2014年06月06日更新 アフリカでのラッサ熱の発生状況 (更新1)

ラッサ熱は、ラッサウイルスにより起こるウイルス性の出血性疾患です。ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネなどの地域で発生しています。ラッサ熱の大部分は、農村地域の家屋周辺に生息するネズミの尿や糞から皮膚の傷や粘膜面を介して、または、ほこりに混じったウイルスを吸入して人に感染します。体液を介して人から人へ感染することもあります。突然の発熱・頭痛・咽頭痛が主な症状です。重症化すると、吐血や下血などの出血症状が出現し、高率で死亡します。予防するためのワクチンはありません。

5月23日付けの世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)の情報の発表によりますと、ラッサ熱の発生状況がナイジェリアから報告されています。

ナイジェリアでは国内の異なる地域でラッサ熱が発生し続けています。2014年1月1日から5月11日までに9州25の地域から521人の患者、そのうち24人の死亡者が報告されています(致死率4.6%)。症例の87%(451/521)はエド州からの報告でした。合計で60人が検査で確定診断されました。2013年の同じ時期には671人の患者、死亡者26人が報告されました。

州と政府はWHOと連携機関の支援を受け、サーベイランスの強化、一般住民への衛生注意喚起の機会を増やし、医療関係者へ患者管理のプロトコールや標準感染予防防御策の介入へ迅速に対応させることで流行への対応を行っています。

この地域へ行かれる方は十分注意してください

  • 旅行者がラッサ熱に感染するリスクは非常に低いですが、げっ歯類との接触が頻繁にみられる可能性がある人、田舎で余暇を過ごす人、職業的な活動をする人などは注意が必要です。
  • げっ歯類は尿や便中にウイルスを排泄しますので、地域感染症としてラッサ熱のある国への旅行者は、げっ歯類に触ったり、近づいたりしないようにしましょう。

また、現地を訪れた方で、発熱や頭痛・咽頭痛などの症状がみられる場合には、速やかに現地の医療機関を受診してください。

また、滞在後およそ3週間程度までに同様の症状がある場合には、最寄りの検疫所(健康相談室)にご相談下さい。

FORTH 感染症情報

ラッサ熱

国立感染症研究所感染症情報センター

ラッサ熱

出典

世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)

http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/outbreak_bulletin_issue_3_-may_2014.pdf[PDF形式:2131KB]