2014年03月11日更新 ウガンダにおける髄膜炎菌性髄膜炎の発生状況について

3月6日付けで公表された世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報によりますと、ウガンダ保健省は、保健関係機関の支援を受けて、ウエストナイル地方における髄膜炎菌性髄膜炎の集団発生に対応しています。3月6日時点で、121人の患者が報告され、このうち5人が死亡しました(致死率は4.5%です)。患者のうち26人は南スーダンの国境における紛争が続いているため、南スーダンからウガンダに来た難民でした。

患者の多くはアジュマニ(Adjumani)県とアルア(Arua)県から報告されています。アジュマニ県では53人の患者が報告され、このうち1人が死亡しました(致死率は1.9%です)。アルア県では47人の患者が報告され、このうち3人が死亡しました(致死率は6.4%です)。アジュマニ県の初発患者は1月31日に報告されました。アジュマニ県の2地区では、第5週から第9週の間に流行閾値を超えました。この2地区はいずれも南スーダンからの難民を受け入れています。

毎週報告される新規患者数は14人から19人と一定数で推移していますが、第9週には29人に増加し、そのうち19人がアジュマニ県で報告されました。アジュマニ県とアルア県の患者の多く(96人中66人、69%)は15歳未満の小児でした。

84検体のうち32検体で髄膜炎菌(W-135)が陽性(7検体は培養による検査で陽性、25検体はパストレックス迅速診断検査で陽性)でした。このうち29検体がアジュマニ県の患者から採取されたもので、アルア県の患者から採取された検体で陽性となった検体は1検体のみでした。

政府と関係団体からの要請により、髄膜炎の流行を制御するためのワクチンの提供に関する国際調整グループは3価の髄膜炎菌ワクチン(A、C、W-135)6万6,830回分を供出することを承認しました。WHOと関係団体は、流行閾値を超えた2地区における集団予防接種キャンペーンの準備を行うため、保健省を支援しています。

集団発生を制御し、感染拡大を防ぐための他の介入も行われています。

WHOは、この事例に関して、渡航や貿易を制限することを推奨していません。

出典

WHO AFRO Epidemic & Pandemic alert and Response
Meningococcal Meningitis in Uganda
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4039-meningococcal-meningitis-in-uganda.html