2014年11月13日更新 エボラ対応に関するロードマップ (更新19)

 11月12日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますとエボラウイルス病の発生状況は以下のとおりです。

要約
エボラウイルス病の患者数は14,098人、死亡者は5,160人になりました。
現在もギニア、リベリア、シエラレオネにおける流行は深刻で、シエラレオネでは未だに発生率が上昇しています。
疾患に纏わる調査は、感染の予防と制御、患者の診断、隔離、治療、接触者の追跡、安全かつ尊厳のある埋葬についても含みます。
マリで4例の確定診断と可能性の高い症例および4例の死亡が報告されました。
アメリカ合衆国のエボラ患者は全て病院を退院しました。

 2014年11月9日までに報告されたエボラウイルス病の疑い例から確定例までの患者数は14,098症例、死亡者数は5,160症例となっています。報告は、感染の影響を受けている6か国(ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、スペイン、アメリカ合衆国)と過去に影響を受けた2か国(ナイジェリア、セネガル)からです。

 ギニアとリベリアでは、全国的に患者の発生率が増えていないことを示す証拠がいくつもみられます。しかし、シエラレオネでは急激な増加が続いています。行政区域レベルでは混ざりあっ様相を示しています。ギニアのコナクリ(Conakry)およびマセンタ(Macenta)、リベリアのモンセラード(Montserrado)、シエラレオネの西部と北部地域で流行の伝播が一貫して高い状態です。リベリアのロファ(Lofa)、シエラレオネのケネマ(Kenema)とカイラフン(Kailahun)、では発生率の減少傾向が続いています。この流行では患者数および死亡者数は過少報告が続いています。

 マリでは、4例の確定診断と可能性の高い症例(全員死亡)が報告されました。最新の症例は10月24日に死亡したマリで最初のエボラ陽性症例と関係がありません。

 流行が最も深刻な3つの国でおける疾患に纏わる調査は、患者の隔離と治療、接触者の同定、安全かつ敬意のある方法での埋葬の内容を含みます。これらの国の中で、計画された53のエボラ治療センターのうち、現在19施設が開設されています。訓練を受けた総数140の埋葬チームが各地で活躍しており、4,400以上の遺体が流行の発生以来、安全かつ尊厳のある方法での埋葬が行われたと報告されています。53のエボラが発生している地区から、検体が24時間以内に陸路で検査施設に送られることになっています。

 現在、発生状況の報告はより緊密に互いに連絡を取り合いながら、データや地図など、国レベルで詳細な情報を提供するためにウェブベースの形式で提示されています。

 局所的な感染が発生した国である、マリとアメリカ合衆国では接触の可能性のある人々の健康監視が続いています。スペインでは、マドリードで感染した医療従事者と接触のあった83人全員が21日間の健康監視期間を終えました。

 エボラ対応ロードマップ(リンク)に関する定期状況報告です。ロードマップの体系では、報告は3つのカテゴリーに分類されます。3つのカテゴリーとは、(1)広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、(2)初期の症例が生じた国、あるいは局所的な感染が発生している国(マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)、(3)流行が蔓延する地域に、隣接するまたは物資交流が盛んな国です。エボラウイルス病が独自に、関連なく発生しているコンゴ民主共和国の状況についての概要は補足にて記載しています。

 本サイトでは、最初の2つのカテゴリーについて報告しています。

1. 広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国
 ギニアとシエラレオネの保健省から11月9日付けで、リベリアの保健省から11月8日付けで報告されたエボラウイルス病の発生状況は、患者数が14,068症例(可能性の高い症例、確定症例、疑い症例を含む:更新6 添付2 参照)と死亡者数が5,147症例となっています(表1)。このデータはWHOの各国事務局から報告されたものです。

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例の症例および死亡者数141113_WHO_ebola_roadmap_table1.jpg

注釈:データは、各国保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。*リベリアの情報は過去18日間の情報です。141113_Ebola_map.jpg

※データは、各国による状況報告に基づいています。この地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域について もその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の境界設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その 国々あるいはその国境および境界の範囲が完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

医療従事者について
 11月10日現在、564名の医療従事者がエボラウイルス病に感染し、320名が死亡しています。ここにはEVD陽性患者を治療中に感染したスペインの医療従事者、合衆国の3名の医療従事者(ギニアで感染した1名、テキサス州で患者の治療中に感染した2名)が含まれています。11月9日の週にギニアのケルワネ(Kerouane)で3名の医療従事者が感染しました。

 表6:医療従事者の患者数および死亡者数141113_WHO_ebola_roadmap_table2.jpg

注釈:データは、各国保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続されている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。*データは11月7日までのものです。

 WHOはそれぞれの症例における感染の原因を追跡するために広範囲にわたる調査を実施しています。その最初の指摘は、感染のかなりの割合がエボラの治療と看護の状況以外の場所で発生したということです。これは、エボラ関連施設だけでなく、全ての医療施設で感染の予防と制御の対策に気を配る必要性を強化します。WHOは患者を直接にお世話する医療従事者に対する個人用防護具のガイドラインの検証を行ってきました。現在のエボラ流行の状況に合わせてガイドラインを更新しています。個人用防護具を使用する際に必須の総合訓練と医療を行う前に個人用防護具の全ての使用者を指導することが医療従事者と患者を保護する基本になると考えられています。WHOは個人用防護具100万セット以上をギニア、リベリアおよびシエラレオネには運び、各国保健省とその支援者とともに防護具調達の作業を続け、もっとも必要とされる処へ防護具を配備させています。

2. 初期の症例が生じた国、あるいは限局的な伝播が生じている国
 マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国では広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています。

 4例の確定診断および可能性の高い患者(全員死亡)がマリで報告されています。最も新しい患者はバマコからです。彼らは10月24日にカイ(Kayes)で死亡したこの国最初の症例とは関係がありません。

 スペインでは、マドリッドで患者の治療中に感染した医療従事者が2度の検査陰性を経て、病院から退院して以来22日が経ちました。この医療者に対する接触者83名は既に21日の健康監視期間を完了しています。

 アメリカ合衆国では、1名の死亡を含む4例の感染がありました。ニューヨークの1名の医療従事者、テキサスの2名の医療従事者は、2度のエボラ検査陰性の結果を得て、既に退院しています。この国での全ての接触者は21日間の経過観察期間を完了しました。

 表7:マリ、スペイン、米国におけるエボラウイルス病症例の患者数および死亡者数141113_WHO_ebola_roadmap_table7.jpg※合衆国でのデータはリベリアからのエボラ患者の治療にあたっている間に国内で感染し医療従事者2名とギニアで感染した1名を含んでいます。データは保健省により報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続して行われている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

補足
コンゴ民主共和国でのエボラ流行
 2014年11月9日現在、コンゴ民主共和国(DRC)で医療従事者8例を含む66例のエボラウイルス疾患(確定診断例38例、可能性の高い症例28例)が報告されています。また、49例が死亡と報告されました。この中には8人の医療関係者の中での死亡も含まれています。新たな接触者の追跡はありません。

 最後に2回目の検査で陰性を確認した症例が病院を退院した日から31日が経ちました。42日が経てば、この国は終息を宣言することができます。この流行は、ギニア、リベリア、マリ、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネでの流行との関連はありません。

参考情報1
 診断の定義については、エボラ対応に関するロードマップ(更新6 添付2)を参照してください。

出典

WHO, Situation reports: Ebola response roadmap,
Situation report, 12 November 2014
http://www.who.int/csr/disease/ebola/situation-reports/en/