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世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新6)

2015年4月7日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体でみると、北半球でのインフルエンザの活動はシーズンの警戒レベルより高い状態にはありますが、かなり弱まってきています。今シーズンの流行はインフルエンザA(H3N2)でしたが、この数週間はインフルエンザBとインフルエンザA(H1N1)pdm09の検出が増えてきました。

北米では、インフルエンザの活動は弱まってきています。しかし、まだ警戒レベルを上回った状態です。一方、インフルエンザBの検出割合が増えてきました。
ヨーロッパでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動が弱まってきています。今シーズンはインフルエンザA(H3N2)が流行した状態が続いていますが、多くの国でインフルエンザBの検出割合が増えています。
北部アフリカと中東では、インフルエンザの活動はほとんどの地域で弱まりました。この地域での流行はインフルエンザA(H1N1)pdm09です。
西アジアでは、インフルエンザの活動はこの地域のほとんどの国で弱まりました。しかし、トルコでは、インフルエンザBとインフルエンザA(H1N1)pdm09に伴う検出数の増加がみられます。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動はこの地域のほとんどで弱まってきています。しかし、韓国では活動が増加しています。中国北部では、インフルエンザの活動は今年の始めがピークでしたが、現在インフルエンザBの活動が高まっています。
アメリカ熱帯地域では、ほとんどの国で少しずつインフルエンザの活動の増加が報告されています。コロンビア、エクアドル、ジャマイカおよびプエルトリコではRSウイルスやインフルエンザ・ウイルスによるインフルエンザ様疾患(ILI)の増加が報告されています。
アジア熱帯地域では、インドとブータンでインフルエンザの活動が高い状態です。インフルエンザA(H1N1)pdm09が主体です。中国南部と香港では、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBによるインフルエンザの活動が弱まってきています。
南半球では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの状態にあります。
2015年3月8日から3月21日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年4月2日14:15)に基づき、88の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、87,715本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は17,828で、このうち9,119検体(51.1%)がインフルエンザA型、8,707検体(48.9%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、2,558検体(49.8%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、2,579検体(50.2%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、427検体(97.7%)がB-山形系統で、10検体(2.3%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、インフルエンザの活動は弱まってきていますが、まだ警戒レベルを上回る状態です。今シーズンはインフルエンザA(H3N2)が流行していましたが、この数週間はインフルエンザBが増えて、主体となっています。

 カナダでは、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が弱まり、例年のレベルを下回っています。インフルエンザAの検出が減り続ける一方、インフルエンザBが増え続けています。主にインフルエンザの活動は中央部と大西洋の州で高まり、高齢者の間で流行しています。

 アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動自体は弱まってきていますが、インフルエンザBが増加してきており、警戒レベルを上回る状態です。インフルエンザの検出率は前週の11.4%から10.6%に低下しました。122都市からの死亡報告体制に基づく肺炎およびインフルエンザによる死亡率は7.4%でした。これは週別死亡率の疫学警戒レベル7.2%を僅かに上回っています。外来患者におけるインフルエンザ様疾患(ILI)の割合(2.2%)も同様に減ってきています。しかし、国の警戒レベル2.0%を上回る状態です。

 メキシコでは、2014年末には約50%もあったインフルエンザ陽性の検出率が24.3%に減りました。急性呼吸器感染症(ARI)の活動は1月末で人口10万人あたり700人だったものが、人口10万人あたり509人まで減ってきています。肺炎の活動も例年のレベルを上回っていますが、減ってきています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、インフルエンザの活動はほとんどの国で弱まってきています。しかし、報告した国における検体での陽性割合は41%と高い状態です。入院したインフルエンザ患者は主に65歳以上の高齢者(53%)から報告されています。インフルエンザA(H3N2)が流行する状態が続いています。しかし、この地域では、インフルエンザA(H1N1)pdm09も、A(H3N2)もB型ウイルスも流行しています。公衆衛生活動の一環であるヨーロッパ超過死亡・モニタリングプロジェクト(EUROMOMO)によれば、65歳以上の高齢者での全ての死因による死亡率の超過が、ベルギー、イングランド、フランス、ハンガリー、アイルランド、オランダ、北アイルランド、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス及びウェールズでみられました。死亡率の超過はインフルエンザA(H3N2)ウイルスと寒波が重なって起きたものです。

 東ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は全体的に低い状態です。ロシアとギリシアからの報告では、インフルエンザBの流行が続いています。

北アフリカ及び中東
 北アフリカと中東では、インフルエンザの活動はほとんどの地域で弱まりました。

西アジア
 西アジアでは、この地域のほとんどの国でインフルエンザの活動は弱まりました。しかし、トルコでは、インフルエンザBとインフルエンザA(H1N1)pdm09に伴う検出数の増加がみられます。

中央アジア
 中央アジアでは、インフルエンザの活動は大半で低い状態です。主にインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBが検出されます。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザの活動はほとんどの地域で弱まってきています。中国北部と韓国では、インフルエンザA(H3N2)の検出数は減少する一方、両国ともインフルエンザBが増加しています。中国北部では、今シーズンのピーク時には4%に上ったインフルエンザ様疾患(ILI)の割合が2.7%になりました。韓国では、前回の更新時に45.5%であった外来患者におけるインフルエンザ様疾患(ILI)の割合が35.6%に減少しました。まだ、基準ラインである12.2%を上回る状態です。モンゴルでは、インフルエンザとインフルエンザ様疾患(ILI)の活動が弱まりました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、インフルエンザの活動はカリブ地域、中央アメリカ、南米熱帯地域で低い状態です。コロンビアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)の流行が重なり、外来患者および入院患者における急性呼吸器感染症(ARI)の活動の高まりが報告されています。エクアドルでは、RSウイルスの検出率の上昇に伴う重症急性呼吸器感染(SARI)の増加が報告されています。しかし、インフルエンザの検出数は低い状態です。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、いくつかのインフルエンザの活動が報告されています。西アフリカと東アフリカでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09、インフルエンザA(H3N2)、インフルエンザBが重なり合って流行しています。

アジア熱帯地域
 アジア熱帯地域では、インドとイランでインフルエンザの活動が弱まってきたようですが、まだ高い状態です。ブータンでは、この数週間、インフルエンザの活動が高いままです。インフルエンザA(H1N1)pdm09が流行しています。主に15-29歳でインフルエンザ様疾患(ILI)が、0-1歳児で重症急性呼吸器感染(SARI)が観察されています。中国南部と香港では、インフルエンザの活動が弱まってきました。しかし、香港では警戒ラインを上回る状態で、中国南部でもインフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBの同時流行の報告が続いています。ベトナムでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09を主体とする活動の増加が報告されています。イランでは、活動の高い状態は続いています。しかし、主体であるインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動は弱まってきました。

 インドでは、活動が高い状態が続いています。しかし、インフルエンザA(H1N1)pdm09による活動は弱まってきました。

南半球の温帯地域諸国

 南半球では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンのレベルにあります。

出典

WHO. Influenza Update number 234. 07 April 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_04_07_surveillance_update_234.pdf?ua=1