission を理解するため、epidemic とnon epidemic regionsの混在する国であるガボンにおいて、農村部の住民を対象とした大規模な血清学的調査を行った。全国の村の数の10.7%に当たる220の村がランダムに選ばれ、その住民ら4349人に対して、3年間に渡る調査が行われた。sensitive and specific ELISA methodを用いて検査したところ、全体の15.3%がZaire ebolavirus-specific IgG seroprevalence(血清学的陽性)であり、これまでのどの報告よりも高い値を示した。他の環境に比べ著しい高値を示したのはforested areas (19.4 percent) で、他の環境では以下の数字となった; grassland (12.4 percent), savannah (10.5 percent)、lakeland (2.7percent)。これ以外に、血清学的蔓延のリスクファクターは認められなかった。138人について、 Western blot により特異的anti-Zaire ebolavirus IgG が確認され、IgG+の7人からのCD8 T cellsでは、 Zaire ebolavirus stimulationによるIFN-gamma産生が認められた。同時に、これらの所見から、ガボンの森林地帯に住む人々は、高い割合でザイールエボラウイルスに対する液性および細胞性免疫を有していることが示された。リスクファクターが特定されていない中で、多くの"immune" personsがいることは、コウモリの唾液によって汚染されたフルーツなど、共通の感染源(への曝露)の存在が示唆された。得られた結果から、ザイールエボラウイルスの感染循環とヒトの曝露にとって新たな一面が明らかになるとともに、ザイールエボラウイルスのヒトに対する病原性と自然獲得された免疫に関する重要な問題提起がなされた。
[Mod.CP注-報告から一部抜粋...やや長文,原文参照願います]

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