2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新21)

2013年10月24日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

ヨーロッパでは、多くの国でインフルエンザ様疾患(ILI)の活動性が高まり始めましたが、北半球の温帯地域におけるインフルエンザの活動性は依然として低い水準でした。

アジアの熱帯地域におけるインフルエンザの活動性は国によって異なりました。香港ではインフルエンザの検出数は減少しましたが、中国南部ではインフルエンザの検出数が増加しました。東南アジアでは、タイでインフルエンザの検出数は減少しましたが、ベトナムでは増加しました。東南アジアではインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。

中米のカリブ海諸国と南米の熱帯地域では、カリブ海諸国と中米のほとんどの地域で報告されたインフルエンザA型の感染患者の報告は低い水準のままでした。依然としてRSウイルスが優勢でしたが、RSウイルスの活動性は概ね想定される季節性の水準内でした。

南米の温帯地域と南アフリカでは、インフルエンザの活動性は6月下旬にピークに達しました。南米の温帯地域のほとんどで、インフルエンザB型とインフルエンザA(H3N2)がともに伝播したと報告されました。RSウイルスの活動性が優勢でしたが、全体的に減少傾向を示しました。

オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザウイルスの検出数とILIの割合は減少しました。両国とも、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。

季節性のインフルエンザウイルス以外のインフルエンザウイルスに関する詳細な情報は、世界保健機関(WHO)のウェブサイトを参照してください。
   http://who.int/influenza/human_animal_interface/HAI_Risk_Assessment/en/index.html

北半球の温帯地域

北米
 全体として、北米全域におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準でした。カナダと米国におけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。メキシコにおけるインフルエンザの活動性は、2か月間(7月から8月)で高まった後、依然として低い水準でしたが、急性呼吸器感染症(ARI)と肺炎の報告は過去数週間に比べて若干増加しました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は、データを報告した国では、依然として低い水準でした。10月7日から13日までの間に採取された検体のうち、インフルエンザが陽性となった検体は0.5%(3,931検体中19検体)のみでした。しかし、多くの国では、ILIとARIの受診率が増加したと報告され始めました。

アフリカ北部と西アジア
 アフリカ北部、西アジアと中央アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。カタールのみがインフルエンザの活動性を報告し、8月末以降、主にインフルエンザA型ウイルス(亜型は不明)が報告されました。バーレーンとグルジアでは、9月初旬以降、ILIの活動性が増加しましたが、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

北アジア
 アジアの温帯地域におけるインフルエンザの活動性は、5月下旬以降、依然としてシーズンオフの水準でした。モンゴルでは、8月中旬以降、臨床的な呼吸器疾患の活動性は増加し始めましたが、この期間にインフルエンザウイルスは検出されませんでした。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域
 全体として、カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、全域で低い水準でした。インフルエンザA型ウイルスの検出数は減少し、過去数週間でインフルエンザの伝播はほぼ終息しました。しかし、ホンジュラスではILIと重症急性呼吸器感染症(SARI)の指標が過去5週間で増加し、インフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの検出が関係していました。その他の国では、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告され、コスタリカ、キューバ、エルサルバドル、グアテマラ、パナマでは、呼吸器疾患を起こすウイルスとしてRSウイルスが優勢でした。

 南米の熱帯地域では、7月から8月にかけて、インフルエンザの活動性が高まった後、呼吸器疾患を起こすウイルスの活動性は低下し続けました。コロンビアでは、外来受診率、入院率、集中治療室(ICU)への入院割合は、例年の同時期と同様でした。ベネズエラにおけるARIと肺炎の水準は、この時期に想定される水準内と報告されました。エクアドルでは、8月にインフルエンザのピークに達した後、インフルエンザが陽性であった検体数は着実に減少し、陽性となった検体ではインフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でした。ペルーでは、5歳未満の小児におけるARIは減少傾向を示したと報告されました。ボリビアでは、SARIに関連した入院率は、昨年の同時期のデータに比べ、増加したと報告されました。特に、東部のサンタ・クルス(Santa Cruz)で増加しており、7月末以降、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が高い水準で続いています。ブラジルでは、7月以降、インフルエンザの陽性検体数が減少し続けており、最近のインフルエンザ陽性検体では、亜型が不明のインフルエンザA型ウイルスとインフルエンザB型ウイルスが検出されました。

