2014年12月16日更新 ブラジルで初めてウエストナイル熱患者が報告されました

 ウエストナイル熱は脳炎を起こすウイルス感染症です。このウイルスは蚊によって媒介され、感染した人のおよそ20%が発熱、頭痛、筋肉痛などの症状を起こします。1%未満の低い割合ですが、重症の脳炎も起します。50歳以上の人が重症になりやすいとされています。有効なワクチン、治療法はなく、流行地域では蚊に刺されないことが重要です。

 このウイルスはアフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、西アジアなど広い範囲で発生がみられます。最近は夏から秋にかけて、北米、東ヨーロッパや地中海地域でも流行がみられるようになっています。

 2014年12月15日に公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、2014年12月9日、ブラジルの保健省からPiaui州(ブラジル北東部ピアウイ州)でウエストナイルウイルスの感染例が報告されました。これはブラジルで初めて発生したウエストナイル熱患者です。

 患者は最初に症状を発現した2014年8月以来、様子観察が継続して行われていました。感染は11月28日に検査で確認されました。この患者はピアウイ州Teresina(テレジーナ)の病院に入院し、その後に退院しました。これから回復のためのリハピリテーションと理学療法が行われます。

 この他にも4名の症状をもった者がいました。しかし、検査ではウエストナイルウイルスへの感染は除外されました。これらの症状をもった者だけでなく、この地域の住む18名にも検査が行われましたが、結果は全て陰性でした。

 蚊はウエストナイルウイルス以外にもたくさんの病気を人にうつします。蚊に刺されないために以下のような対策を検討してください。また、死んだ鳥をみつけた場合も、素手で触らないようにしてください。

蚊に刺されないための対策

可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除している場所での滞在を検討してください
できるだけ皮膚の露出部を少なくする長袖のシャツ、ズボンを着用してください
流行地域で屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤の皮膚の露出部への使用を考えてください
(使用する際は、注意事項をよく読み指示された使用法を守ってください。濃度が濃く、肌に炎症を起こす物もあります。日焼け止めは、虫よけよりも先につけて使用してください。順番を間違えると効果が弱まります。)
肌が敏感な子ども、とくに乳児での虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。炎症を起こすことがあります。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳で被うことを考えてください。

心配な場合には早めの受診を 

海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

 感染症情報:ウエストナイル熱

出典

WHO. West Nile virus – Brazil. Disease outbreak news.15 December 2014.
http://www.who.int/csr/don/15-december-2014-wnv/en/