2015年02月10日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新4)

 2015年2月8日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は2月4日に、新たに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染者83人を検査で確認したことをWHOに報告しました。報告された患者の発生期間は、2014年12月20日から2015年1月27日までです。各週の患者発生数のうちわけは以下のとおりです。

・2014年12月20日:2人
・第52週(12/22-28,2014):8人
・第1週(12/29,2014-1/4,2015):16人
・第2週(1/5-1/11,2015):21人
・第3週(1/12-1/18,2015):20人
・第4週(1/19-1/25,2015):13人
・2015年1月26-27日:3人

 年齢構成は1歳~88歳で、中央値は56歳でした。死亡者は19人で、その年齢構成は7歳~78歳で、中央値は50歳でした。83人のうち60人が男性でした。大半(78人、93%)が生きた家禽との接触又は生きた家禽を扱う市場との接点をもっていました。残る4人の接触機会は不明でした。

 3件でそれぞれに2人ずつの家族内での集団感染がありました。全ての家族に、生きた家禽との接触又は生きた家禽を扱う市場との接点がありました。患者発生地域は、福建省が30人、広東省が30人、江蘇省が7人、江西省が1人、山東省が1人、上海が2人、新疆ウイグル自治区が1人、浙江省が11人でした。

中国政府の対応
 中国政府は、以下のようなサーベイランスと対策をとっています。
1. サーベイランス及び状況分析の強化
2. 患者管理と治療の強化
3. 市民とのリスクコミュニケーションと情報の提供

 一方、WHOは鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況の厳重な監視を続けており、リスク評価を行っています。
 鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染者は、今後も周辺地域で散発的に発生することが予想されます。もし、流行地域から国境を越えて旅行する者がいれば、旅行中又はその到着後に他の国で感染者が発見されるかもしれません。もし、このような事例が発生しても、このウイルスは、簡単に人から人への直接感染を起こす能力はなく、地域レベルで感染が拡がるとは考えられていません。

WHOからのアドバイス
 WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。また、渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣を維持すべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民医療の事前計画の活動を続けていくことを求めています。

 中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所にご相談ください。

出典

WHO, Global Alert and Response (GAR).
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China. 8 February 2015
http://www.who.int/csr/don/8-february-2015-avian-influenza/en/