2014年08月19日更新 ヨーロッパでウエストナイル熱の患者が発生しました (更新1)

ウエストナイル熱はウエストナイルウイルスによる感染症です。このウイルスは蚊によってうつり、感染した人のおよそ20%に発熱、頭痛、筋肉痛などの症状を起こします。また、1%未満と低い割合ですが、重症の脳炎などを起こすこともあります。50歳以上の人が重症になる可能性が高いとされています。有効なワクチンはなく、流行地域では蚊に刺されないことが非常に重要です。

8月15日付けで公表された欧州疾病対策センター(ECDC)の情報によりますと、EU内で、2014年の感染シーズンにおける最初のウエストナイル熱の患者が発生しました。

ギリシャの東アッティカ地域居住の老齢者で、この患者には最近の旅行歴はありませんでした。これはEU内の最初の患者です。近隣の国々では、イスラエルで7月に2症例の報告があり、ロシア、セルビアおよびボスニア・ヘルツェゴビナでは8月に25人の可能性の高い症例および確認症例が報告されています。

蚊はウエストナイルウイルス以外にも多くの病気を人にうつします。蚊に刺されないように十分にご注意ください。また、死んだ鳥をみつけた場合、素手で処理しないようにしてください。

蚊に刺されないための対策

●可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。

●長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。

●流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。

●子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

●海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

●また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

●医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

◆感染症別情報:ウエストナイル熱

出典

ECDC, News and epidemiological updates
First case of West Nile fever reported in EU this season,15 Aug 2014
http://www.ecdc.europa.eu/en/press/news/_layouts/forms/News_DispForm.aspx?List=8db7286c-fe2d-476c-9133-18ff4cb1b568&ID=1045

参考

ヨーロッパでウエストナイル熱の患者が発生しました
https://www.forth.go.jp/topics/2014/06230937.html