2014年10月02日更新 エボラ対応に関するロードマップ (更新7)

 10月1日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。

 エボラ対応ロードマップ(リンク)に関する定期状況報告です。ロードマップの体系では、報告は3つのカテゴリーに分類されます。3つのカテゴリーとは、広範囲に及ぶ深刻な伝播が生じている国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、初期の症例が生じた国、あるいは局所的な伝播が生じている国(ナイジェリア、セネガル)、活発な伝播力をもつ地域に隣接する国(ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、セネガル)です。

概観
 西アフリカのエボラウイルス疾患の現在の流行は、2014年9月28日の時点で診断例7,178症例(可能性の高い症例、確定症例、疑い症例を含む)と死亡例3,338症例となっています。影響を受けている国は、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネです。図1は2013年12月30日(疫学第1週)に始まり2014年9月28日(同第39週)までに報告された3つの流行国で可能性の高い症例および確定症例の総症例数を示しています。前週と比較して新しく報告された症例数は減少しています。しかし、いくつもの主要な地域からのエボラウイルス疾患症例が少なく報告されています。今も、伝染はギニア、リベリア、シエラレオネの中で続いており、いくつもの地域で症例の発生率が増加しているという有力な証拠があります。

図1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例141001_WHO_ebola_roadmap_fig1.jpg

1.広範囲に及ぶ深刻な伝播が生じている国
 現在も、シエラレオネおよびリベリアでは流行の増加が続いています。対して、ギニアでは、まだ膠着状態は伝染に対して重大な懸念を持ち、直ぐにでも状況が変わる可能性がありますが、以前よりも安定した状態にあります。

表1 ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例の総数(2014年9月28日現在)141002_WHO_ebola_roadmap_table1.jpg

 ※ギニアの国別総数は原文では270になっています。FORTHでは、総数から再計算した数値を記載しました。

 今回の報告では国別の状況についても報告されています。詳細については原文を参照してください。

医療従事者の感染について
 多数のエボラウイルス疾患への感染が医療従事者で続いており、大きな懸念材料となっています。9月28日現在、377名の医療従事者がボラウイルス疾患に感染し、216名が亡くなっています(表2)。141002_WHO_ebola_roadmap_table2.jpg

地理的分布
 下の図5は広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国における症例の位置を示しています。これまでのそれぞれの地域での累積症例数がグレー色の円で、過去21日以内に発生した症例数が赤の円で示されています。以前に症例が確認された10地区(ギニアの9地区、シエラレオネの1地区)では9月28日以前の過去21日間に症例は報告されていません。ギニアでは、ベイラ(Beyla)地域で新しく感染確定例が1例報告されました。ここはコートジボアールとの国境近くにある地域です。リベリアでは、今までに感染が報告されていなかったグランド・クル(Grand Kru)で6例の診断確定例が報告されました。ここもコートジボアールとの国境近くの地域です。

 図5:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける新規症例数および総数の地理的分布141002_WHO_ebola_roadmap_fig5.jpg

2. 初期の症例が生じた国、あるいは局所的な伝播が生じている国
 2つの国(ナイジェリアとセネガル)では広範囲に及ぶ深刻な伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています。ナイジェリアでは、感染者が20例と死亡者が8例報告されていました。接触者の追跡が続けられており、すべての接触者(891名:ラゴス362名、ポート・ハーコート529名)が21日間の観察期間を終えており、さらなるエボラウイルス疾患の発生は報告されておりません(表3)。

 セネガルでは、すべての接触者が21日間の観察期間を終えており、さらなるエボラウイルス疾患の発生は報告されておりません。この国で最後に確定診断例が報告された8月28日から既に42日が経過しており、この国では流行の発生を未然に防げたと考えられています。

 表3 ナイジェリア、セネガルにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例および死亡例の総数(2014年9月28日現在)141002_WHO_ebola_roadmap_table3.jpg

3. エボラへの暴露を迅速に検出し対応するための各国の準備状況
 2014年の西アフリカでのエボラウイルス疾患の発生に関して、IHR 2005に基づいてWHOの統括責任者による2回目の緊急委員会が招集されました。この会議は、インターネットを使って、2014年9月16日から2014年9月21日まで緊急委員会委員とアドバイザーとが参加して行われました。

 委員会は、すべて国が想定される状況に対する個々人の十分な訓練を通して、準備の補強、計画の確認、そして現在の準備状況を点検しなければならないと、強調しています。

補足
コンゴ民主共和国でのエボラ流行
 2014年9月28日現在、コンゴ民主共和国(DRC)で70例のエボラウイルス疾患(確定診断例30例、可能性の高い症例26例、疑い症例14例)が報告されています。医療従事者8例を含む42例が死亡例として報告されました。

 666名の接触者が21日間の観察期間を完了しました。現在も観察中の279名の接触者のうち265人(95%)が9月28日の段階で確認されています。この流行は、ギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネでの流行との関連はありません。

参考情報1
 診断の定義については、エボラ対応に関するロードマップ(更新6 添付2)を参照してください。

出典

WHO, Situation reports: Ebola response roadmap,
Situation report, 1 October 2014
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/135600/1/roadmapsitrep_1Oct2014_eng.pdf?ua=1