2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新17)

2013年8月30日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は依然としてシーズンオフの水準でした。

アジアの熱帯地域のほとんどでは、インフルエンザの活動性は低下しました。

中米とカリブ海諸国では、インフルエンザとRSウイルスの伝播は低下しました。呼吸器疾患を起こすウイルスとして、主にRSウイルス、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)が報告されました。

南米の熱帯地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でした。ペルーでは、7月中旬にインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動性が著しく増加したことが示され、一方ベネズエラ、エクアドル、ブラジルではインフルエンザの活動性は全体的に低下しました。

南米の温帯地域と南アフリカでは、インフルエンザの伝播は6月下旬にピークへ達しました。今シーズンのこれらの地域では、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が関係した伝播で、シーズン終わりに向かって、インフルエンザA(H3N2)ウイルスの検出が増加していたと示されました。

オーストラリアとニュージーランドではインフルエンザウイルスの検出数とインフルエンザ様疾患(ILI)の割合は例年に比べて低いですが、伝播の増加傾向が示されました。両国とも、インフルエンザA(H1N1)pdm09よりも、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型が多く検出されました。

8月11日時点で、中国でインフルエンザA(H7N9)に感染した患者は135人と報告されました。詳細はWHOのウェブサイトを参照して下さい。
 http://who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/index.html

北半球の温帯地域

北米

 全体として、北米におけるインフルエンザの活動性は、ほとんどの地域で、依然として低い水準でした。カナダと米国のインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。米国では、6月に初めてインフルエンザA(H3N2)vに感染した患者が発生してから、16人報告されました。詳細は米国疾病予防管理センター(CDC)のホームページを参照してください。
 http://www.cdc.gov/flu/swineflu/h3n2v-cases.htm

 メキシコでは、いくつかのインフルエンザの活動性の報告が続いています。8月上旬からの検査データによれば175検体が検査され、そのうち14.3%でインフルエンザが陽性でした。インフルエンザが陽性となった検体の中で、92.0%がインフルエンザAであり、このうち43.5%がインフルエンザA(H1N1)pdm09、58.1%がインフルエンザA(H3N2)、8.0%がインフルエンザB型でした。

ヨーロッパ

 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器疾患(ARI)の受診率は、すべての地域で低い水準でした。定点機関で採取された検体で、インフルエンザが陽性となった検体はありませんでした。

アフリカ北部と西アジア

 アフリカ北部と西アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。

北アジア

 アジアの温帯地域では、ほとんどの地域で、インフルエンザの活動性は5月下旬以降シーズンオフの水準です。

 8月11日現在、インフルエンザA(H7N9)の患者が135人報告されており、そのうち44人が死亡しました。詳細な情報と更新情報は、WHOのウェブサイトを参照して下さい。

 http://who.int/influenza/human_animal_interface/influenza_h7n9/en/index.html

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域(中米、カリブ海諸国)

 カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は減少傾向が続いています。インフルエンザ陽性となった検体の全ては、インフルエンザA型でした。キューバ、コスタリカ、ドミニカ共和国、ニカラグアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)の重複伝播が続いていたのに対して、グァテマラでは主にインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスが検出されたと報告されました。コスタリカにおけるインフルエンザの伝播は依然として高い値で、過去3週間では解析された検体の30%以上でインフルエンザが陽性でした。過去2週間にわたりキューバとグァテマラではRSウイルスが優勢で、ホンジュラスではアデノウイルスが優勢でした。

 南米の熱帯地域では、インフルエンザの伝播は全体的に減少しました。コロンビアにおける、外来受診率、入院率、ARI(急性呼吸器疾患)に関連したICU(集中治療室)への入院割合は、前週から著しい変化はありません。解析された検体の10%がインフルエンザ陽性で主にインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。6月上旬にピークへ達した後のベネズエラにおけるARIと肺炎の水準は例年のこの時期に予測されている活動水準へ戻りました。呼吸器疾患を起こすウイルスが陽性になった検体の割合は、先週0%へ減少しました。エクアドルにおけるSARI(重症急性呼吸器感染症)の入院患者数も減少がみられました。過去2週間に解析されたSARI検体146件のうち、47%がインフルエンザ陽性となり、このうち85%がインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。しかしながらペルーでは、7月中旬にインフルエンザA(H1N1)pdm09の伝播に急激な増加がみられ、伝播水準は高い値が続いています。ボリビアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型の重複伝播が続いていました。SARIの入院患者数が減少したとはいえ、検査された検体のうち、依然サンタ・クルス市(Santa Cruz)で22%、ラ・パス市(La Paz)で31%がインフルエンザ陽性でした。

