2018年のニュース

世界のインフルエンザの流行状況(更新3)

2018年2月19日 WHO(原文[英語]へのリンク

 WHOから発表された2018年2月4日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。報告の詳細は各地域事務局のサイト情報に掲載されています。参考に示された各サイトの原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動が高まった状態が続いていました。一方、南半球温帯地域では、活動が非流行期のレベルにありました。世界全体では、検出されるインフルエンザの大半が、まだ、インフルエンザAで占められていました。しかし、このところの数週間で、インフルエンザB(ほとんどがB-山形系統)が多くなってきました。
これまでのところ、インフルエンザ流行期にある大半の国では、この数年間と比べて、インフルエンザ様疾患(ILI)が中等度レベルであると報告されており、この数年間を超えるレベルに達した国は僅かでした。しかし、いくつかの国では、これまでのインフルエンザ(流行)シーズンの最大レベルや(それを)超えるレベルに達した入院やICU入院が報告されました。WHOは、既にインフルエンザが流行している国や、そのシーズンに入った国に対し、適正な患者の管理、感染制御への対策の遵守、リスクの高い人々への季節性インフルエンザ・ワクチンの接種など、必要な対策を確実に講じることを勧告しています。
2018年1月22日から2月4日までのデータが、FluNet(協定世界時間2018年2月16日 04:33:50まで)に基づき、104の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に302,596本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は98,068本で、このうち54,142検体(55.2%)がインフルエンザA型、43,926検体(44.8%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザAウイルスのサブタイプ(亜型)では、10,290検体(58%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、7,441検体(42%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、7,553検体(92.5%)がB-山形系統、615検体(7.5%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 この地域では、全体的にインフルエンザ・ウイルスの活動が高い状態でした。カナダでは、インフルエンザの活動が高いレベルに留まり、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動は高まりを続け、過去5年のこの時期の平均値を上回りました。この数週間は、インフルエンザBの検出数が増加し、インフルエンザAの検出数と同じ割合に達しました。アメリカ合衆国では、インフルエンザの活動が高まりを維持していました。インフルエンザA(H3N2)ウイルスが、最も多く検出され、次いでインフルエンザBウイルスが検出されました。インフルエンザで入院する累積患者数の割合が最高レベルに達し、これまでの7シーズンの同じ時期に観測されたレベルを上回ったとみられることが報告されました。カナダとアメリカ合衆国では、65歳を超える成人が、インフルエンザ患者とインフルエンザに関連する入院患者の多くを占めていました。メキシコでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスが頻繁に検出されていましたが、インフルエンザの活動は少しずつ下がってきました。

ヨーロッパ

 ヨーロッパでは、ほとんどの国で、インフルエンザの活動が高い状態にありました。全域にわたり全てのインフルエンザの亜型が流行していましたが、ほとんどの国でインフルエンザBウイルスが優勢になりました。ヨーロッパ東部と北部のほとんどの国では、インフルエンザ様疾患(ILI)とインフルエンザの検出数が増加を続け、ヨーロッパ南西部の一部の国ではピークに達したようでした。インフルエンザBウイルスの検出数は、デンマーク、エストニア、ノルウェー、スウェーデンで増えていました。インフルエンザ病態の指標は、アイルランドと英国では下がってきたようでした。しかし、英国では、インフルエンザに関連する入院が高いレベルで留まっていました。

北アフリカ
 北アフリカのアルジェリア、エジプト、モロッコでは、インフルエンザの検出が多い状態でした。一方、チュニジアでは、減ってきました。アルジェリアとチュニジアでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09が優勢でした。一方、エジプトとモロッコでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBが優勢でした。

西アジア
 西アジアでは、全域にわたりインフルエンザ活動の報告が続いていました。アラビア半島のいくつかの国では、インフルエンザの活動がピークを迎えたようでした。一方、イラクでは、インフルエンザA (H1N1)pdm09の検出数の増加が報告されました。イスラエルでは、インフルエンザBウイルスが優勢のまま、インフルエンザの活動が高い状態にありました。アルメニアではインフルエンザB-山形系統とインフルエンザA (H1N1)pdm09の検出が報告されました。

中央アジア
 中央アジアでは、この数週間、地域全体にわたり、インフルエンザAとインフルエンザBの検出数が増えてきました。

東アジア
 東アジアでは、地域全体にわたり、インフルエンザの活動が高まりを維持していました。中国北部と南部では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が落ち着いてきたようでした。しかし、インフルエンザの検出数は増え続けていました。インフルエンザB-山形系統ウイルスとインフルエンザA (H1N1)pdm09ウイルスが優勢でした。香港では、インフルエンザ様疾患(ILI)による受診が高い割合で維持されていました。(ここでは)インフルエンザBが最も頻繁に検出されました。朝鮮民主主義人民共和国では、インフルエンザA (H1N1)pdm09の検出数の減少が報告されました。モンゴルでは、呼吸器疾患の指標とインフルエンザの検出数が減ってきたようでした。この数週間はインフルエンザB-山形系統の検出が優勢でした。韓国では、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスの検出数が高い状態に留まっていたものの、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が下がってきたようでした。

熱帯地域

アメリカ大陸の熱帯地域/中米とカリブ海諸国
 カリブ海地域と中米の国々では、呼吸器疾患の指標とインフルエンザの活動が、全体的に低い状態でした。プエルトリコでは、インフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBウイルスが流行しており、インフルエンザの活動が高まっていました。スリナムでは、インフルエンザBウイルスの検出数の増加が報告されました。ジャマイカでは、インフルエンザの活動が治まってきました。

 南米の熱帯諸国では、いくつかの例外を除き、インフルエンザの活動、呼吸器疾患の指標ともに、全体的に低い状態でした。コロンビアでは、僅かにインフルエンザA(H3N2)の検出数が増えてきました。エクアドルでは、優勢なインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスにより、インフルエンザの活動が高く維持されていました。

アフリカ
 西アフリカでは、地域全体にわたり、インフルエンザの活動の報告が殆どないか、全くない状態でした。アフリカ中央部では、今回入手できた更新データはありませんでした。東アフリカでは、マダガスカルで、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加が報告されました。

熱帯アジア
 南アジアでは、インフルエンザの活動が、全体的に低い状態でした。パキスタンではインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)の検出が増加を続けていました。一方、イランでは活動が治まってきました。

 東南アジアでは、ほとんどの国で、インフルエンザの活動が低いレベルにあることが報告されました。シンガポールでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスとインフルエンザB-山形系統ウイルスの検出数の増加が報告されました。

南半球の温帯地域諸国

 南半球温帯地域では、全体的に、インフルエンザの活動が非流行期のレベルに留まっていました。

出典

WHO. Influenza Update number 309. 19 February 2018
http://www.who.int/entity/influenza/surveillance_monitoring/updates/2018_02_19_surveillance_update_309.pdf?ua=1

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]
AMRO: www.paho.org/influenzareports

ヨーロッパ事務局
EURO: http://www.flunewseurope.org/

東地中海地域事務局
EMRO: http://www.emro.who.int/health-topics/influenza/regional-situation-update.html

西太平洋地域事務局
WPRO: http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/Influenza