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世界におけるインフルエンザの流行状況について (更新24)

2014年12月15日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体でみると、北半球におけるインフルエンザの活動が活発となり、いくつかの国で流行期の閾値を超え始めています。これまでのところ、ほとんどはインフルエンザA(H3N2)ウイルスです。

北米では、インフルエンザの活動レベルは、流行期の閾値を超えています。ほとんどがA型(H3N2)の流行です。
ヨーロッパ全体では、インフルエンザの流行が始まりの徴候は示されていませんが、活動は増加してきています。
アジアでは、インフルエンザの活動が高まっています。ほとんどがインフルエンザA(H3N2)です。
北部及び西部アフリカでは、インフルエンザBによる活動が高まっています。
アメリカ熱帯地域では、カリブ海のいくつかの国で活動が高まり、中央アメリカでは減少傾向、南アメリカの熱帯地域の国では低くなっています。
アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動は低くなりました。
南半球では、インフルエンザの活動は低い状態ですが、いくつかの太平洋の島々ではインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高いままです。
47週から48週(2014年11月16日から2014年11月29日)のFluNetの報告(協定世界時間2014年12月11日 14:25)によりますと、49の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs) とその他の国立インフルエンザ研究施設から、データが報告されています。WHO世界インフルエンザサーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、59,940本を越える検体を検査しました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となったのは7,227検体で、このうち6,603検体(91.4%)がインフルエンザA型、624検体(8.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、84検体(2.4%)がインフルエンザA(H1N1) pdm09、3,472検体(97.6%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、140検体(97.2%)がB-山形系統で、4検体(2.8%)がB-ビクトリア系統でした。
データ収集の環境の変更により、WHO欧州地域事務局のデータが世界中で一時的に利用できなくなっています。これらのデータは可及的速やかにFluNetとFluIDに報告されています。ヨーロッパのインフルエンザの活動状況に関する情報は http://www.flunewseurope.org/ でみることができます。

北半球の温帯地域

北米
 北米の各国では、インフルエンザA(H3N2)による流行が始まりました。

 カナダでは、インフルエンザ検出の割合が15.2%に増えました(先週の陽性検出率は4.6%)。インフルエンザ・ウイルス検出で確認された検査結果のうち、インフルエンザAが34%、そのうち99%がインフルエンザA(H3N2)でした。また、報告された患者の61%は65歳以上でした。インフルエンザによる入院が増え、再びインフルエンザA(H3N2)が原因です。インフルエンザ様疾患(ILI)は過去13週連続して平均を上回り、1,000人あたり29.1となっています。主に20歳以下の年齢層での報告です。RSウイルスとアデノウイルスの検出も平年の流行パターンどおりに増加が続いています。一方、パラインフルエンザとライノウイルスの検出は減り続けています

 アメリカ合衆国では、インフルエンザの検出率が増加してきました(陽性率17%)。インフルエンザ様疾患(ILI)は2.6%となり、国のベースラインである2.0%を上回っています。最も活動が高いのは合衆国南部のいくつかの州でした。122の都市報告体制からの肺炎およびインフルエンザによる死亡率は5.4%で、疫学的な閾値である6.5%を下回っています。インフルエンザ陽性2,274検体のうち、93.6%はインフルエンザA、6.4%がインフルエンザBでした。インフルエンザA型ウイルスの亜型では、99%がインフルエンザA(H3N2)でした。インフルエンザ・ウイルスの特性情報では、10月1日から11月22日までに米国内で集められ、分析されたインフルエンザA(H3N2)の48%が2014-2015年のインフルエンザA(H3N2)ワクチン成分に類似の抗原性をもつことが示されましたが、52%はA(H3N2)ワクチンのウイルスとは異なる(ドリフトタイプの)抗原性を示していました。 RSウイルスの検出率も増加していました。

 メキシコでは、例年の予測範囲内ですが、急性呼吸器感染症(ARI)が少しずつ増えてきています。一方で、インフルエンザの活動は低い状態のままでした。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は低い状態で、インフルエンザ・シーズンの始まりを示す兆候はみられません。欧州地域の35か国から収集された調査検体848件のうち、14の国からの34検体(4%)%がインフルエンザ陽性となりました、主なインフルエンザ流行の亜型はA(H3N2)型でした。合衆国の知見と同様に、ヨーロッパでのウイルスの特性情報でもH3N2型の一定の割合がワクチンのH3N2型とは異なっていました。

北アフリカ
 北アフリカでは、インフルエンザの検出がアルジェリア、モロッコ、チュニジアで増えていました。主なウイルスはインフルエンザBでした。

西アジアおよび中央アジア地域
 西アジアおよび中央アジア地域では、インフルエンザの検出は低い状態にとどまっていますが、カタールでは活動が高まってきており、そのほとんどはインフルエンザA(H3N2)でした。

東アジア
 東アジア地域では、インフルエンザの活動が高まってきました。

 中国北部では、インフルエンザの活動が増加しつづけています。ほとんどはインフルエンザA(H3N2)でした。インフルエンザ様疾患(ILI)が3.1%に増加しており、季節の傾向を追っています。2011-2013年の同じ週(2.8%-3.0%)に似ていますが、(その発生率を)僅かに上回っていました。日本ではインフルエンザの活動が増加してきました。ほとんどはインフルエンザA(H3N2)でした。モンゴルではインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まってきました。インフルエンザ検査で確認される検出数が増える兆候は現れていません。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ海のいくつかの国でインフルエンザの活動が高まり、中央アメリカでは減少し、南米の熱帯諸国では低くなっています。

 キューバではインフルエンザA(H3N2)の検出がかなり増えています。中央アメリカでは、コスタリカで重症呼吸器感染(SARI)の活動が高まっており、ニカラグアではこのところの数週にわたり主にRSウイルスとインフルエンザA(H3N2)に関係する肺炎がみられました。インフルエンザA(H3N2)の流行はホンジュラスとパナマからも報告されました。

 南米の熱帯諸国では、インフルエンザ様疾患(ILI)、SARI、検査で確認されたインフルエンザの活動ともに低いことが報告されています。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、いくつかの国でインフルエンザの検出が報告されたのみです。コートジボアールでは主にインフルエンザBの検出が報告されましたが、タンザニア共和国では主にインフルエンザA(H3N2)の検出が報告されました。マダガスカルとザンビアでは、インフルエンザAと同B両方の活動がありました。

アジア熱帯地域
 南アジアと東南アジアのほとんどの国では、インフルエンザの活動は低下しているか、低いレベルにとどまりました。 

南半球の温帯地域諸国

南米の温帯地域
 南米の温帯地域では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの水準にとどまっています。

南アフリカ
 南アフリカでは、インフルエンザ様疾患(ILI)および重症呼吸器感染(SARI)の活動はオフ・シーズンのレベルのままです。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動は低い状態です。

 太平洋諸島では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動はさまざまです。活動の増加がアメリカ領サモア、ミクロネシア連邦、フランス領ポリネシア、グアム、マーシャル諸島、北部マリアナ諸島、パラオ、ソロモン諸島およびバヌアツから報告されています。

出典

WHO Influenza update, 15 December 2014 - Update number 226,
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/latest_update_GIP_surveillance/en/
(註:このアドレスは最新のサイトにリンクされます)