2016年のニュース

世界のインフルエンザ流行について (更新17)

2016年9月5日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2016年8月21日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。そのため、ここではアジア熱帯地域の詳細情報のみを追記し、これらを除く地域については要約のみを記載しています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

 南半球温帯地域の国々では、インフルエンザの活動にバラツキがみられましたが、南アフリカとオセアニアでは、この数週間で着実にインフルエンザの活動が高まってきました。北半球温帯地域におけるインフルエンザの活動は、オフ・シーズンのレベルにありました。

南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)、検査確定インフルエンザ・ウイルス、RSウイルスの検出数が高い状態にあるチリを除いて、ほとんどの地域でインフルエンザとRSウイルスの活動レベルが低下してきました。パラグアイでは、インフルエンザの活動が頭打ちとなっていました。一方、ウルグアイからはインフルエンザの活動の報告がありませんでした。チリでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)がインフルエンザBウイルスも交えながら同時に伝播していました。しかし、アルゼンチンでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者が多い状態ですが、インフルエンザの活動は低下してきました。南米熱帯地域では、RSウイルスの活動が高まった状態ですが、全体として増加する傾向はみられませんでした。
アフリカ南部温帯地域の国々では、インフルエンザ様疾患(ILI)患者でのインフルエンザの検出数が増え続けており、最近は、(検出されるウイルスが)インフルエンザBウイルスからインフルエンザAウイルス主体に移ってきました。肺炎の患者では、最近に報告されたものと比較して、RSウイルスの検出割合が下がってきました。
オセアニアでは、インフルエンザ・ウイルスの活動が高まってきました。オーストラリアでは、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)の割合が全国的に顕著に高まってきました。インフルエンザ陽性の検体は50%を越えるようになりました。流行しているウイルスはインフルエンザA(H3N2)でした。ニュージーランドでは、インフルエンザ陽性の検体が60%もあるにもかかわらず、対称的に、インフルエンザ様疾患(ILI)での受診率が流行シーズンのレベルを下回っていました。
カリブ海地域の国々では、インフルエンザの活動は低いままでした。ほとんどの国で、インフルエンザ以外の呼吸器系ウイルスの検出数が低いレベルにありました。スリナムでは、主にRSウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARI)の患者数と入院数が増えてきました。
中米では、インフルエンザの活動は低いままでした。しかし、ほとんどの国で、RSウイルスによりインフルエンザ以外の呼吸器系ウイルスの活動が高い状態でした。
南米熱帯地域では、ほとんどの国で、この数週間はインフルエンザA(H1N1)pdm09とRSウイルスの活動が低下してきたか、又は、低い状態にありました。コロンビアでは、インフルエンザの活動が低下してきました。しかし、RSウイルスの検出数は僅かですが、増えました。ブラジルとエクアドルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減ってきました。ペルーでは、先週、インフルエンザA(H1N1)pdm09の同時伝播によって、インフルエンザの活動が高まっていました。
アフリカの北部温帯地域と中央部熱帯地域では、全体的にインフルエンザの活動が低い状態でした。この間に報告のあった国では、アフリカ西部で主にインフルエンザA(H3N2)の検出が報告されました。アフリカ東部のケニアでは、多数のインフルエンザ・ウイルス、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)、が報告されました。一方、マダガスカルでは、主にインフルエンザBの検出が報告されました。
北米およびヨーロッパでは、インフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザBが検出されました。インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルは、流行シーズンの基準値を下回りました。
アジア温帯地域では、インフルエンザの活動が低い状態でした。
2016年8月8日から2016年8月21日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年9月2日 04:27:13まで)に基づき、63の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に36,019本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は2,173本で、このうち1,524検体(70.1%)がインフルエンザA型、558検体(29.9%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、390検体(30.7%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、880検体(69.3%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、39検体(23.2%)がB-山形系統で、129検体(76.8%)がB-ビクトリア系統でした。

アジア熱帯地域

 アジア南部では、全体的にインフルエンザの活動が低い状態でした。その中で、インフルエンザAとB両方のウイルスが伝播していました。バングラディシュでは、この数週間、主にインフルエンザA(H3N2)、ときにBウイルスにより、インフルエンザの活動が高まっていました。ネパールでは、インフルエンザA(H3N2)とBウイルスの検出が引き続き増えていました。

 東南アジアでは、全体的に、インフルエンザA(H1N1)pdm09やA(H3N2)、インフルエンザBウイルス、全ての伝播をともなって、インフルエンザの検出数が増えてきました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播しているシンガポールでは、この数週間、検出数の増加が報告されました。カンボジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出に先行されながら、インフルエンザBウイルス陽性の検体の増加が報告されました。タイでは、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09の増加が報告されました。A(H3N2) ウイルスやBウイルスも検出されました。ラオス、マレーシア、フィリピンでは、Bウイルスが多く検出されました。また、A(H1N1)pdm09やA(H3N2)も検出されました。ベトナムでは、この数週間、AウイルスとBウイルスの両方が伝播していました。

出典

WHO. Influenza Update number 271. 5 September 2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_09_05_surveillance_update_271.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_content&view=article&id=3352%3A2010-influenza-situation-report&catid=2407%3Ainfluenza-other-respiratoryviruses&Itemid=2469&lang=en

ヨーロッパ、中央アジア
EURO: https://flunewseurope.org/