2015年03月12日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第10週)

 2015年3月11日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。エボラ出血熱の患者数は24,282人、死亡者数は9,976人になりました。

註1:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況、医療従事者での患者発生状況、感染が波及した国での対応状況に内容を絞り込んでいます。要点に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

3月8日までの1週間に新たに報告された確定患者数は、合計116人でした(前週は132人)。リベリアでは、2週連続で新たな確定患者は報告されません。ギニアとシエラレオネにおける新たな確定患者は、地理的に海岸線に沿って取り囲むように、それぞれの首都コナクリとフリータウンに隣接する11の周辺地域で発生しました。1月後半以降、全体での患者発生数に大きな低下はなかったものの、最近の患者の地理的な分布が縮小しており、これは対策への努力をより小さな地域に絞り込むことができる肯定すべき展開です。

ギニアでは、3月8日までの1週間に新たな確定患者58人が報告されました(先週は51人)。患者は首都を含む周辺地域、コナクリ(13人)、近隣県のBoffa(ボッファ;2人)、Coyah(コワイヤ;8人)、Dubreka (ドゥブレカ;5人), Forecariah (フォレカリア;28人), and Kindia (キンディア;2人)からだけでした。

シエラレオネでは、3月8日までの1週間に新たな確定患者58人が報告されました。これは2014年6月以降でギニアでの患者数を超えることがなかった初めてのことです。患者は首都フリータウンを取り囲む北部と西部の5つの地域から報告されました。患者数は27人でした。隣接する地域であるBombali (ボンバリ;6人), Kambia (カンビア;7人), Port Loko (ポート・ロコ;12人) と西部郊外(6人)からも患者が報告されました。

リベリアでは、3月5日までの4日間に90人の疑い患者が報告されました。しかしエボラ出血熱の検査での陽性者はいませんでした。警戒は依然として維持されていることを示しています。合計で102人の接触者が健康監視下にあります。

ギニアでは、過去3週間に一般地域で発生した確定エボラ出血熱死亡者の数が増加しています。これは、接触者の追跡と地域社会での取り組みが依然として重要な課題であることを示しています。3月8日までの1週間に報告された合計40人のエボラ陽性死亡者のうち24人が地域の中で発生したものです。対照的に、シエラレオネの一般地域の中で発生しているエボラ死亡者の割合は、83人中の11人であり、かなり小さくなっています。同期間に、合計13件の安全性に欠ける埋葬がギニアから、同じく2件がシエラレオネから報告されました。

3月1日までの1週間に、ギニアから報告された確定エボラ患者51人のうち7人(14%)だけが以前の患者との接触者の中から発生していました。これは未だに相当な数の既知の感染連鎖で追跡されていない接触者がおり、未知の感染連鎖が続いていることを示しています。対照的に、同じ期間にシエラレオネでは、確定エボラ患者81人のうち52人(64%)が登録された接触者の中から発生していました。3月8日までの1週間に追跡された接触者の日別平均人数は、ギニアでは1,433人で、これに対してシエラレオネでは7,934人でした。

ギニアでの、登録された接触者の中から発生する患者の割合が相対的に低いこと、地域で発生するエボラ陽性死亡者の割合が相対的に高いこと、安全性に欠ける埋葬が行われ続けていることは、感染が流行している一般地域と共同で効果的に取り組むことの難題が続いていることを示しています。3月8日までの1週間にギニアの7つの県で、少なくとも1件の安全性に関わる事例が報告されています。

3月1日までの1週間に、情報交換を促進し、最適に業務を分配し、戦略を摺り合わせるために開かれたカンビアとフォレカリアでの合同会議を含めて、5つの国境対策会議が開かれました。

3月8日までの1週間に、ギニアで新たに1名の医療従事者の感染が報告されました。流行が始まって以来の医療従事者の感染者は840名となり、このうち、491名が亡くなっています。

1.広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国

・ギニア、リベリア、シエラレオネでは、エボラ出血熱患者(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が24,000人を越え、死亡者数も10,000人に迫る死亡者が報告されています(たくさんの未知の報告があります)。3月8日までの1週間に報告された新たな確定患者数は、ギニアで58人、リベリアで0人、シエラレオネで58人でした。

・確定患者と可能性の高い患者からの層別解析では、患者数はおよそ男女同数となっています。10万人あたりの患者発生数を15歳未満の小児と比較したとき、15歳から44歳までの成人では約3倍、45歳以上の成人では約4倍になっています。

・流行3か国では840名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、491名が亡くなっています。(3か国以外の国でも、18名の感染と7名の死亡が報告されています)

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数150312_WHO_ebola_roadmap_table.jpg

注釈:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類・再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**3/6、3/7、3/8のデータは欠損です。

※国別の患者数、死亡者数についても報告されています。各国毎の週別患者数の動向をみることができます。詳細については原文でお確かめください。

 図4:ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネにおけるエボラ出血熱の新規および累積の診断確定および可能性の高い患者数の分布図150312_ebola_map.jpg

注釈:地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の境界設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいは完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

2.  初期の症例が発生した国、あるいは限局的な感染の伝播が生じた国

・マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、イギリス、アメリカ合衆国の6か国で、広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています。

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 11 March 2015.
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-11-march-2015