2015年03月26日更新 エボラ出血熱の発生状況 (第12週)

 2015年3月25日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。エボラ出血熱の患者数は24,907人、死亡者数は10,326人になりました。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況、医療従事者での患者発生状況、感染が波及した国での対応状況に内容を絞り込んでいます。要点に書かれているように、この他にも国別の発生状況及び対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

3月22日までの1週間に新たに報告された確定患者数は、合計79人でした。2015年の週別統計で最も少なくなっています。ギニアでは新たに患者45人が報告されました。3週連続で新たな確定患者の報告がなかったリベリアでは、3月20日に新たな確定患者が報告されました。シエラレオネでは、3月22日までの1週間に新たな確定患者33人が報告されました。

リベリアへの患者を例外として、感染はコナクリから北部にかけてとフリータウンから南部にかけての地域に絞られてきています。3月22日までの1週間に、ギニア、リベリア、シエラレオネの10地区から新たな確定患者が報告されました。新たに加わった4地区では過去21日間に確定患者が報告されています。その4地区は、ギニアのBoffa(ボッファ)、Dubreka(ドゥブレカ)、Kindia(キンディア)と、シエラレオネのKoinadugu(コイナドゥグ)です。流行の発生地であり、ギニアのGueckedou (ゲケドゥ)県、リベリアのLofa(ロファ)郡、シエラレオネのKailahun (カイラフン)の3か国が国境を接する地域では、過去90日以上エボラ出血熱の確定患者は報告されていません。

ギニアでの対策の指標を見ると、最近の数週間と比べていくつかの改善点がみられます。患者発生数では、全ての県で過去21日間に報告された数が前週よりも減りました。同じく、3月15日までの1週間では、前週に28%であった登録された接触者からの確定患者の発生率が38%になりました。しかしながら、3月22日までの1週間に、前週は22件であった安全性を欠いた埋葬が26件もありました。こういった改善はありますが、既知の接触者からの患者発生率が半分以下であり、安全性を欠いた埋葬の報告数が増えているという現実は、ギニアでの流行が未だ知られていない感染連鎖の中から発生し続けていることを示しています。

リベリアでは、新たに報告された患者の感染源に対する調査が続けられています。全国で強い警戒体制を維持しています。3月22日までの1週間に238検体でエボラ出血熱検査が行われました。

シエラレオネでの対策の指標は改善が続いています。3月15日までの1週間に、前週に67%であった登録された接触者から確定患者の発生率が84%になりました。3月22日までの1週間に、安全性を欠いた埋葬は報告されていません。しかしながら、エボラ出血熱死亡者56人中7人は地域社会で死後の検査によって発見されています。

WHOは強固な枠組みでのサーベーランスを実施するリベリア保健省を支援しています。国境を越えたサーベーランスの対応能力が、既にNimba(ニンバ)郡とGrand Cape Mount(グランドケープマウント)郡で強化されています。国境での感染管理を強化する準備作業は既に他の郡境でも始まっています。

患者発生数が減少し感染地域が縮小する流れの中で、リベリアとシエラレオネでは治療への対応能力が需要を大きく上回ってきています。そのため、両国の国家規制当局は、WHOからの技術指導の下で余剰施設を段階的かつ安全に閉鎖していく計画を実行に移してきています。それぞれの国は、戦略的に地理的な対象範囲を網羅できる配置で、直ぐに追加対応できる予備の施設を開設できるようにしながら、高度なエボラ治療センター中核施設を保持する計画です。

3月22日までの1週間に、新たに1名の医療従事者の感染がギニアの首都コナクリから報告されました。これで、流行が始まって以来の流行3か国で報告された医療従事者の感染者総数は853人に達し、死亡者は494名になっています。

1.広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国

・ギニア、リベリア、シエラレオネでは、エボラ出血熱患者(確定患者、可能性の高い患者、疑い患者を含む)が25,000人を越え、死亡者も10,000人を超えたことが報告されています(たくさんの未知の報告があります)。3月22日までの7日間に報告された新たな確定患者数は、ギニアで45人、リベリアで1人、シエラレオネで33人でした。

・確定患者と可能性の高い患者からの層別解析では、患者数はおよそ男女同数となっています。10万人あたりの患者発生数を15歳未満の小児と比較したとき、15歳から44歳までの成人では約3倍、45歳以上の成人では3倍から5倍になっています。

・流行3か国では853名の医療従事者の感染が報告されています。このうち、494名が亡くなっています。(3か国以外の国でも、18名の感染と7名の死亡が報告されています)

 表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数

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注釈:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。

※国別の患者数、死亡者数についても報告されています。各国毎の週別患者数の動向をみることができます。詳細については原文でお確かめください。

 図4:ギニア、リベリア、マリ、シエラレオネにおけるエボラ出血熱の新規および累積の診断確定および可能性の高い患者数の分布図

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註:地図上で使用される境界と表示されている名称および呼称は、いかなる国、領土、都市や地域についてもその統治状況に関して、あるいはその国境や境界の境界設定に関してWHOが見解を発表しているものではありません。また、地図上の点線と破線は、その国々あるいは完全な合意にいたっていない可能性があるためにおおよその境界線を表しています。

2.  初期の症例が発生した国、あるいは限局的な感染の伝播が生じた国

・マリ、ナイジェリア、セネガル、スペイン、イギリス、アメリカ合衆国の6か国で、広範囲に及ぶ深刻な感染の伝播が生じている国から流入してきた症例が報告されています。

出典

WHO. Situation reports: Ebola response roadmap-Situation report. 25 March 2015.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/159060/1/roadmapsitrep_25Mar2015_eng.pdf?ua=1&ua=1