 ブラジルにおけるILIとSARI症例でのインフルエンザウイルス検出は減少しました。

中部アフリカの熱帯地域

 コートジボワール、ガーナではインフルエンザウイルスが伝播していると報告がありました。コートジボワールでは主にインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型の伝播が報告されたのに対して、ガーナではインフルエンザA(H3N2)がより多く検出されました。カメルーン、ケニアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準と報告されました。5月下旬にピークへ達してからマダガスカルにおけるインフルエンザの活動性は減少を続けていますが、最近ではインフルエンザB型のみ検出されました。

アジアの熱帯地域

 南アジアと東南アジアのほとんどの国で、インフルエンザの伝播は依然として低い水準です。この地域からは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09がともに報告されました。先週から中国南部、香港特別行政区(SAR)では、伝播しているインフルエンザの亜型が前シーズン中優勢だったインフルエンザA (H1N1)pdm09からインフルエンザA(H3N2)へ変化がみられました。さらに香港特別行政区(SAR)では、0から4歳までと65歳以上の高齢者でインフルエンザに関連した入院数のわずかな増加がみられています。

 東南アジアでは、インフルエンザの活動性が減少しており、タイでは主にインフルエンザA(H3N2)ウイルス、カンボジアでは主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の伝播が続いていました。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域

 インフルエンザとRSウイルスの活動性は低下傾向を示し、南米の温帯地域で検出されたウイルスは主にRSウイルスでした。インフルエンザウイルスの伝播は6月にピークに達した後、低下し続けており、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09が関係していましたが、パラグアイではインフルエンザA(H3N2)が優勢でした。

 チリでは、国内のILIの受診率、SARIに関連した入院の割合は低下し続けました。依然として、主にRSウイルスが検出されました。採取された1,418検体のうち、4%だけがインフルエンザウイルスが陽性となりました。陽性となった検体では、インフルエンザA(H1N1)pdm09が大部分を占めました。

 アルゼンチンでは、ILIの患者数、SARI症例数は第26週にピークへ達し、それから減少しました。この減少はまた、インフルエンザウイルスが陽性となる検体にも反映しました。解析された1,405検体のうち、5%だけがインフルエンザ陽性でした。

 パラグアイでは、第27週からインフルエンザの活動性が減少し続けています。陽性になった検体のなかでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型が優勢でした。

 ウルグアイでは、インフルエンザの活動性は低下し続けました。呼吸器疾患を起こすウイルスとしてインフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスが優勢に検出されました。

南アフリカの温帯地域

 南アフリカでは6月にインフルエンザA(H1N1)pdm09によりインフルエンザの活動性がピークへ達してからは、過去数週間はインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の循環によるわずかな増加水準がみられました。このインフルエンザ亜型の変化は、ILI症例数とSARI症例数にみられています。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア

 オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるILIの活動性は、過去数週間にわたり増加の傾向がみられていますが、遅いシーズンの始まりを示しているのかも知れません。

 オーストラリア連邦州地域にわたって、インフルエンザの型と亜型は様々でした。

 ビクトリア州ではインフルエンザB型が優勢に対して、他の州ではインフルエンザA型が優勢だと報告され、ニューサウスウェールズ州では主にインフルエンザA(H1N1)pdm09、西オーストラリア州では主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出されています。インフルエンザ陽性率は、国内定点研究所サーベイランスの11.0%からオーストラリア審査研究ネットワーク(ASPREN)の20.5%まで様々です。インフルエンザに関連した入院患者数は、過去数週間から季節性の増加を続けています。インフルエンザ患者症例の10%前後がICUへ直接入院しています。入院患者の年齢階級のピークは、0から9歳までと60歳以上の年齢層でした。

 ニュージーランドにおけるインフルエンザの活動性は、依然として閾値を下回る水準が続いていますが、増加の傾向がみられます。349検体のうち136検体でインフルエンザが陽性でした。このうち64検体がインフルエンザB型、51検体がインフルエンザA(H3N2)、9検体がインフルエンザA(H1N1)pdm09、12検体がインフルエンザA(亜型不明)でした。

 オークランドとカウンティーズマヌカウ保健地区(Counties Manukau District Health Boards)では、地域サーベイランスでインフルエンザの活動性がわずかに増加しており、病院サーべイランスではわずかに減少しています。

出典

Influenza update  30 August  2013 – Update number 193
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance
/en/index.html