2015年01月09日更新 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告

2014年12月14日(第50週)から2015年1月4日(第1週)までに公表されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報によりますと、太平洋地域で以下のような疾患の発生が報告されています。

  • 急性発熱と発疹:フランス領ポリネシア、キリバス、バラオ、サモア
  • 遷延性発熱:フランス領ポリネシア、トンガ、ソロモン諸島、パラオ
  • インフルエンザ様疾患:アメリカ領サモア、サモア、パラオ、グアム、ソロモン諸島、ツバル
  • 下痢:トケラウ諸島、北マリアナ諸島、グアム、パラオ、トンガ

疾患別の発生状況

チクングニア熱

  • チクングニア熱の流行が、アメリカ領サモア、フランス領ポリネシア、ニューカレドニア、サモア及びトケラウ諸島で続いています。
  • フランス領ポリネシアでの12月21日付けの情報では、2014年10月10日からのチクングニア熱の患者数は51,131人と推定されており、このうち9人が亡くなっています。
  • クック諸島では、第51週に3人のデング熱患者の入国がありました。1人がサモア、あとの2人はフランス領ポリネシアからでした。タヒチ島でみられる患者数は減少してきていますが、他の島々では増加しています。
  • ニューカレドニアでは31人の感染が報告されました。3人が国内感染、28人がフランス領ポリネシアからの流入です。2人が入院しましたが、死亡者は出ていません。
  • サモアでは、2014年7月28日以来、3,135人の患者が報告されました。

デング熱

  • デング熱1型の流行がフランス領ポリネシアで続いています。第51週にデング熱3型を含む13人、第50週に19人、第49週に29人の患者が発生しました。週毎に患者数は減ってきています。
  • クック諸島では迅速診断テストで陰性のデング熱様の患者4人が報告されました。検体は、ジカウイルスとチクングニアウイルスを調べるためにフランス領ポリネシアのLouis Malarde研究所に送られることになっています。

麻しん

  • パプア・ニューギニア、ソロモン諸島で麻疹の流行が起こっています。

関連地域へ渡航、滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないよう対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除している場所での滞在を検討してください
  • できるだけ皮膚の露出部を少なくする長袖のシャツ、ズボンを着用してください
  • 流行地域で屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤の皮膚の露出部への使用を考えてください(使用する際は、注意事項をよく読み指示された使用法を守ってください。濃度が濃く、肌に炎症を起こす物もあります。日焼け止めは、虫よけよりも先につけて使用してください。順番を間違えると効果が弱まります。)
  • 肌が敏感な子ども、とくに乳児での虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。炎症を起こすことがあります。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳で被うことを考えてください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
  • また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典