2014年11月06日更新 エボラ対応に関するロードマップ (更新17)

 11月5日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますとエボラウイルス病の発生状況は以下のとおりです。

要約
 2014年11月2日までに報告されたエボラウイルス病の疑い例から確定例までの患者数は13,042症例、死亡者数は4,818症例となっています。報告は、感染の影響を受けている6か国(ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国)と過去に影響を受けた2か国(ナイジェリア、セネガル)からです。

 セネガルとナイジェリアのエボラウイルス病発生は、それぞれ10月17日および19日に終息が宣言されました。

 各国の状況は、ギニアでは毎週の発生数が安定しているようにみえます。シエラレオネでは毎週の発生数が増加し続けています。一方、リベリアでは減少の傾向がみられています。3国の中では、エボラウイルス病の流行はまだ続いており、依然として広がりをみせています。特に、それぞれの首都では深刻な状況です。流行の発生以来、リベリアとシエラレオネでは全ての行政区域で少なくとも1例のエボラウイルス病の診断確定例または可能性の高い症例が報告されています。この流行地からの患者と死亡者の数は過小に報告される状況が続いています。

 局所的な感染が発生した国である、マリとアメリカ合衆国では接触の可能性のある人々の健康監視が続いています。スペインでは、マドリッドで感染した医療従事者と接触のあった83人全員が21日間の健康監視期間を終えました。

 エボラ対応ロードマップ(リンク)に関する定期状況報告です。ロードマップの体系では、報告は3つのカテゴリーに分類されます。3つのカテゴリーとは、(1)広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、(2)初期の症例が生じた国、あるいは局所的な感染が発生している国(マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)、(3)流行が蔓延する地域に、隣接するまたは物資交流が盛んな国です。エボラウイルス病が独自に、関連なく発生しているコンゴ民主共和国の状況についての概要は補足にて記載しています。

 本サイトでは、最初の2つのカテゴリーについて報告しています。

1. 広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国
 ギニアとシエラレオネの保健省から11月2日付けで、リベリアの保健省から10月31日付けで報告されたエボラウイルス病の発生状況は、患者数が13,015症例(可能性の高い症例、確定症例、疑い症例を含む:更新6 添付2 参照)と死亡者数が4,808症例となっています(表1)。

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例の症例および死亡者数141106_WHO_ebola_roadmap_table1.jpg

注釈:データは、各国保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。今週の報告数が10月29日付けの状況報告と比べて少ない原因は使用している情報源の変更によるものです。この報告の中で、各国および行政区による患者と死亡者の累積数は保健省とその国のWHO事務所によって集められた状況報告で示された情報と同じものを使用しています。以前は、これらの総計は各国の状況報告の患者データベースの合算で得られたものでした。改訂された方法では各国の報告で得られたデータをこの報告の中で示された数字の総計で示しています。

 今回は国別の状況についても報告されています。詳細については原文を参照してください。

医療従事者について
 11月2日現在、546名の医療従事者がエボラウイルス病に感染し、310名が死亡しています。10月27日から11月2日までに4名の医療従事者が感染しました。

 WHOはそれぞれの症例における感染の原因を追跡するために広範囲にわたる調査を実施しています。その最初の指摘は、感染のかなりの割合がエボラの治療と看護の状況以外の場所で発生したということです。感染予防と管理体制の維持と点検は流行が深刻な3か国すべてのエボラ治療病棟で実行され続けています。

 WHOは患者を直接にお世話する医療従事者に対する個人用防護具のガイドラインの検証を行ってきました。現在のエボラ流行の状況に合わせてガイドラインを更新しています。個人用防護具を使用する際に必須の総合訓練と医療を行う前に個人用防護具の全ての使用者を指導することが医療従事者と患者を保護する基本になると考えられています。

 WHOは個人用防護具100万セット以上をギニア、リベリアおよびシエラレオネには運び、各国保健省とその支援者とともに防護具調達の作業を続け、もっとも必要とされる処へ防護具を配備させています。

表2: 医療従事者の患者数および死亡者数141106_WHO_ebola_roadmap_table2.jpg

注釈:*広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国です。**セネガルとナイジェリアは既に終息宣言しています。***合衆国はリベリアからのエボラ患者の治療にあたっている間に国内で感染し医療従事者2名とギニアで感染した1名です。データは、各保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

 図4:ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネにおけるエボラウイルス病の累積患者数と新規患者数の地理上の分布図141106_WHO_ebola roadmap_update15_fig.jpg

