2014年08月28日更新 コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています

2014年8月26日付けで世界保健機関(WHO)アフリカ地域事務局(AFRO)から公表された情報によりますと、コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています。詳細は以下のとおりです。

●流行状況とサーベイランス
2014年8月26日にコンゴ民主共和国(DRC)の保健省は赤道州(Equateur Province)のエボラウイルス疾患(EVD)の流行をWHOに通知しました。

初発症例はIkanamongo村の妊婦で、彼女の夫が野生の動物(bush animal)を殺して彼女に与え、彼女はそれを肉にしました。彼女はEVDを発症し、Isaka村の民間診療所に出向きました。2014年8月11日に、彼女はその当時原因不明の出血熱で死亡しました。死亡と関連した地元の習慣と儀式により、数人の医療従事者が暴露して次の週に同様の症状が出現しました。

2014年7月28日と8月18日の間に、13人の死亡者を含む、合計24人の疑い症例が同定されました。ヒトーヒト感染が、衛生士と病棟の男の子に加え、手術中に、死亡した妊婦に暴露した医療関係者(医師1名と看護師2名)に認められ、全員が発症して死亡しました。他の死亡は、初発症例に付き添った親戚、診療所のスタッフと接触した人たち、葬儀の際に個人の遺体を扱った人たちの間で報告されました。その他の11例は現在、隔離施設で治療を受けています。

検体は、EVDを確定し株を同定するために、キンシャサとガボンの研究所に送られました。初発症例と80人の接触者は西アフリカのEVD感染国(ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ)の渡航歴はなく、また感染地域の人との接触歴はありませんでした。現時点では、コンゴ民主共和国での流行は、西アフリカの継続的な流行とは無関係であると考えられています。

●保健部門の対応
コンゴ民主共和国の保健省は、状況を監視して評価するためにこの地域に現場チームを派遣しました。接触者追跡調査が始まり、80名が現在フォローアップされています。患者の治療は継続中で、感染予防と制御対策が適切に行われ、この地域に個人用保護具がWHOの援助により提供されています。

WHOは現在、コンゴ民主共和国政府と状況を監視し、研究所の疾患の株の確定を待っています。必要に応じて、コンゴ民主共和国に迅速に対応チームを配置したり支援をする態勢を整えています。これは1976年以来、旧ザイール/現在のコンゴ民主共和国におけるEVDの第7回目の流行です。

WHOは、個人がEVDに感染したことが確認されたか、その疑いがあるか、EVD症例との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制も適用されることを勧奨しません(接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所のスタッフは含まれません。)。

国が取るべき活動についての緊急委員会の臨時勧告については、次のサイトを参照してください。

西アフリカにおけるエボラ発生に関するIHR緊急委員会
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2014/ebola-20140808/en/

出典

WHO/AFRO Epidemiology and surveillance
Ebola virus disease, Democratic Republic of Congo,26 August 2014
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/4263-ebola-virus-disease-drc.html