世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新11)

2013年6月7日 WHO (原文〔英語〕へのリンク

要約

  • 北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は低い水準に低下しました。
  • 熱帯地域でのインフルエンザの活動性は様々です。前週と同様の傾向で、マダガスカルではインフルエンザの活動性が高いと報告されました。
  • 南半球のインフルエンザ活動性は、南米と南アフリカで増加し始めましたが、オセアニアでは依然として低い水準です。
  • 中国のH7N9に関する情報はWHOのウェブサイトを参照して下さい.
    WHOホームページ(英語)
  • 北半球におけるインフルエンザシーズンのインフルエンザ活動性のまとめは5月31日付のWHOの疫学週報(World Epidemiological Report)に掲載されました。
    WHO疫学週報[PDF形式:2142KB]

北半球の温帯地域

北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は低い水準となりました。

カナダでは、インフルエンザB型がインフルエンザシーズンの終盤から伝播したため、シーズンが長引いていましたが、インフルエンザの活動性は低下しました。インフルエンザ様疾患(ILI)の受診は過去8週間以上にわたって変動がなく、予想される範囲を上回っていますが、ライノウイルスの伝播に関連しているようです。

ヨーロッパ、アフリカ北部、北アジア、米国での伝播は、シーズンオフの水準に戻りました。

2012年-2013年の北半球におけるインフルエンザシーズンのまとめは5月31日付のWHO 疫学週報に掲載されました。

WHOホームページ[PDF形式:2142KB]

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域(中米、カリブ海諸国)

中米の活動性は依然として低い水準です。カリブ海諸国、キューバ、ドミニカ共和国のインフルエンザの活動性はインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが優勢と報告されています。コロンビア、エクアドル、ペルーも主にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動性が報告されましたが、数か国ではインフルエンザA(H3N2)が検出されたと報告されました。

中部アフリカ

中部アフリカの熱帯地域の数か国では、過去数週間にわたって、低い水準で伝播が続いており、3種類のウイルス型が様々な割合で伝播していると報告されました。マダガスカルでは、4月上旬からインフルエンザの活動性が高い水準であると報告されており、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播しています。

アジアの熱帯地域

南アジアにおけるインフルエンザの伝播は、前週と同様であり、3種類のウイルス型が混在していました。タイとベトナムにおけるインフルエンザの活動性は、依然として低く、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が伝播しています。ラオスの活動性は、依然として低く、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型が伝播しています。中国南部におけるインフルエンザの活動性は低下し続けており、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢です。

南半球の温帯地域

南半球では、南米と南アフリカでインフルエンザの活動性が高くなりましたが、オセアニアでは、依然として低い水準です。

南米のアルゼンチン、ブラジル、チリ、パラグアイ、ウルグアイにおけるILIと重症急性呼吸器感染症(SARI)は、過去数週間、呼吸器疾患を起こすウイルスの伝播が増加傾向にあることを示しています。アルゼンチン、チリ、パラグアイでは、最近のILIとSARIの活動性の増加は、主にRSウイルスによるものでしたが、少数ながらインフルエンザの陽性検体数が増加しています。アルゼンチン、ブラジル、チリでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が主に検出されており、パラグアイでは、インフルエンザA(H3N2)が主に検出されたと報告されました。

南アフリカでは、インフルエンザの活動性が高くなっており、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢と報告されました。

オーストラリア、ニュージーランドや太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準と報告されました。

出典

Influenza update7 June 2013 –Update number187

http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/index.html