2015年01月20日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新1)

2015年1月19日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は、1月13日に3人の死亡者を含む新たな15人の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染者を検査で確認したとWHOに報告しました。

症例の詳細情報

  1. 1.52歳女性、福建省福州市に在住。患者は2014年12月11日に発症し、16日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  2. 2.65歳男性、福建省福州市に在住。患者は2014年12月18日に発症し、20日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  3. 3.73歳女性、江蘇省蘇州市。患者は2014年12月14日に発症し、18日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  4. 4.78歳男性、福建省福州市に在住。患者は2014年12月21日に発症し、同日入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  5. 5.83歳男性、新疆(しんきょう)ウイグル自治区ウルムチ市に在住。患者は2014年12月21日に発症し、同日入院しましたが、12月30日に亡くなりました。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  6. 6.56歳男性、浙江省金華(きんか)市に在住。この患者は2014年12月20日に発症し、23日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  7. 7.75歳男性、浙江省金華(きんか)市に在住。この患者は2014年12月23日に発症し、同日入院しましたが、12月28日に亡くなりました。この患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  8. 8.20歳女性、浙江省紹興市に在住。この患者は2014年12月21日に発症し、25日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  9. 9.33歳女性、浙江省金華(きんか)市に在住。この患者は2014年12月24日に発症し、12月28日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  10. 10.35歳女性、広東省深圳市(しんせん)市に在住。この患者は2014年12月20日に発症し、12月26日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  11. 11.52歳女性、福建省三明市に在住。この患者は2014年12月26日に発症し、同日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  12. 12.69歳男性、福建省廈門(シアメン/アモイ)市に在住。この患者は2014年12月21日に発症し、12月25日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  13. 13.78歳男性、江蘇省蘇州市に在住。この患者は2014年12月26日に発症し、12月23日に既に入院していましたが、2015年1月4日に死亡しました。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  14. 14.37歳女性、江蘇省鎮江市に在住。この患者は2014年12月21日に発症し、12月27日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。
  15. 15.54歳女性、江蘇省鎮江市に在住。この患者は2014年12月23日に発症し、12月29日に入院しました。現在は重篤な状態です。患者には生きた家禽との接触歴がありました。

中国政府は、以下のようなサーベイランスと対策をとっています。

  1. 1.サーベイランス及び状況分析の強化
  2. 2.患者管理と治療の強化
  3. 3.市民とのリスクコミュニケーションと情報の提供

WHOは鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況の厳重な監視を続けており、リスク評価を行っています。これまでのところ、全体的なリスク評価は変わっていません。

WHOからのアドバイス

WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物体との接触を避けることを勧めています。また、渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣を維持すべきです。

WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨していません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民医療の事前計画の活動を続けていくことを求めています。

中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所にご相談ください。

出典

WHO, Global Alert and Response(GAR).
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China, 19 January 2015
http://www.who.int/csr/don/19-january-2015-avian-influenza/en/