感染症速報詳細

記事日付 20100214
タイトル 髄膜炎、肺炎球菌性-アフリカ:WHO 髄膜炎地域 0100213.0507
国名 アフリカ    
感染症名 髄膜炎
概要 肺炎球菌性髄膜炎の増加、乳幼児以外へのワクチン接種も必要
和文 http://reliefweb.int/rw/rwb.nsf/db900SID/MGAE-82KD9Q?OpenDocument
背景:GAVI [Global Alliance for Vaccines and Immunization]の肺炎球菌結合ワクチン計画実施国において、その対象は乳児のワクチン接種に絞られているが、常にその設定が適切であるとは限らない。われわれは、髄膜炎リスクを総合的にモデル化し、ワクチン計画立案者の助けとなることを目的として、可能な限り全てのアフリカの髄膜炎ベルト地帯の住民らから検体を採取した。
方法:1970年から今日までに掲載された論文のシステマティックレビューで、アフリカ髄膜炎ベルト地帯の4カ国について、1970年から2005年にかけて35年間サーベイランスが続けられた、粗人口ベースの各年齢のわたる_Streptococcus pneumoniae_ (Sp 肺炎球菌) 性髄膜炎のデータを発見した。これらのデータを利用し、髄膜炎の生涯リスクモデルについて検討した....結果、結語(アフリカの髄膜炎ベルト地帯の髄膜炎として、Spには、髄膜炎菌_Neisseria meningitidis_と同程度の重要性が認められた。この地域の人々に対して、serotype 1 containing vaccine の接種が必要であり、乳幼児以外へのワクチンの使用についても検討すべきである。
[Mod.ML注-"Meningitis Belt" と呼ばれている、アフリカのサハラ砂漠以南の地域では、毎年、12月から6月までの乾期の暑い時期に多数の髄膜炎菌性髄膜炎の患者が報告されていて、8-12年ごとに大規模な流行が発生している( http://wwwn.cdc.gov/travel/yellowBookCh4-Menin.aspx )。周期的に起きる感染流行の感染発生率は、人口10万対100-800であるが、集落によっては、1000人にも達することがある。乳幼児の感染率が最も高いものの、流行時には、年長児、10代や成人も感染する。髄膜炎の多くが髄膜炎菌によるものであるが、乾期のサブサハラ地域を中心に、肺炎球菌性髄膜炎の増加が指摘されている[文献紹介]。アフリカの細菌性髄膜炎は、高死亡率と神経精神病学的後遺症のリスクを伴っている。3つの主な細菌性髄膜炎の原因菌(_S. pneumoniae_, _Hemophilus influenzae_, and _N. meningitidis_) に対してはワクチンの使用が可能であり、アフリカの小児への結合ワクチンの定期接種は、小児期の髄膜炎症例が減少することによる、医療経済学的なメリットがある。sub-Saharan Africa の肺炎球菌で最も多く見られるのは、 serotype 1である; この serotype は、the heptavalent pneumococcal conjugate vaccine (PCV 6価肺炎球菌結合ワクチン; serotypes 4, 6B, 9V, 14, 18C, 19F, and 23)には含まれていないが、decavalent PCV (10価;serotypes 1, 4, 5, 6B, 7F, 9V, 14, 18C, 19F, and 23F)に含まれている。
地図 The "Meningitis Belt" extends from Senegal in the west to Ethiopia and Eritrea in the east  http://www.cdc.gov/ncidod/eid/vol9no10/03-0170.htm

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