エボラウイルス病-コンゴ民主共和国(更新)  2020年1月2日付け

Disease outbreak news:更新

2019年12月19日に発表された最新のdisease outbreak news以来、北キブ州で進行しつづけているエボラウイルス病(EVD)のアウトブレイクでは、12月18日から31日にかけて、29例の新しい確定症例が報告されました。今週確定された症例は、4つの保健区域の8つの保健地域から報告されました。:マバラコ(62%、n=18)、ビュトンボ(14%、n=4)、カルングタ(17%、n=5)、カトワ(7%、n=2)。ビュトンボで過去14日間に報告された4つの症例のうち3例は、マバラコ保健区域のアロヤ保健地域で発生した50人以上の伝播の連鎖に関連しています。1人の方がEVDの再発症例として分類されており、家族内および院内感染を介して他の数人に感染しました(詳細については、2019年12月19日に公開されたdisease outbreak newsをご覧ください)。カルングタ保健区域では、2019年12月24日から28日の間に5例が報告されており、ばく露源は現在、調査中であるものの、この5例は疫学的に明らかに関係のある伝播の連鎖です。

過去21日間(12月11日から12月31日)においては、北キブ州に隣接する5つの感染伝播が活発な保健区域のなかの10の保健地域から40例の確定例が報告されました(図2、表1):マバラコ(68%、n=27)、ビュトンボ(13%、n=5)、カルングタ(13%、n=5)、カトワ(5%、n=2)、ビエナ(3%、n=1)。症例の大部分(75%、n=30)は、既知の伝播の連鎖に関連しています。
12月31日の時点で、合計3,380例のEVD症例が報告され、うち3,262例が確定例であり、118例が高度疑い例であり、全体のうち2,232症例が死亡しました(全体の致死率66%)(表1)。全ての確定例及び高度疑い例のうち、56%(n=1,900)が女性、28%(n=953)が18歳未満の子ども、168人(報告された全症例の5%)が医療関係者でした。

図1:2019年12月31日時点の保健区域別エボラウイルス病の発症週ごとの確定例および高度疑い例のデータ*

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* 2019年12月31日時点で報告された、3,380の確定例および高度疑い症例。発症日が報告されていないn = 173の症例を除きます。 ここ数週間のデータは、ケースの確認と報告、および現在継続中のデータクリーニングの遅延の影響を受けます。 その他の保健区域には、アリムボンゴ(Alimbongo)、アリワラ(Ariwara)、ベニ、ビエナ(Biena)、ゴマ(Goma)、カイナ(Kayna)、コマンダ(Komanda)、キョンド、ロルヴァ(Lolwa)、ルベロ(Lubero)、マンディマ、マンバサ、マングルジパ(Manguredjipa)、マセレカ(Masereka)、ミュジヤンエーヌ(Musienene)、ムトワンガ(Mutwanga)、ムウェンガ(Mwenga)、ニャンクンデ(Nyankunde)、ニーラゴンゴ(Nyiragongo)、オイチャ、パンガ(Pinga)、ルワンパラ(Rwampara)、チョミア(Tchomia)、ヴホヴィ(Vuhovi)が含まれます。

図2:2019年12月31日時点の保健地域別エボラウイルス病の発症週ごとの確定例および高度疑い例*

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表1:2019年12月31日時点のコンゴ民主共和国の北キブ州とイトゥリ州における保健区域別のエボラウイルス病の確定例と高度疑い例、被害を受けた保健地域の数**

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**過去21日間に発生した症例と被災した地域は症例警報の日付に基づいており、確定日及び保健省による毎日の報告とは異なる場合があります。

公衆衛生上の取り組み

保健省、WHO、パートナーによる公衆衛生上の取り組みに関するさらなる情報は、WHOアフリカ地域事務局が発表した最新の状況報告をご参照ください。
エボラ状況報告書:コンゴ民主共和国

WHOによるリスク評価

WHOは、対応支援が変化を続ける状況に適応できているかを確認するべく、疫学的状況の変化とアウトブレイクの状況を継続的に観察しています。直近の評価では国内および地域でのリスクレベルは非常に高いままで、国際的なリスクレベルは低いままであると結論付けられました。

WHOからのアドバイス

WHOは現在入手可能な情報に基づき、コンゴ民主共和国への渡航や貿易に対していかなる制限も行わないよう勧告します。国境を越えた移動や影響を受けた国への/国からの渡航者にビザの発給の制限の基準として、エボラワクチンの接種証明書を要求することは合理的ではありません。WHOは厳重な監視を継続し、必要であれば今回の事象に関連した渡航と貿易の措置を検証します。現在、コンゴ民主共和国との国際交通を著しく妨害するような渡航対策を実施している国はありません。渡航者は渡航前に医師の診察を受けるべきであり、良い衛生習慣を実践すべきです。さらなる情報は、「WHOの推奨するコンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病アウトブレイクに関連した国際交通にについて」で確認可能です。

出典

Ebola virus disease ― Democratic Republic of the Congo
Disease outbreak news: Update   2 January 2020
https://www.who.int/csr/don/02-january-2020-ebola-drc/en/