2013年04月23日更新 北欧でA型肝炎の患者が増加しています (更新1)

4月22日付で公表された欧州疾病予防管理センター(ECDC)の情報によりますと、昨年10月1日から今年4月18日までに、北欧の4か国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)でA型肝炎の患者が26人報告されています。検出されたウイルスの遺伝子亜型はIBで、RNAシークエンスも同じでした。潜伏期間内に欧州連合(EU)加盟国外に渡航歴のある患者はいません。この4か国では、この他にも、EU加盟国外への渡航と関連がなく、シークエンス解析結果が判明していないA型肝炎の患者が42人報告されています。

デンマーク、フィンランド、スウェーデンにおける疫学調査の結果、すべての患者がベリーを食べており、特に、冷凍ベリーを使用したスムージーを食べていました。イチゴが強い関連のある食品として考えられていますが、現時点では、食品からA型肝炎ウイルスは検出されていません。患者が発生している国の公衆衛生当局は、感染源の調査と、感染拡大を防止するために連携しています。

疫学調査の結果、デンマークの食品管理当局(3月14日)、フィンランドの食品管理当局(3月20日)、スウェーデンの食品管理当局(4月11日)は、冷凍ベリーや輸入されたベリーを食べる際に加熱するように推奨しています。ノルウェーの食品管理当局と公衆衛生研究所も、4月12日に、ベリーを食べる際に加熱することで、A型肝炎に感染するリスクが下がると情報提供を行っています。

最近報告された患者は、今月に入って発症したため、このアウトブレイクは依然として継続していると考えられています。

出典

ECDC
COMMUNICABLE DISEASE THREATS REPORTWeek 16, 14-20 April 2013
http://www.ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/Communicable-disease-threats-report-20-apr-2013.pdf[PDF形式:708KB]