※データは、各保健省から報告された公式情報に基づいています。この地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域の統治との関係についてWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいはその国境および境界の範囲が完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

広範囲に深刻な感染の伝播が生じている国での対処
 国連で初めての公衆衛生上の緊急事態に対するミッション、エボラ緊急対応のための国連ミッション(UNMEER)は、前例のないエボラウイルス病の流行に対処するために設立されました。ミッションの戦略的な優先事項は、病気の拡散を止めること、感染患者の治療、必要不可欠な公的扶助の確保、安定性の維持、現在感染が伝播していない国へのエボラウイルス病の拡散を防ぐこと、です。西アフリカのエボラウイルス病の流行を制御し、押し戻すための総合90日計画が実施されています。計画の鍵となる目的の中で、少なくともエボラウイルス病患者の70%を隔離し、少なくとも死亡者の70%を安全に埋葬する体制を整備することが2014年12月1日(目標設定60日)までの目標です。究極の目標は、2015年1月1日(目標設定90日)までに、エボラウイルス病患者の100%を隔離し、死亡者の100%を安全に埋葬する体制を整備することです。141106_WHO_ebola roadmap_update15_Table3.jpg

注釈:この表の情報は、本文で指定された期間とは異なるデータを示しています。

範囲で示される指標に関するデータは、エボラ流行への対処、そして対処がどのように評価されているかをより完全に理解することを可能にするために集められています。データ収集のためのシステムが実行され始めていますが、これらのシステムは改善されていくことが予想されます。表3は、これまでの対処の速報を提供するために予備データを示しています。

2.  初期の症例が生じた国、あるいは限局的な伝播が生じている国
 マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国では広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています。

 セネガルとナイジェリアのエボラウイルス病の流行は、それぞれ10月17日および19日に終息が宣言されました。

 表4 マリ、スペイン、米国におけるエボラウイルス病症例の患者数および死亡者数141106_WHO_ebola_roadmap_table4.jpg

※合衆国でのデータはリベリアからのエボラ患者の治療にあたっている間に国内で感染し医療従事者2名とギニアで感染した1名を含んでいます。データは保健省により報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続して行われている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

 10月23日に、マリで初めてエボラウイルス病の確診症例が報告されました。症例は2歳の女児で、ギニアから祖母に連れられてマリにやってきました。女児は長旅の途中に発症しました。10月22日にKayes(カイ)にあるFousseyni Daou病院に収容されましたが、24日に亡くなりました。現在、108名の接触者が健康監視下にあります。これはカイの79名とバマコの29名です。WHOの準備チームは症例発生に備えた国家の準備状況を評価することの支援のために既にマリに入っていました。チームは直ちに、感染の予防と制御、接触者の追跡、および医療従事者の訓練に関してマリの保健当局に専門技術と人的な支援を提供するために再編成されました。WHOの対応チームと支援者はマリの支援を続けています。

 スペインでは、マドリッドでエボラ患者を世話している間に感染した医療従事者10月19日に検査陰性となり、21日に2回目の陰性結果を得ました。もし新たな発生がでなければ、2回目の検査から42日後に終息が宣言されます。現在、健康監視下にある接触者83名は21日の期間を終了しました。

 アメリカ合衆国では4例の症例が発生し、うち1例が死亡しています。2名の医療従事者はエボラの検査が陰性となり、退院しました。もう1名の医療従事者はニューヨークで隔離の下で治療を受けています。総計177名の接触の可能性のある者のうち、53名が現在も健康監視下にあり、124名が21日の観察期間を完了しました。

補足
コンゴ民主共和国でのエボラ流行
 2014年10月29日現在、コンゴ民主共和国(DRC)で医療従事者8例を含む66例のエボラウイルス疾患(確定診断例38例、可能性の高い症例28例)が報告されています。また、49例が死亡と報告されました。この中には8人の医療関係者の中での死亡も含まれています。

 最後に2回目の検査で陰性を確認した症例が病院を退院した日から24日が経ちました。42日が経てば、この国は終息を宣言することができます。この流行は、ギニア、リベリア、マリ、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネでの流行との関連はありません。

参考情報1
診断の定義については、エボラ対応に関するロードマップ(更新6 添付2)を参照してください。

出典

WHO, Situation reports: Ebola response roadmap,
Situation report, 5 November 2014
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/137510/1/roadmapsitrep_5Nov14_eng.pdf?ua=1