2015年03月24日更新 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告 (更新2)

 2015年の第6週から第8週と、第11週に公表されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報をまとめて掲載いたします。

 註1:発生時期に差がありますので、詳細は原文でお確かめください。

 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告システム(PSSS)では、伝染性感染症の発生を示唆する情報の報告をしています。データは、急性発熱と発疹、下痢、インフルエンザ様疾患、遷延性の発熱の4つの症状群について、太平洋地域の23か国200以上の医療施設から収集されています。PSSSは、伝染性感染症に対する極めて貴重な早期警報ツールとしての、また、太平洋諸島の地域と国々、WHO、太平洋共同体のようなその他の国際機関との間で定期的に連絡をとる機構制度としての役目を果たしています。

急性発熱と発疹:キリバス(6)、パラオ(6)、フランス領ポリネシア(6,11)、トンガ(6)
下痢:フランス領ポリネシア(6,7)、アメリカ領サモア(7,8)、トンガ(8,11)
インフルエンザ様疾患:ミクロネシア連邦(6)、パラオ(6)、フランス領ポリネシア(6,7,11)、ニューカレドニア(11)、トンガ(8,11)、ツバル(11)、アメリカ領サモア(7)
遷延性発熱:トンガ(6,7,11)、キリバス(6,8)、ニウエ(7,8)、トケラウ(6)
註2:括弧内の数字は報告された週です。

疾患別の発生状況

チクングニア熱
・チクングニア熱の流行が、クック諸島、キリバスで続いています。アメリカ領サモア、フランス領ポリネシアおよびサモアでの週別患者数は大きく減少してきました。ニューカレドニアでも流行が発生していました。

・クック諸島では、最新の報告によれば2014年11月から2015年3月15日までに174人の患者が報告されています。3月15日までの1週間では13人でした。週別の患者数は落ち着いた状態です。

・キリバスでは、第8週の報告によれば1月23日以降2月20日の週末までに8,616人の疑い患者が報告されました。年齢層は0歳~82歳で、中央値は24歳、女性が53%、男性が47%でした。第7週には、RT-PCR法検査により98検体中38検体で陽性であったことが、Louis Malarde研究所から報告されました。

・ニウエでは、第8週の報告によればLabplus(Auckland, NZ)から以前にサモアを旅行した致死的な患者の検査確認の結果を受取りました。この患者に関する情報は2015年2月5日のPacNetでみられます。

デング熱
・デング熱がフィジーとトンガで発生しています。フランス領ポリネシアでも発生しています。

・フィジーでは、デング熱の流行が北部衛生区域Macuata地方で発生しています。フランス領ポリネシアのLouis Malarde研究施設でデング熱2型が確認されました。デング熱陰性の検体はチクングニアとジカの両方のウイルスに対しても陰性でした。第6週の報告によれば、フィジーの北部衛生区域Macuata地方で発生した検体に対しLouis Malarde研究施設からの結果によれば、デング熱2型が89%、3型が11%でした。デング熱患者は2015年1月1日から2月9日までに160人を超え、そのうちの130人が北部区域からのものです。北部区域でのデング熱に対する公衆衛生対策が強化されています。国家の伝染病対策本部の4つのワーキンググループの定期会議が強化され、北部区域で感染のさらなる拡大を阻止する対策戦略をアドバイスし、支援しています。残る西部、東部、中央部ではデング熱に対する警報の発信と沈静化に向けた活動を行っています。

・フランス領ポリネシアでは、3月8日までの週に15人の確定患者が報告されました。デング熱1型が検出されています。週別の患者数は減る傾向にあります。

・トンガでは、3月15日までの週に174人のデング様疾患が報告されました。Labplus(Auckland, NZ)によりデング熱3型が確認されました。デング熱陰性の検体はチクングニアとジカの両方のウイルスに対しても陰性でした。

・フィジーからニュージーランドへ帰国する旅行者から、2015年3月7日から13日の週にデング熱が発見されました[情報元:Institute of Environmental Science and Research Limited (ESR), NZ]。

・トンガからニュージーランドへ帰国した旅行者からも、2015年3月7日から13日の週にデング熱が発見されました[情報元:Institute of Environmental Science and Research Limited (ESR), NZ]。第8週にも、2月8日の週にも、トンガからニュージーランドに帰国した4人の旅行者からデング熱が感染輸入されたことが報告されています。

百日咳
 
第8週の報告によれば、グアムで百日咳の流行が起きています。詳しい情報はグアムの公衆衛生・社会サービス局でまとめられています。

レストスピラ症
 フランス領ポリネシアでは、最新の報告によれば、3月1日から8日までの一週間に新たに7人の患者が発生しました。1月開始以来、35人のレストスピラ症患者が報告されています。第7週の報告で細かい情報が記されています。患者の平均年齢は29歳(10-60歳)です。患者のうち、4人が女性、12人が男性で、集中治療室での治療3人を含む11人が入院しています。14歳の児童が亡くなっています。

麻しん
・パプア・ニューギニア、バヌアツで麻疹の流行が起こっています。第8週の報告によれば、確認のための検査が続けられているところですが、ソロモン諸島では急な発熱と発疹を伴う症例はほとんど現れていません。

・大型サイクロンPamが襲来したバヌアツでは、麻しんの予防接種キャンペーンが首都ポートビラとエファテ島地方で続けられています。

・第6週の報告によれば、バヌアツでは、発熱と発疹を伴う患者検体6本がフィジーの伝染病対策センターに送られており、3本でIgM抗体陽性、1本で擬陽性が確認されました。1月から11人の患者が発生しています。

心配な場合には早めの受診を 

海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

WPRO. Emerging disease surveillance and response.
Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 11 ending 15 March, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-15-March-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 8 ending 22 February, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-22-February-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 7 ending 15 February, 2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-15-February-2015/en/

Weekly Pacific syndromic surveillance report. Week 6, ending 8 February,  2015
http://www.wpro.who.int/southpacific/programmes/communicable_diseases/disease_surveillance_response/PSS-8-February-2015/en/