2017年のニュース

世界のインフルエンザ流行の状況 (更新12)

2017年6月26日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2017年6月11日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報でも掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

南半球温帯地域では、インフルエンザの活動が高まりを続けて、南米では流行シーズンの注意レベルを超えました。それでも、太平洋の島々では全体的に低調な状態です。(一方)北半球温帯地域では、インフルエンザの活動は低下が続いています。世界全体では、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが伝播していました。
2017年5月29日から6月11日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年6月23日 08:49:26まで)に基づき、84の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に61,275本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は4,815本で、このうち3,286検体(68.2%)がインフルエンザA型、1,529検体(31.8%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、757検体(31.5%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,648検体(68.5%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、134検体(37.1%)がB-山形系統、227検体(62.9%)がB-ビクトリア系統でした。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、この数週間で、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。

 南米温帯地域では、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)のレベルが高まり、チリ、パラグアイでは、流行シーズンの警戒レベルを超えて留まっています。インフルエンザの活動はアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイで高まり、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが優勢でした。

 アフリカ南部では、インフルエンザの活動が上昇し、2017年の流行シーズンが始まりました。検出されるほとんどの亜型がインフルエンザA(H3N2)でした。

 太平洋地域のオーストラリアとニュージーランドでは、インフルエンザの活動が基底レベルから平均レベルへと高まりました。インフルエンザA型とB型の両方を伴っていました。それでも、インフルエンザの検出率は低くく、どの地域も非流行期のレベルにありました。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、呼吸器系ウイルスの活動は低調でした。
 南米熱帯地域では、ほとんどの地域でインフルエンザの活動が低い状態でした。インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザBウイルスが見られました。ブラジルでは、インフルエンザA(H3N2)の伝播を伴いながら、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。しかし、まだ流行シーズンの警戒レベルは下回っていました。エクアドルでは、全体としての検出数はまだ少ないですが、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。検出されるのはインフルエンザBでした。

アフリカ
 西アフリカでは、コートジボワール、ガーナ、マリ、トーゴで、僅かですがインフルエンザの検出が報告されました。この地域では、すべての季節性インフルエンザの亜型が伝播していました。東アフリカでは、マダガスカルとモーリシャスで、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。伝播しているのはインフルエンザA(H3N2)でした。
 ガーナとマリでは、インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器感染症(SARI)の(活動)レベルは低く留まっていることが、それぞれの国の担当者から報告されました。

熱帯アジア
 南アジアでは、インフルエンザの活動レベルが低い状態にあると報告されました。ブータンでは、この数週間、インフルエンザ様疾患(ILI)と急性呼吸器感染症(SARI)の(活動)レベルが下がってきました。頻繁に検出されたのはインフルエンザBウイルスでした。インドでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数が減ってきました。
 東南アジアでは、この数週間、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していました。シンガポールでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが優勢となるに連れ、インフルエンザ様疾患(ILI)の(活動)レベルとインフルエンザの活動についての報告が続いていました。香港では、インフルエンザA(H3N2)ウイルスを伴い、インフルエンザ様疾患(ILI)レベルの上昇が続いていました。ベトナムでは、この数週間、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBウイルスを伴いながら、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。

北半球の温帯地域

北米
 北米では、全体的にインフルエンザの活動が低下してきました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパでは、総じて、インフルエンザの活動が低い状態でした。ヨーロッパ北部と東部では、僅かなレベルでインフルエンザBウイルスの検出が報告されました。ヨーロッパ南西部では、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

北アフリカ
 北アフリカでは、インフルエンザの検出は報告されませんでした。

西アジア
 西アジアでは、この数週間、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。オマーンでは、インフルエンザの活動の報告が続いていました。亜型の検出はほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBウイルスでした。カタールでは、インフルエンザA(H3N2)とインフルエンザA(H1N1)pdm09によって、インフルエンザの活動が高まってきました。アルメニアとジョージアでは、急性呼吸器感染症(SARI)活動の低下が報告されました。

中央アジア
 中央アジアでは、ウイルスの検出についても呼吸器系疾患の指数についても情報更新はありませんでした。

東アジア
 東アジアでは、例外的に、中国で全ての季節性インフルエンザの亜型の検出が報告されていますが、総じて、インフルエンザの活動は低調でした。中国南部では、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザBビクトリア系統が検出されていますが、インフルエンザの活動は下がってきました。中国北部では、僅かに、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスの検出が報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 292. 26 June 2017
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_06_26_surveillance_update_292.pdf

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports
ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/
東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/surveillance-forecasting-response/surveillance-news/influenza-monthly-update-may-2017.html
西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza