2013年のニュース

世界におけるインフルエンザ流行状況 (更新22)

2013年11月11日 WHO ( 原文〔英語〕へのリンク )

要約

ヨーロッパでは、多くの国でインフルエンザ様疾患(ILI)の活動性が高まり始めましたが、北半球の温帯地域におけるインフルエンザの検出数は依然として低い水準でした。

南アジアにおけるインフルエンザの伝播は低い水準でした。香港と中国南部では、インフルエンザの検出数は減少しました。東南アジアでは、タイとベトナムでインフルエンザの活動性は低下しましたが、カンボジアとラオスでは増加しました。東南アジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。

中米のカリブ海諸国と南米の熱帯地域では、カリブ海諸国と中米のほとんどの地域で報告されたインフルエンザA型の感染患者数の報告は依然として低い水準でした。また、数か国でインフルエンザB型の報告が増加しました。数か国では、依然としてRSウイルスが優勢でしたが、RSウイルスの活動性は概ね想定される季節性の水準内でした。

南米の温帯地域と南アフリカでは、インフルエンザの活動性は6月下旬にピークに達しました。南米の温帯地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型が報告され、急性呼吸器疾患の活動性は依然として低い水準でした。

オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザウイルスの検出数とILIの割合は減少しました。両国とも、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型がともに伝播したと報告されました。

季節性のインフルエンザウイルス以外のインフルエンザウイルスに関する詳細な情報は、世界保健機関(WHO)のウェブサイトを参照してください。
http://who.int/influenza/human_animal_interface/HAI_Risk_Assessment/en/index.html

北半球の温帯地域

北米
 全体として、北米全域におけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準でした。カナダと米国におけるインフルエンザの活動性は、依然としてシーズンオフの水準でした。メキシコにおけるインフルエンザの活動性は、2か月間(7月から8月)で高まった後、依然として低い水準でした。急性呼吸器感染症(ARI)の報告は過去数週間に比べて若干減少しましたが、肺炎の報告は過去数週間と同様の水準でした。

ヨーロッパ
 ヨーロッパにおけるインフルエンザの活動性は、依然として低い水準でした。定点や定点以外の機関で採取された検体でインフルエンザが散発的に検出されたと報告したのは数か国のみでした。重症急性呼吸器感染症(SARI)による入院者数は、依然としてシーズンオフの水準でした。これまでに、SARI の患者でインフルエンザウイルスが陽性となった患者は発生していません。

アフリカ北部、西アジア、中央アジア
 アフリカ北部、西アジア、中央アジアにおけるインフルエンザの活動性は低い水準でした。アゼルバイジャンとグルジアでは、9月初旬以降、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動性が高まりました。アゼルバイジャン、イスラエル、パキスタンでは、インフルエンザは散発的に検出されたと報告されました。

北アジア
 アジアの温帯地域におけるインフルエンザの活動性は、5月下旬以降、依然としてシーズンオフの水準でした。モンゴルでは、8月中旬以降、臨床的な呼吸器疾患の活動性は増加し始めましたが、この期間にインフルエンザウイルスは検出されませんでした。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域
 全体として、カリブ海諸国と中米におけるインフルエンザの活動性は、全域で低い水準でした。しかし、数か国でインフルエンザB型の活動性が高まりました。インフルエンザA型ウイルスの検出数は減少し、インフルエンザの伝播は、過去数週間で概ね終息に向かいました。キューバでは、SARIに関連した入院患者数とインフルエンザB型ウイルスの検出が増加しました。また、ドミニカ共和国でもインフルエンザB型ウイルスの増加が報告されました。その他の国では、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告され、コスタリカ、エルサルバドルでは、呼吸器疾患を起こすウイルスとしてRSウイルスが優勢でしたが、全体的には低い水準と報告されました。

 南米の熱帯地域では、7月から8月にかけて、インフルエンザの活動性が高まった後、急性呼吸器疾患を起こすウイルスの活動性は低下し続けました。コロンビアでは、外来受診率、入院率、集中治療室(ICU)への入院割合は減少傾向を示しました。ベネズエラにおけるARIと肺炎の水準は、この時期に想定される水準内と報告されました。エクアドルでは、8月にインフルエンザのピークに達した後、インフルエンザが陽性であった検体数は着実に減少し、SARIの活動性も低下傾向が続いています。ボリビアでは、SARIに関連した入院率は、昨年の同時期のデータに比べ、特に、東部のサンタ・クルス(Santa Cruz)で増加したと報告されました。ブラジルでは、7月以降、インフルエンザの陽性検体数が減少し続けました。

中部アフリカの熱帯地域
 コートジボワール、ガーナ、ケニアで、インフルエンザウイルスが検出されたと報告されました。コートジボワールでは、インフルエンザB型とインフルエンザA(H3N2)が優勢でしたが、全体的なインフルエンザの活動性は低下しました。ガーナでは、主にインフルエンザA(H3N2)が検出されました。インフルエンザB型も報告されましたが、活動性には明らかなピークはみられていないようです。ケニアでは、インフルエンザの活動性は低く、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告されました。

アジアの熱帯地域
 南アジアにおけるインフルエンザの伝播は低い水準でした。この地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスがともに報告されました。香港では、10月初旬以降、インフルエンザの伝播、インフルエンザに関連した入院率、ILIの受診率の減少がみられました。中国南部では、10月初旬以降、インフルエンザの活動性は低下しました。主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが検出されたと報告されましたが、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザB型ウイルスも検出されました。

 東南アジアにおけるインフルエンザの伝播は依然として全体的に低い水準でした。ラオスでは、9月初旬以降、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)の伝播が増加したことによって、インフルエンザの活動性が高まりました。タイでは、9月初旬以降、ILIの活動性は減少しましたが、インフルエンザの検出数は依然として若干増加した水準でした。ベトナムでは、10月初旬以降、インフルエンザが陽性となったILI患者の検体数とインフルエンザの陽性検体数は減少しました。カンボジアでは、9月中旬以降、主にインフルエンザB型の伝播が増加したことによって、インフルエンザの活動性が高まりました。

南半球の温帯地域

南米の温帯地域
 南米の温帯地域におけるARIの活動性は、この時期に想定される水準であったと報告されました。しかし、パラグアイは例外で、ILIの活動性が高い水準でした。ほとんどの国では、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型ウイルスがともに伝播したと報告されました。チリでは、呼吸器疾患を起こすウイルスは依然としてRSウイルスとパラインフルエンザウイルスが最も多く検出されましたが、活動性は低下傾向が続きました。パラグアイでは、ILIの受診率はこの時期に想定される水準よりも高い水準でしたが、過去数週間で減少しました。ウルグアイでは、SARIに関連した入院率は、依然として低い水準でした。

南アフリカの温帯地域
 南アフリカでは、6月にインフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動性がピークに達した後、過去数週間でインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザB型の伝播が増加したことによる小さな2番目のピークがみられました。主にインフルエンザB型が報告されましたが、南アフリカのインフルエンザシーズンは終わったようです。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 全体的に、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島におけるインフルエンザの活動性は減少しました。オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの全指標が低下傾向を示し、シーズンの終わりが近いことを示しています。

出典

Influenza update  11 November 2013 - Update number 198 http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP
_surveillance/en/index.html