2014年07月29日更新 フィリピンにおける麻疹の発生状況について

麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。

7月28日付けで公表された米国疾病予防管理センター(CDC)の情報によりますと、フィリピンへ渡航し、麻しんに罹患する渡航者が発生しています。

世界保健機関(WHO)によれば、2014年1月1日から6月20日にかけて、フィリピンで約47,000の麻疹症例(36,493人の疑い症例と10,676の確定症例)と77例の麻疹による死亡例が報告されています。7月25日の時点で、フィリピンから帰国した22人の米国人旅行者が麻疹に罹患しました。これらの症例のほとんどがワクチン接種をしていない人です。WHOおよびフィリピン保健省は、予防接種キャンペーンの実施を含む、流行制御のための作業を行っています。

麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。現在、1歳と小学校入学前1年間の子どもに対して、計2回の定期の予防接種が行われています。海外の麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんにかかったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。

◆感染症情報:麻しん

出典

CDC Travel Health Notices,28 July 2014
Measles in the Philippines
http://wwwnc.cdc.gov/travel/notices/watch/measles-phillipines