中部アフリカの熱帯地域
 コートジボワール、ガーナ、ケニアでは、インフルエンザウイルスが検出されたと報告されました。コートジボワールではインフルエンザB型が優勢でしたが、ガーナではインフルエンザA(H3N2)のみが検出されたと報告されました。ケニアでは、インフルエンザの活動性は低く、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告されました。

アジアの熱帯地域
 南アジアのほとんどの国で、インフルエンザの伝播は低い水準でした。この地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスがともに報告されました。香港では、10月初旬以降、インフルエンザに関連した入院率やILIの受診率の減少がみられました。香港におけるインフルエンザの伝播はインフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢でした。中国南部では、9月初旬以降、インフルエンザの活動性は若干増加しました。主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出されたと報告されましたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザB型ウイルスも検出されました。

 東南アジアにおけるインフルエンザの伝播は依然として全体的に低い水準でした。タイでは、9月初旬以降、インフルエンザの伝播とILIの活動性は減少しました。ベトナムでは、9月中旬以降、主にインフルエンザB型とインフルエンザA(H3N2)ウイルスの伝播の増加によって、インフルエンザが陽性となったILI患者の検体数が増加しました。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域
 南米の温帯地域におけるARIの活動性は、この時期に想定される水準であったと報告されました。しかし、パラグアイは例外で、ILIの活動性が高い水準でした。アルゼンチンとチリでは、呼吸器疾患を起こすウイルスは依然としてRSウイルスが最も多く検出されましたが、減少し続けました。アルゼンチンにおけるILIの活動性は、今年6月と7月にピークに達した後、低下し続けました。チリでは、SARIに関連した入院率は減少し続け、ILIの活動性は依然として低い水準でした。パラグアイでは、ILIの受診率はこの時期に想定される水準よりも高い水準でしたが、インフルエンザウイルスの検出数は減少しました。ウルグアイでは、SARIに関連した入院率は過去2週間で減少しました。

南アフリカの温帯地域
 南アフリカでは、6月にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動性がピークに達した後、過去数週間でインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の伝播が増加したことによる小さな2番目のピークがみられました。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 全体的に、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性は減少しました。

 オーストラリアでは、9月14日から27日までの期間におけるインフルエンザの型と亜型の構成割合は地域によって異なりました。西オーストラリア州では、依然としてインフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09の割合が増加しました。全国的にはインフルエンザB型ウイルスの割合は相対的に変わりませんでしたが、ニュー・サウス・ウエールズ州、南オーストラリア州、クイーンズランド州では増加し、ビクトリア州では減少しました。インフルエンザの陽性率は、国内定点研究所サーベイランスの16%(2,032検体中330検体)からオーストラリア定点実地研究ネットワーク(ASPREN)の29.5%(210検体中62検体)まで幅がありました。インフルエンザの合併症を警戒するネットワーク(FluCAN)の定点病院サーベイランスシステムでは、インフルエンザに関連した入院率は、9月中旬以降、減少し始めたと報告されました。シーズン中にインフルエンザに関連した入院患者の約12%がICUに直接入院しました。入院患者の年齢分布は、0歳から9歳までと60歳以上の年齢層にピークがみられました。

 ニュージーランドでは、ILIの活動性は9月初旬にほぼ閾値に達し、その後、減少しました。先週受け取られた291検体のうち112検体(39%)でインフルエンザが陽性でした。このうち48検体がインフルエンザB型、21検体がインフルエンザA(H3N2)、12検体がインフルエンザA(H1N1)pdm09、31検体がインフルエンザA(亜型不明)でした。オークランドとカウンティーズマヌカウ地区保健局(Counties Manukau District Health Boards)管内では、地域サーベイランスと病院サーベイランスで、インフルエンザの活動性が低下したと報告されました。

出典

Influenza update  24 October 2013- Update number 197 http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP
_surveillance/en/index.html