2014年11月21日更新 マリ:エボラウイルス病の新たな症例の詳細

 2014年11月20日に、マリで初のエボラ症例と独立して発生しているエボラウイルス病症例の詳細がWHOから発表されました。症例の詳細は以下のとおりです。

バマコで新たな症例が発見されるまでの経緯
 これまでに、マリでは5例の死亡者を含む総計6例のエボラウイルス病患者が公式に発表されました。この6例のうち5例は検査で確認され、残る可能性の高い症例は検査のための検体を入手できないままです。

 これらの検体の数には10月24日に亡くなった、マリにウイルスが初めて運び込まれた2歳の女児を含みます。

 病院の中で健康監視が行われた者を含む、女児との多数の接触者に対する徹底した追跡と健康監視により、(ここから)新たな症例が見つかることはありませんでした。家族を含む188名全員が発症することなく21日の潜伏期間を終えています。

 エボラウイルスは、ほとんど確実に、10月25日に首都バマコのパスツール診療所に入院し、翌々日、27日に亡くなったギニアからの70歳のイマーム(イスラム教の導師)によって、再びマリに運び込まれていました。

パスツール診療所: 直接および間接による患者の情報
 新たに発生した5例の患者は、3例が直接に、2例が間接にパスツール診療所で情報が集約されています。

1例目は診療所で働く25歳の男性看護師で、このイマームの看護の担当をしていました。彼は11月8日に入院となりましたが、検査で確認された11日に亡くなりました。

2例目は診療所で働く医師から確認されました。彼もイマームの治療にあたっていました。11月5日に発症し、8日に入院となりました。12日に検査で感染が確認されています。彼は現在も治療中です。

3例目はパスツール診療所にイマームの見舞いに訪れた51歳の友人男性です。11月7日に発症し、診断が為されないままに10日に亡くなりました。彼はこの国で一人だけの可能性の高い症例です。

この友人の感染は新たに確診に至った2例の死亡例を発生させています。

最初の症例は、この友人と直接の接触をもつ57歳の女性でした。彼女は10月29日に発症し、11月11日に別の診療所に入院しましたが、12日さらに大きい病院に転送され、同日に亡くなりました。

もう一例はその女性の息子です。彼は11月5日にやはり別の診療所を受診し、14日に自宅で亡くなりました。これら2例ともにエボラ感染が検査で確かめられました。

接触者の追跡の強化
 現在、最大の努力が、全ての感染の連鎖の確認、接触者の健康監視、流行のさらなる拡大の防止のために行われています。現在338名の接触者が確認され、このうちの303名(90%)が毎日の調査の下に置かれています。

 この厳格なる「発見」の作業で、 亡くなったパスツール診療所の看護師は75家族を含む98名という大量の接触者を生み出していたことが明らかとなっています。

 セネガルやナイジェリアの成功例が示すように、輸入例の後ただちに全ての感染伝播の連鎖を見つけ出し、断ち切るために強力に接触者追跡を行うことが、新たな症例の発生数を最小限に食い止め、流行を短期間で終息させることを助けます。

 WHOのマリ事務局から支援を受けた保健省はポリオ調査チームを導入することによって、疫学を学んだ地元の医学学生にも働いてもらうことによって、接触者追跡にかかわるスタッフの数を増やしています。

 加えてWHOはこの地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)を通じて10人の疫学専門家を配置しました。

 また、この国ではバマコ空港での出口スクリーニングの体制を強化し、対応能力を高めています。

ギニア:葬儀に出席する多くの参列者
 このイマームは、10月28日に彼の故郷であるギニアのKourémalé村に埋葬されました。その葬儀については現在も調査され続けています。何千もの参列者が葬儀に出席しました。彼らのうちの何人かは伝統的な埋葬儀式の一環として遺体に触れていました。およそ300名の接触者の追跡が続けられています。

 マリ国内およびWHOの専門家は、国境を越えての伝染が続く限り、マリにはさらなる輸入例が発生する危険があるとの見解で一致しています。

出典

WHO, Media center, Ebola situation assessment - 20 November 2014
Mali: Details of the additional cases of Ebola virus disease
http://www.who.int/mediacentre/news/ebola/20-november-2014-mali/en/

参考

FORTH新着情報
マリにおけるエボラ症例について(続報) (2014年11月4日更新)
http://www.forth.go.jp/topics/2014/11041308.html

マリで最初のエボラ症例が確認されました (2014年10月27日更新)
http://www.forth.go.jp/topics/2014/10271339.html

マリ保健省およびWHOによるエボラ症例対応への評価(2014年11月12日更新)
http://www.forth.go.jp/topics/2014/11121659.html