2014年12月11日更新 エボラ対応に関するロードマップ (更新25)

 12月10日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますとエボラウイルス病の発生状況は以下のとおりです。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の流行発生状況、医療従事者での流行発生状況、感染が波及した国での対応状況に内容を絞り込んでいます。要点に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要点(ハイライト)
エボラウイルス病の患者数は17,942人、死亡者は6,388人になりました。
患者発生率は、ギニアでは僅かに増加傾向、リベリアでは減少傾向、シエラレオネでは増加もしくは横ばいの傾向となっています。
シエラレオネから報告された患者数はこれまでに7,897人で、流行3か国の中で最高の数となっています。
国のレベルでは、ギニア、リベリア、シエラレオネともに報告されたエボラウイルス病患者全員の隔離と治療、及び死亡者の安全かつ敬意を祓った埋葬に対処する能力は十分となっています。しかし、地域のバラツキはいくつかの地域では対処する能力が不十分であることを示唆しています。

要約
 2014年12月7日までに報告されたエボラウイルス病の疑い例から確定例までの患者数は17,942症例、死亡者数は6,388症例となっています。報告は、感染の影響を受けている5か国(ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネ、アメリカ合衆国)と過去に影響を受けた3か国(ナイジェリア、セネガル、スペイン)からです。報告されている患者発生率は、ギニアでは僅かに増加傾向(12月7日の週の診断確定患者数103人)、リベリアでは減少傾向(同29人)、シエラレオネでは未だに増加傾向(同397人)となっています。最も流行が深刻である3か国を通しての患者死亡率(致死率)は、信頼のある記録に基づく全症例では76%、入院患者では61%です。

 WHOのロードマップの体系(リンク)では、報告は3つのカテゴリーに分類されます。今回は、このうち2つのカテゴリー、(1)広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)、(2)初期の症例が生じた国、あるいは局所的な感染が発生している国(マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国)についての報告です。

1. 広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国
 ギニアとシエラレオネの各保健省から12月7日付けで、リベリアの保健省から12月3日付けで報告されたエボラウイルス病の発生状況によれば、患者数が17,908症例(確定症例、可能性の高い症例、疑い症例を含む)、死亡者数が6,373症例となっています(表1)。データはWHOの地域事務局からの報告です。

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い症例、確定症例、疑い症例の症例数および死亡者数141211_WHO_ebola_roadmap_table1.jpg

注釈:データは各国の保健省からの公式情報をWHOの各国事務局が報告したものです。これらの数値は集計の検討によって変わることがあります。*は再分類された疑い症例と可能性の高い症例の割合が高いために報告が見送られています。**過去12月4日から7日までのデータは欠損です。

※国別の患者数、死亡者数についても報告されています。各国毎の週別患者数の推移が図で示されており、横ばい、又は、減少していることをみることができます。詳細については原文でお確かめください。

 図4:ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネにおけるエボラウイルス病の新規および累積の診断確定および可能性の高い患者数の分布図141211_WHO_Ebola response roadmap_fig.jpg

※データは各国からの状況報告に基づいています。地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の境界設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいはその国境および境界の範囲が完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。リベリアにおける12/4-7(原文はNovemberと記載)のデータは欠損です。ギニア、シエラレオネ、マリからのデータは過去21日間の診断確定症例によるものです。リベリアからのデータは11/16以前に確認された症例に基づく地方レベルでのデータ収集体制が利用できないために感染の可能性の高い症例によるものです。

医療従事者の感染
 12月7日までに、合計639名の医療従事者がエボラウイルス病に感染しました。このうち349名の医療従事者がいのちを落としています。合計数には、マリでの2名、ナイジェリアでの11名、スペインでの1名、アメリカ合衆国での3名(うち2名が国内、1名はギニア)が含まれています。

表5:医療従事者の患者数および死亡者数141211_WHO_ebola_roadmap_table5.jpg

※データは保健省により報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続して行われている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。*12月4日から7日分のデータが欠損しています。

2.  初期の症例が生じた国、あるいは限局的な伝播が生じている国
 現在までに、マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、アメリカ合衆国の5か国では、広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています(表6)。

 マリでは、現在では8人(診断確定7例、可能性の高い例1例)の患者が報告され、6人が死亡しています。首都Bamako(バマコ)から新たに報告された複数の症例は、10月24日に死亡したKayes(カイ)での最初の症例とは関係がありません。最初の症例に関係した接触者は全員が21日の健康監視期間を終えました。12月7日の時点で、バマコで発生した患者に関係する接触者227人のうち219人の健康監視が行われています。

 アメリカ合衆国では、死亡者1名を含む4例の感染がありました。ニューヨークの医師とテキサスの看護師2人は2回のエボラ検査陰性の結果を得て退院しました。すべての患者が退院し、この国では全ての接触者が21日間の健康監視期間を完了しました。

 表6:マリ、スペイン、米国におけるエボラウイルス病症例の患者および死亡者数141211_WHO_ebola_roadmap_table6.jpg

*合衆国でのデータはリベリアからのエボラ患者の治療にあたっている間に国内で感染し医療従事者2名とギニアで感染した1名を含んでいます。データは各保健省から報告された公式情報に基づいています。これらの数値は継続して行われている再分類、遡っての調査、利用できる検査結果の検討によって変わることがあります。

出典

WHO, Situation reports: Ebola response roadmap,
Situation report, 10 December 2014
http://www.who.int/csr/disease/ebola/situation-reports/en/?m=20141210