注意!パキスタンでクリミア・コンゴ出血熱が発生しています。

クリミア・コンゴ出血熱は死亡率30%にのぼる非常に恐しい感染症です。

クリミア・コンゴ出血熱は、ウイルスを持ったダニ(マダニ)に咬まれることで感染します。

ダニに咬まれて2~9日後に、突然、高い発熱、頭痛、寒気、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐などの症状が出ます。重症になると、全身から出血(鼻出血、気道出血、口腔出血、消化管出血、皮下出血など)を生じることがあります。発症すると、人から人へ感染することも知られています。

日本国内にはない感染症で、検査や治療は特定の医療機関に限られます。

パキスタン国内の発生地域 (2010年10月現在)


パンジャブ州 ラーワルピンディ(Rawalpindi, Punjab Province)
イスラマバード首都圏 イスラマバード(Islamabad, Capital Province)
カイバル・パクトゥンクワ州 アボッタバード(Abbotabad, Khyber Pakhtunkhwa Province)
バローチスターン州 クエッタ(Quetta, Baluchistan Province)

この地域へ行く方は十分注意してください。

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ダニに咬まれないよう、注意しましょう


・袖口が狭くて、色の薄い長袖の服を着てください。ダニが付くことや咬まれることを防ぐほか、付いたダニを見つけやすくなります。
・皮膚の露出する部分にはDEET(ディート)などの虫よけ剤を使ってください。ダニの付着しやすい場所は、頭皮、腰部、わきの下、腹部と足指などの部位です。
・さらに、服の上からも虫よけ剤を使うようにしましょう。
・ダニは家畜やペットの体に寄生しています。できるだけ動物との接触を避けてください。
・ダニを見つけても、直接手でダニを取ったりつぶしたりしないでください。ダニの体内の病原体に触れてしまうおそれがあります。
・ダニに咬まれた場合は、無理に取らないでそのまま医療機関を受診してください。無理に取るとダニの頭部が皮内に残ってしまいます。また、傷ついた皮膚からでる液体に病原体がいるおそれもあります。
・発生地域でダニに咬まれたり、野外で活動したりして2~9日後に、突然、高い発熱、頭痛、寒気、筋肉痛、関節痛、腹痛、嘔吐などの症状が出たら、直ちに医療機関を受診してください。現地で医療機関へ行く場合には、できるだけ他の患者や入院病棟、血液の付着の可能性のある物には近づかないでください。帰国時には、検疫所にご連絡ください。
・症状がなくても、発生地域でダニに咬まれたり、野外で活動したりして、感染が疑われる場合には、ただちに医療機関を受診してください。帰国時には、検疫所にご連絡ください。

日本国内で検査、診断できる機関は極めて限られています。

次に該当する方は、検疫所の担当者にご連絡ください。
○ダニに咬まれた
○感染した動物や患者の血液や組織と接触した
○発熱、頭痛、筋肉痛などの症状