2014年10月16日更新 エボラ対応に関するロードマップ (更新11)

 10月15日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、西アフリカで流行しているエボラウイルス病の発生状況は以下のとおりです。

 2014年10月12日までに報告されたエボラウイルス病の疑い例から確定例までの患者数は診断例8,997症例と死亡例4,493症例となっています。感染の影響を受けている国はギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国です。

 エボラ対応ロードマップ(リンク)に関する定期状況報告です。ロードマップの体系では、報告は3つのカテゴリーに分類されます。3つのカテゴリーとは、広範囲に及ぶ深刻な伝播が生じている国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、初期の症例が生じた国、あるいは局所的な伝播が生じている国(ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)、活発な伝播力をもつ地域に隣接する国(ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、セネガル)です。本サイトでは、うち最初の2つのカテゴリーについて報告いたします。

 疫学41週におけるデータは、リベリアからのデータに欠損があり不完全です。リベリアでは、公的な医療調査体制の報告での新規の症例が相対的に少数に留まるものの、検査センターのスタッフや現地対応職員から報告される新規症例は大量である、という食い違いが生じています。感染が広がる各国で、データの食い違いの修復と、疫学データの収集能力を向上させるための努力が続けられています。

 しかしながら、明らかに、ギニア、リベリア、シエラレオネでの状況は悪化しています。ギニアでは、新規症例の増加が首都コナクリ及びこれに近いCoyah(コイヤ)地方における確診例および疑い例の急激な増加によってもたらされ続けています。リベリアでは、データ収集の問題から最近のデータにおいて確固たるいかなる結論を導くことも困難です。首都モンロビアから症例数が過小に報告されていることは確かです。一方、ロファ地方での症例数は確かに減少しているようです。今後、発生数の減少を維持し、エボラウイルス病の撲滅へと向けることが必要となるでしょう。シエラレオネでは、現在も首都フリータウンおよびその周辺地域で深刻な流行が続いています。

 限定的に感染が生じた国の中で、ナイジェリアとセネガルは最後に感染者との接触の可能性があった日から既に42日を経過しています。スペインと合衆国では接触の可能性が高い人たちの監視が続けられています。

 前例のないエボラウイルス病の流行を受けて、史上初めて、エボラ緊急対応のための国連ミッション・国連緊急保健ミッション(UNMEER)が設定されています。その戦略の優先事項は、疾病の蔓延を押さえること、感染者を治療すること、必要不可欠なサービスを確保し、安定した環境を維持し、流行が波及していない国への拡大を防止することにあります。WHOは、このミッションの中で健康戦略やアドバイス全体に対して継続して責任を持ちます。また、活動の拠点をギニアのコナクリからガーナのアクラにあるUNMEERミッション本部へと移しました。

1. 広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国
 ギニア、リベリア、シエラレオネでは流行の増加傾向が続いています。リベリアの保健省から10月11日付けで、ギニアおよびシエラレオネの各保健省から10月12日付けで報告されたエボラ出血熱の流行状況は、診断例が8,973症例(可能性の高い症例、確定症例、疑い症例を含む:更新6 添付2 参照)と死亡例が4,484症例となっています(表1)。

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例の総数および死亡者数(2014年10月12日現在)141016_WHO_ebola_roadmap_table1.jpg

注釈:**シエラレオネでは可能性の高い症例おける死亡数が患者数よりも120例多くなっています。データは、各国保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

 今回は国別の状況についても報告されています。詳細については原文を参照してください。

医療従事者の感染について
 10月12日現在、427名の医療従事者がエボラウイルス病に感染し、236名が死亡しています(表2)。WHOはそれぞれの症例における感染の原因を追跡するために広範囲にわたる調査を実施しています。その最初の指摘は、感染のかなりの割合がエボラの治療と看護の状況以外の場所で発生したということです。感染予防と管理体制の維持と点検は流行が深刻な3か国すべてのエボラ治療病棟で実行され続けています。同時に、全ての医療従事者が暴露リスクを最小限にとどめることを確実に実行するための訓練の準備および関連するガイドラインに沿って、全てのエボラ治療施設に対する最適の個人用防護具の十分な供給の確保するための徹底的な努力が続けられています。

 表2: 医療従事者の患者数および死亡者数141016_WHO_ebola_roadmap_table2.jpg

注釈:広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国。データは、リベリアの保健省から10月11日付けで、ギニアおよびシエラレオネの各保健省から10月12日付けで報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

新しく流行が及んだ地域の地図上の分布
 図4は、広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国で発生した症例の分布を示しています。ギニアでは、ギニアとビサウの国境の街、北部のBoke(ボケ)で21日以内に初めて感染症例が報告されました。Mamou(マムー)の中央地区でも最初の確定診断例が報告されました。

 図4:ギニア、リベリア、シエラレオネにおけるエボラウイルス病の累積数と新規症例数の地理上の分布図141016_fig5.jpg

2. 初期の症例が生じた国、あるいは限局的な伝播が生じている国
 ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の4か国では広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から入国してきた症例が報告されています。

 ナイジェリアでは、20例の感染例と8例の死亡例がありました(表4)。セネガルでは1例の入国がありましたが、以後、死亡例も、エボラに起因する疑い以上の症例も発生していません。アメリカ合衆国では2例の診断例と1例の死亡例が発生しています。スペインでも診断例が1例発生しました。

 スペインでは、ハイリスクの接触者13名を含む72名が監視下にあります。アメリカ合衆国では125名の接触者が監視下に置かれています。

表4:ナイジェリア、セネガル、米国におけるエボラウイルス病症例の患者数および死亡者数141016_WHO_ebola_roadmap_table4.jpg

 データは保健省により報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続して行われている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

補足
コンゴ民主共和国でのエボラ流行
 2014年10月9日現在、コンゴ民主共和国(DRC)で医療従事者8例を含む68例のエボラウイルス病(確定診断例38例、可能性の高い症例28例、疑い症例2例)が報告されています。また、49例が死亡と報告されました。この中には8人の医療関係者の中での死亡も含まれています。

 852名の接触者が21日間の観察期間を完了しました。現在、接触者269名が観察中であり、全員(100%)が10月9日の段階で健康であることを確認されています。この流行は、ギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネでの流行との関連はありません。

参考情報1
 診断の定義については、エボラ対応に関するロードマップ(更新6 添付2)を参照してください。

出典

WHO, Situation reports: Ebola response roadmap,
Situation report, 15 October 2014
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/136508/1/roadmapsitrep15Oct2014.pdf?ua=1