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世界におけるインフルエンザの流行状況 (更新11)

2015年6月15日 WHO (原文[英語]へのリンク

要約

 地球全体で見ると、北半球ではインフルエンザの活動が2015年初めのピークから低い水準へと下がってきました。

北米では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンのレベルになりました。この数週間はインフルエンザBが優勢ですが、低水準です。
ヨーロッパでは、この数週間、インフルエンザBの優勢が続いていますが、各国はインフルエンザの活動が低水準にあることを報告しています。
北部アフリカと西アジアでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動は低水準にとどまっています。その中では、インフルエンザAの活動が優勢です。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動は、ほとんどの国で低水準にとどまるか、もしくは低水準になりつつあります。
アメリカ大陸とアジア熱帯地域では、インフルエンザの活動が下がり続けており、ほとんどの国で低水準にとどまっています。中国、香港、シンガポールでは、インフルエンザの活動の増加は僅かでした。一方、スリランカとベトナムでは、この数週間で活動がかなり高まったことが報告されました。
南半球では、インフルエンザの活動が低水準にとどまっていますが、ほとんどの国で高まりつつあります。南アフリカでは、この数週間でインフルエンザの活動が大きく増加したことが報告されました。インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)ウイルスが同時に流行しています。
2015年5月17日から5月30日に対するデータが、FluNet(協定世界時間2015年6月11日13:25)に基づき75の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から、集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、42,971本を越える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,426本で、このうち1,174検体(48.4%)がインフルエンザA型、1,252検体(51.6%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、212検体(22.9%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、712検体(77.1%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、263検体(93.3%)がB-山形系統で、19検体(6.7%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、インフルエンザの活動は全ての国で低水準またはオフ・シーズンの水準にあると報告されています。その中では、少数のインフルエンザBウイルスが検出されています。カナダでは、全体としてはインフルエンザの活動は弱まってきています。しかし、まだインフルエンザBは例年よりもやや優勢な状態が続いています。アメリカ合衆国では、この報告までにインフルエンザBが散発的に検出されたものの、インフルエンザの活動はさらに低下してきています。メキシコでは、インフルエンザAとインフルエンザBともに検出率が低水準まで下がってきました。その中では、今シーズンは優勢であったインフルエンザA(H3N2)が検出されています。急性呼吸器感染症(ARI)の活動は低い水準にとどまっています。しかし、肺炎の活動は高い状態で、例年の基準を上回っています。

ヨーロッパ
 ヨーロッパの全ての地域では、インフルエンザの活動は低水準です。その中では、最近数週間は主にインフルエンザBが検出されています。ほとんどの国でインフルエンザの流行シーズンが終わったことを示しています。

北アフリカ及び中東
 北アフリカと中東では、インフルエンザの活動はほとんどの国と地域で低水準まで下がりました。このシーズンを通じて、ほとんどの国でインフルエンザAの活動が優勢でした。

西アジア
 西アジアでは、ほとんどの国でインフルエンザの活動が弱まり続けています。その中では、インフルエンザA(H3N2)やインフルエンザBの流行と比べると、この地域ではインフルエンザA(H1N1)pdm09の活動が優勢でした。

中央アジア
 中央アジアでは、大半の国で低水準のインフルエンザの活動が報告されています。その中では、この数週間はインフルエンザBが優勢です。

東アジア
 東アジアでは、インフルエンザ活動は地域全体で散発的です。ほとんどの国では、流行シーズンが終わる前にインフルエンザBの活動が僅かに増加していました。中国北部からの報告では、陽性として検出された検体はわずかに9件で、全てインフルエンザBウイルスでした。日本、モンゴル、韓国では活動が全く見られないか、ほとんど見られなくなっています。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 全体として、カリブ地域、中央アメリカ、南米熱帯地域では、インフルエンザとRSウイルスの活動が全くないか、ほとんどない状態が続いています。しかし、アンデス地域ではRSウイルスの活動が高まってきています。グアテマラでは、この数週間、インフルエンザA(H3N2)の検出が増えていました。しかし、活動自体は低調です。

中央アフリカ熱帯地域
 アフリカでは、西アフリカを除いてインフルエンザの活動は低レベルであることが報告されました。コートジボワールでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)ウイルスの同時流行が続いたことが報告された前回と比べて、インフルエンザの活動は高まってきました。ガーナでは、同時に流行していたA(H3N2)とA(H1N1)pdm09ウイルスさらにインフルエンザBウイルスの検出が低下してきたことが報告されました。

アジア熱帯地域
 アジア熱帯地域では、インフルエンザの活動は低水準まで下がりました。スリランカでは、インフルエンザAウイルスが優勢なインフルエンザの活動が増加しています。中国、香港では、前数週と比べて、インフルエンザの活動レベルが高まったことが報告されています。しかし、活動全体は低調です。中国南部では、インフルエンザの活動の低下が続いています。その中では、過去数週間はインフルエンザBウイルスが優勢でした。ベトナムでは、インフルエンザBウイルスは活動レベルが低いものの、同時に流行していたA(H1N1)pdm09とA(H3N2)が優勢となりインフルエンザの活動が高まってきています。シンガポールでは、この数週間、インフルエンザAとBの同時流行によるインフルエンザの活動の僅かな増加が報告されています。

南半球の温帯地域諸国

 南半球では、報告のあるほとんどの国でインフルエンザの活動がオフ・シーズンのレベルにとどまっています。しかし、ほとんどの国で増加の傾向が報告されています。

 南アフリカでは、インフルエンザの検出率が28.7%から66.7%に増加しました。流行するウイルスでは、A(H1N1)pdm09とA(H3N2)ウイルスが優勢で、インフルエンザBの活動は低調です。

 オーストラリアでは、インフルエンザの活動が高まり、流行シーズンの基準レベルを上回りました。インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)およびB型ウイルスが同時に流行していることが報告されています。

 アフリカ南部温帯地域では、インフルエンザの活動が高まっています。しかし、これまでのところ、この時期の水準の範囲内です。RSウイルスの活動が増加しており、この地域で検出される呼吸器系ウイルスにおいて優勢となっています。

 太平洋諸国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が、いくつかの国で低下する傾向が見られたことから変動しています。

出典

WHO. Influenza Update number 239. 15 June 2015
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2015_06_15_surveillance_update_239.pdf?ua=1